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アートでつぐなって!ピカソやミロと肩を並べた天才・落合皎児
落合皎児って誰よ
落合皎児って誰よ。
そう思った人が多いのでは?
私も彼の存在を知ってから1年も経っていない。
画家・落合皎児の絵と出会ったのは、2024年10月に開催された追悼展だ。
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そのときの感動を言葉で表すことは非常に難しい。
胸の真ん中にドリルででっかいでっかい穴をこじ開けられ、心の深部に落合画伯の絵画が住み着いた。
なんて、無理に言語化すると怪しい表現になってしまうが、それくらいのインパクトだった。
ミロやピカソと肩を並べた輝かしい実績
落合皎児は、日本ではほぼ知られていない画家・版画家である。
同時に知られていないのが勿体ない画家でもある。
以下、彼のスペインでの実績だ。(実績は写真のパネルより引用)
第23回国際ジュアン・ミロ賞第一席受賞
日本人で唯一スペイン現代版画作家150人の1人に認定 (スペイン王立美術アカデミーより)
日本人で唯一スペイン国立図書館に作品永久所蔵(モダンアートジャンルにて)
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彼のアートは、海外でピカソやミロの作品と展示されたこともある。そのような実績を持ちながら、日本で多くの人に知られる機会がないまま、2024年に他界してしまった。
画家の運命…家族の孤独死・自死とつづく
人というのは何かに長けていると何かに欠けてしまうのだろうか。
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(日本での知名度・売れ行きはさておき)落合皎児は芸術家としての才能は素晴らしかったが、家族を守るチカラは弱かった。
芸術を優先し、離婚。
家族は崩壊し、元妻は心を病み孤独死、次男は20歳で自殺……
画家本人は1,500万円もの借金を抱えながらも、飲み歩き、お金を払えずツケがつづく状態だった。晩年、長男・落合陽介ギフレ氏に連絡をとるときはお金の話(つまりは要求)ばかりだったようで、ギフレ氏が実父と距離をとっていた気持ちは分かる。
2024年4月11日、画家は火事で亡くなった。タバコの不始末が出火原因ではないかと言われている。
画家が残した1,500万円の借金&絵画の山
長男・落合陽介ギフレ氏に残されたのは、前述した借金1,500万円と1,000点以上もの芸術作品だ。
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相続をするともれなく借金もついてくるのである。
「そんな親の絵画なんて捨ててしまえ!相続放棄でいいじゃん」という声もあがりそうだ。しかし、ただひとり残された家族として彼は『絵を守る』ことを決意。
ギフレ氏は父を反面教師にし、自分の家族・妻子を大切にしてきた。その父の借金を背負うことは、他者には想像できないくらい複雑な気持ちもあっただろう。
ちなみに私は画家のファンとしてギフレ氏の決意に感謝していて、自分にできることは応援かなと思い、この記事を書いている。
クラファンでの試みは画家のつぐない⁈
ギフレ氏はクラウドファンディングを選択し、12月にスタート。
簡単に詳細&経過を伝えると、
第一目標300万円
⇒見事、達成!!
作品の整理・管理・データベース化、アトリエの整理等の活動費用第二目標2,500万円
⇒2025年1月10日現在、ここ!!
アトリエの修復/活用にむけた活動資金・作品制作・法人設立等の費用
(目標はクラファンページより引用)
第二目標のなかには、以下も含まれるのがポイント。
【アトリエの活用】滞在・宿泊可能な多目的クリエイティブスペースのような活用ができればと考えています。地域の子どもや障害のある方などの心の拠り所・生きる力が生まれる場所として、また学生や芸術に打ち込みたいと考える若者たちの創造の場所として、行政や学校・美術団体などと連携しつアートやクリエイティブに立脚した持続性のある多目的空間を作りたいと思います。
この目標からは、父・母・弟の生き様から得た"ギフレ氏の思い"が伝わってくる。そして、家族を顧みなかった落合皎児の、一種の償いにも見えてくる。
絵画を未来に残すだけでは、落合皎児を喜ばせるだけだ。
彼のアート&アトリエを通じて、彼がやり遂げられなかった"子供たちを守ること"をしっかり実践させ、償ってもらおうではないか。
彼の作品は観る者にエネルギーを与える。落合皎児が芸術家としては天才だったからこそ、アート&アトリエを通じて、未来に残せるものがあるはずだ。
素晴らしい作品を手掛けた落合皎児のサダメだと、勝手ながら思っている。その手伝いをしようとしている長男・落合陽介ギフレ氏を、みなさまにも応援してもらえると嬉しい。
「知る&広める」ことも応援だ!クラファンは1月31日まで。
よろしくお願いいたします。
落合皎児画伯のいちファンより
(この文章は私の個人的な思いで、自発的に投稿しています)
補足:ネット上で見られる落合皎児の作品
【ネット上で作品の閲覧が可能な場所】
◎tumblr「落合皎児の世界」
◎Instagram
画家:koujiochiai1948
長男:guifrex_yor
◎flickr「Ochiai Kouji」