甲骨文字から始まる想像の旅
今年は「龍」の甲骨文字。
一昨年、日展にも入選された安八町在住の書家「春煌」さんの作品です。
毎年、彼女はカレンダーにしていて、今までは中国の故事でしたが、今年は干支でした。
我が家の場合、トイレの壁に貼らせてもらっています。
「トイレ?」と顔をしかめられそうですが、一番眺められる場所なんですよね。
一日1分としても、一年で6時間、眺めていることになるのですから。
座って用を足しながら、春煌さんの文字を眺めている時間は至福。
書に縁がない僕は、細かい部分はわからないけれど、筆さばきなどに様々な想いを想像しています。
次第に春煌さんが生み出した「龍」は、
性別はあるのかなぁ、
どんな表情なんだろう、
好きな食べ物ってあるのかなぁなどと思いながら文字を眺めるように。
たいていトイレから出たら忘れてしまうけれど、時折、スマホで調べ始めることも。
龍が好きな食べ物は、
ツバメの肉、アズライト(鉱物)などの説があり、戸隠神社九頭龍社では梨という表記もありました。
九頭龍大神は「虫歯の神」としても知られ、そこで梨を供え、参拝者は梨を絶つと虫歯が治るのだとか。
さて、甲骨文字は、文字通り、亀の甲羅や獣の骨に刻まれた中国は殷の時代の象形文字で漢字の原形とも言われています。
紀元前15世紀頃と言われているので、
今から3500年ほど前から使われていた現存最古の中国文字で、
占いの結果を残すために小刀で細かく彫り付けていたらしい。
甲骨文字など、文字を持たなかった時代は、どんな感じだったのだろう。
先日、フランダンサーからフラダンスで使用するオリ(踊る前の祈りのようなもの)は、
全て口伝だった話をうかがい、
文字で憶えるより、音で憶えたほうがしっくりくるのかもしれないなぁ、
でも、こうして雑記を綴る楽しさはなくなっちゃうなぁなどと様々な想いを巡らせています。
トイレに座り、この文字を眺めている妄想の時間は、まだまだ続きそうだなぁ。