36日目_家族の風景【ジョージア/クタイシ】
3/1(水)
今日は早起きして移動の日だ。
電車での移動はワクワクする。
電車旅
トビリシ中央駅からクタイシは8ラリ(400円)、事前にチケットは買っておいたのだが、ホームに行くための道がややこしく、チケットカウンターの階から一つ下がったところのコーヒー屋さんの裏にひっそりとドアがあった。
コーヒーがいい感じだったので一杯買ってホームへと入る。
ホームには既に電車が来ており、チケットに記載のあるシートを確認して乗り込んだ。
程なくして電車が出発すると、辺りの風景は瞬く間に自然いっぱいとなった。
山の中は雪も積もっている。
昨日の夜作っておいた焼き飯を弁当にして準備しておいたのだが、スプーンがなかったのでコーヒーのフタを2つに折りたたんで使用した。
この発想に至ったのは給食の時のゼリー用のスプーンなので、実質義務教育の勝利である。
また、同じ車両に日本人の家族が乗っており、何度かお話をさせてもらった。
小さい子どもたちはとても人懐っこく、私の所へ何度も遊びに来てくれたり、昼ごはんのおにぎりを分けてくれたりした。
一人旅の性質上、基本的には人との会話は少ない。
更に小さい子どもとの会話となると出発後初かもしれない。
なんだかとても家族っていいなと思った。
到着
クタイシについたのは一時間少し遅れの14:30くらい。
先程の家族とお別れをし、ホームに出る。
今日は特に大きな予定はないので、まずはドミトリーにチェックインする。
ひょうきんなおじいちゃんと、親切そうなおばあちゃんの夫婦でやっているドミトリーだ。
晩ご飯を15ラリで追加できるというのでお願いした。
「18:30までには帰ってくるよ」と言い、出発。
ご飯までに帰ってくるという行為に少しエモさを感じた。
そしてクタイシ散策
クタイシは人口14万人程の街で、人口100万人のトビリシに比べるとかなり田舎だった。
同じジョージアなのに通りの雰囲気も違う。
まずはクタイシの巨像を見に来た。
ジョージアの有名な詩人の像で、形が独特だった。
詩人と思われる男性に上から女性が舞い降りて来ているのだ。
目測だが高さは15m前後あり、かなりの存在感を放っていた。
またこの舞い降りている女性の足の部分だけが後ろの壁についており、安定感を出すのに一役買っていた。
行く街行く街調べると独特な像があるので、こうやってテーマを決めて旅をするのはとてもいいことだと思った。
元世界遺産へ
続いて、補修工事の際に近代的になったからという理由で世界遺産から外れてしまった聖堂が近くにあるらしいのでそこへ向かった。
巨像からは歩いて20分くらいで到着。
バグラティ大聖堂は11世紀に建てられたキリスト教の聖堂である。
高台にあり、街を見下ろす景観と大きな建物は圧巻である。
こういう補修を超えた増築もあり、世界遺産から外れたのだろうが、中に入るとその神聖さに驚かされる。
外から見るよりもずっと広い空間に感じ、重く、だが決して堅苦しくはない雰囲気が満ちている。
元とはいえさすが世界遺産と納得の訪問だった。
この後は明日乗るバス停を確認しにクタイシ駅の反対側のバスステーションを確認しに行ったり、クタイシ駅前にある巨像を見に行ったりした。
晩ご飯
お待ちかねの晩ご飯だと、意気揚々とドミトリーに戻ると先程の日本人家族が居た。
同じ車両というだけでも偶然なのに、同じ宿とはビックリである。
再会を喜び、みんなで食卓につく。
大皿の料理を食べきれないほど並べてくれ、ワインも飲み放題と、最高の晩ご飯になった。
料理名は教えてくれたが、全然覚えられなかった。
・トマトとか卵とかの煮込み
・炊き込みご飯的なやつ
・お肉がたくさん入ったチリっぽいスープ
・キャベツと人参のサラダ
・玉ねぎのサラダ
・パン
など、たくさんの手料理を食べることができた。
食後の団らん
食べ終わってからはみんなで団らん。
スリコは友達と飲みに行ったので、メンバーはおばあちゃんのメディコと、孫(?)のクリスティーンと、日本人家族の皆さんだ。
子どもたちはすっかり懐いてくれ、たくさん遊んでくれた。
親戚の家に来たような、どこかの家族の一員になったような、そんな素晴らしい気持ちになった。
子どもたちが寝てしまった頃、メディコが「チャチャ」というジョージアのお酒を振る舞ってくれた。
チャチャはぶどうの絞りかすを蒸留して作るお酒で、アルコールは50度くらいある。
飲んだ瞬間から喉が熱くなり、次第にポカポカしてきた。
なるほど、寒い季節にはちょうどいい。
眠くなってきたのでシャワーを浴びてベッドへ入った。
こんな家族の風景を見るのはいつぶりだろう。
どこにでもあるような、でもかけがえのない風景だ。
こんな気持ちになれて嬉しい。
つづく