Maximum Cervical Compression Test(マキシマムサービカルコンプレッションテスト)の解説

「Maximum Cervical Compression Testの解説」

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今回はマキシマムサービカルコンプレッションの動画の解説を致します。

オーソペディックテストにおける頚椎神経根障害を鑑別する評価方法としてMaximum Cervical Compression Test(マキシマム・サービカル・コンプレッション・テスト)という技法があります。
我々は診断目的ではなくリスクマネジメントとしてこの技法を用いることがあります。

まず基本形として純粋に頚部中間位から長軸圧迫を加えて神経根障害の出現と増悪を確認するAxial Cervical Compressionがあります。
これに対してMaximumは字の通り、頚椎を圧迫テストするポジションを可能な限り「最大」のポジションをとるというものです。
この場合の最大ポジションというのは頚部神経根が絞扼される可能性のある頚椎椎間孔の孔径が狭くなるポジションを指します。
頚部神経根絞扼の原因は神経根症といっても様々で、頚椎椎間板ヘルニアによる神経根圧迫や変形性頚椎症による椎間孔狭窄により神経根症など多岐にわたる複数の可能性を想定すべきであり、さらには似て非なる酷似した症状を呈する頚椎椎間関節症(Facet syndrome)や上肢症状においては胸郭出口症候群を含む末梢神経障害との鑑別評価も臨床上大変重要なポイントであると考えます。

これらのリスクマネジメントに対しては、オーソペディックテストを単一で用いることなく、特に神経根障害を評価すべく上肢筋の筋力検査、上肢の感覚検査、頚椎分節に対応した深部腱反射を含む神経学検査が有用となります。

Maximum Cervical Compression Testは患者に対する疼痛の再現性が高く、比較的侵襲性の高い評価方法であると同時に、頚部の可動域が減少しているケースにおいては正確な評価が困難となる場合も少なくありません。
頚部痛、頚部の可動域、上肢症状の再現性等を経過観察の中もしくは施術等の前後の比較として用いることをお勧めします。

またMaximum Cervical Compression Testのセットポジションでは椎骨動脈症候群の可能性を含むケースにおいて眼振や二重視、眩暈などが観察されることがあります。
評価方法とその判定に捉われることなく、包括的に患者の状態を理解できることが求められます。

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