クリスマスが続く日々
息子は来年小学生。
私は寝静まった後、枕元にプレゼントを置いた。
幸せそうに寝ている横顔はとても愛おしい。そんな息子の隣には
一緒にクリスマスを楽しんだ恋人も寝ている。
来年の今頃、私たちは家族になっているのかな。
来年も楽しいクリスマスを一緒に過ごせたらいいな。
目を覚ますと、そこは私の家ではなかった。恋人の家だった。
あれ、、、、昨日は私の家でクリスマスを過ごしたはずなのに。
プレゼントだって、ほら枕元に。
え、、、、でもなんで。。
「ママ、行ってくるね」
気がつくと私は玄関で息子と恋人を見送っていた。
息子は小学5年生になっていた。
顔も体型もだいぶ変わったけれど、笑った顔はずっと変わらない。
流れるように当たり前の光景で、頭が追いつかなかった。
そもそも、息子は来年小学生だったし、私の家でクリスマスをしていたはずなのに。
記憶がぶつ切りで途切れ途切れだ。
一体、どうなってしまっているのだろう。
私がはっきり覚えているのは、プレゼントを置いたクリスマスの夜。
私の家にいたはずだった。
だけど、次の日から恋人の家にいて、息子は小学5年生になっていた。
全ての事が一気に変わって訳がわからない。
でも疑問を口にする前に、私の記憶はいつも途中で途切れてしまう。
大きくなった息子はあの頃と変わらず優しくて、3人で暮らす日常はとても穏やかだった。
体感覚では二週間ぐらいしか経っていなかた。今は1月中旬ぐらいだろうか。
小学校に向かう息子に「外は寒いからこれ着て行ってね」とコートを渡した。
息子は困ったような、申し訳ないような顔をした。
そのコートを恋人が受け取って「ありがとう。外に出たら着せるね。」と言った。
なんで息子はあんな顔をしたんだろうと不思議だったけれど
玄関を出る直前に息子も恋人も夏服を着ていることに気がついた。
私の頭は一体どうなってしまったんだろう。
こんな頭がおかしい私なのに、日々息子も恋人も私に優しくしてくれて
記憶はあまりないけれど、大事にしてくれてる、愛されている実感だけはあった。
持続しない今しか生きれない自分が猛烈に苦しくて悲しくて、申し訳なくて
一気に感情が溢れ出して、ボロボロ涙が溢れ出してうずくまった。
恋人が駆け寄って抱きしめてくれた。
「私、こんなに頭がおかしいのに。二人に迷惑しかかけてないのに、なんで」
泣きじゃくりながら、まとまらない言葉が溢れた。
彼は、私が事故に遭って記憶障害になってしまった事を話してくれた。
「僕は毎日、君と一緒に過ごせて
君が少しでも今日は楽しい1日だったなって思えたら
それが僕の幸せなんだ。」
そう言って私の涙を拭きながら、優しく笑った。
溢れる涙は、止まるどころか増すばかりだった。
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目が覚めたら私は号泣していた。
隣には来年小学生になる息子がスヤスヤ寝息を立てていた。
ここは私の家で枕元にもプレゼントがある。
そうそう、恋人の顔は菅田将暉でした。
カッコ良かったなー。笑
ビッグラブ。
いい夢みさせてもらいました。サンタさん。
クリスマスプレゼントをありがとう。
愛だなー。愛。