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『amazonのすごい会議』(佐藤将之)ブックレビュー

前から読みたかった本です!amazonショッピング、アレクサ、amazonミュージックユーザーの僕としては、amazonという会社自体にも興味があるし、なにより自分の会社でなされている各種会議に思うところがあり、ガンガン読み進めました。知りたいところ、突いてほしいところがめちゃめちゃあった。

『会議を見直すことで、会議そのものの生産性を高めるだけでなく、個々の業務や働き方、企業文化や組織、人事制度など会社全体の仕組みを見直してみるきっかけとなります。そうした改善はやがて、社会が顧客第一主義になることに繋がると信じています』(P252)

つまり著者の佐藤さんは、本を通じて会議が改善され、会社が改善され、社会の顧客第一主義化を目指していると。ビジョンがいい!さらに本の中では、有効な会議の大前提となるOLP(Our Leadership Principles)っていうamazonの人材育成への考え方みたいなものがあって、それも凄く共感できました。早速レビューじゃい!

第0章:アマゾンが「減らしたい会議」「増やしたい会議」

・会議は意思決定会議、アイデア出し会議、情報伝達会議、進捗管理会議の4種があるが、情報伝達会議はなくした方がいい(P30)
・代わりに情報を引き出したりサポートのきっかけになるワン・オン・ワンミーティングを行えば、納得感のある評価を正確に行うことにも役立つ(P33) 

→いきなり耳の痛いことを突いてくるなw情報伝達会議はいらん、と苦笑
まぁわかるんだけど、とはいえメール投げただけだと読み飛ばされたり主旨と違った認識をされたりしている場合もあるから、撤廃はする必要ないかなと個人的には思う。 

第1章:アマゾン流資料作成のルール

良い会議はよい会議資料から生まれる。条件は①会議の目的が明確 ②少ない労力で読める ③確実に伝わる(P40)
・パワポ箇条書きはやっつけ仕事で作れてしまうので不適。検討・推敲の上で初めて作れるワード資料がよい(P46)
・1ページor6ページでまとめるため、①結論を先に書く ②文章は短く切る(P62)
シンキング・バックワーズ(=最初にゴールを決め、それに向け何をすればいいかを考える)(P64)

 →めっちゃ同感。会議の準備の重要性ですね。個人的にも“会議は始まる前にその大半が終わっている”と思っていて、それだけ準備が会議の行方(効果)を左右すると思っていた。
また、『シンキング・バックワーズ』についてはうちの会社では『バックキャスト』みたいな言い方をしているけど意味は一緒。将来の目的に合わせ、やるべきことやスケジュール感を決めていくという。これ、大事。

第2章:アマゾン流意思決定会議

会議の『オーナー』はプロジェクトリーダーが務める。会議設定・ファシリテーション・議事録・フォローを担う(P88)
・会議は15分程度の沈黙(会議資料を書く字で読む時間)で始める。“最高の会議は沈黙のまま終わる(=資料で疑問や懸念が生じない)会議”(P97)
・①参加者に振り、頭脳をフル活用する ②タイムマネジメント ③議事録(P102)
リフレーズ(言葉を補足したり、言い換えて発言を助ける)/パーキングロット(本題から外れる意見をホワイトボードの片隅に置く)/バルコニーからの俯瞰(席を立ってみることで、冷静かつ客観的に議論をコントロール)(P104~110)
・ソーシャルコヒージョン(=社会的一体性。しがらみに配慮して妥協すること)はお客さまへの妥協に繋がるため避けよ(P115)
・誰がいつ何をすべきかを個人名で依頼すること(P122)

 →『オーナー』の役割、染みました。そして“最高の会議は沈黙のまま終わる会議”、なるほど面白いw
また、会議の進め方としてリフレーズとかはやっていたつもりだけども、パーキングロット、めっちゃいいなと思った。相手に失礼なく、横道に逸れそうな意見を一旦ペンディングするという。今後めっちゃ使います。

第3章:アマゾン流アイデア出し会議

・ピザ2枚チーム(6~8人)/ホワイトボード(模造紙)/ポストイット(P134)
・クイックアンドダーティ(粗削りでもいいから早く)で多くの意見を促す(短めな制限時間の設定)(P141)
・オフサイトミーティングでは外部から隔離された環境で、会議に特化できるようにする(P148)

→アイデア出し会議、僕自身が苦手なのよね笑

第4章:アマゾン流進捗管理会議

・主観ではなく客観的に状況を確認し、進捗を見極めるべし
・KPI(重要目標達成指標)を達成するためにメトリックス(=KPI。重要業績評価指標)が必要(P164)
・担当者は進捗管理会議に臨むにあたり、基準値から外れた箇所の分析・対策をすべし(P175)
最長でも週単位でKPIのチェックを(1か月に1回ではスピード感が足りない)(P187)
・最後の“締め”としてポストモーテム(=事後検証)を取り入れ、プロジェクトの良かった点・悪かった点を振り返り次につなげる(P193)

 →スピード感の話、共感。ポストモーテムはやっていなかったし、正直プロジェクトって“やっておしまい”になりがちだけど、確かに成功も失敗も次につなげることが大切よな。

第5章:アマゾンのOLP

・オーナーシップ(他人事ではなく物事に主体的に取り組む姿勢)を持ち、代表として会議に出ろ(P203)
・判断基準はお客様のためになるか(P206)

 →オーナーシップ、いわゆる主体性とか責任感ってことだと思うけど、このあたりは管理職試験に一回落ちたあたりから気づき始めたと自分自身では思っている。

第6章:会議をスリム化するヒント

・会議をすること自体が目的ではない(事前に会議の目的を確認し、無駄な出席を減らす)(P232)
出席者が多すぎると関係ない議論を持ち出される原因に→必須・任意出席を分けて招待(P238)
権限移譲をし部下に会議に代表として参加させることで、自身の参加頻度を適正化する(P248)

 →出席者が多いと無駄な議論が展開されるの、めっちゃわかるwww
いい会議って、出席者の全員が何かしら意味のある発言をする(またはオーナーが発言を促す)会議だと思っていて、その意味で出席者を適切に選ぶのって重要よね。
そして権限移譲をすることで上司は出席する会議を減らせるだけでなく、組織文化としても部下に任せる環境が整っていき、それが闊達な企業ひいては本来の正しい姿であるお客さま第一主義の会社になっていく、と。会議の有効化って深く考えると確かに企業自体を変えることに繋がるのな。深いわぁ~。

 はい、というわけで『amazonのすごい会議』、すごかったですよ~。中でも第2章の会議の進め方みたいなものはどんどん盗んで実践していこうと思う。一生懸命、いい会議をして相乗効果を生んでいこう!

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