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10日目_チンギスハーン国際空港【モンゴル/ウランバートル】
2/3(金)
今日でモンゴルも終わり。
情勢を鑑み、中国とロシアを除外することで一つだけ離れすぎたために最後まで行くか迷った国だったが、本当に来てよかったと思う。
チェックアウトは11時。
日本人の優しそうなおじさん、吉田さんと話しながら朝ごはんを食べ、荷物を準備した。
外に出るときは同じ部屋だった韓国人のジョーが見送ってくれた。
たった2泊だったが、とても素敵な思い出ができた。
もう一つの巨像
実は近くのお寺にもう一つ巨像があるようで、今日はそこへ向かう。
目的のガンダン・テクチェンリン寺までは徒歩で20分少々。
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このガンダン寺はモンゴルにおけるチベット仏教の最高学府的な寺らしく、たくさんの僧侶がいた。
巨像は建物内にある。
入るときに7,000tgと写真撮影するのに4,000tg、合計で11,000tg支払うのだが、細かい紙幣がないので仕方なく20,000tgを渡すとお釣りがなかった。
受付のおじいちゃん僧侶はニコニコしてたし、まぁ高い金額でもないしとそのまま中へ。
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すごく大きく感じる・・・
なぜこんなに大きく感じるんだろう。
考察してみた。
例えば東大寺の大仏は座っているので、その分専有面積が広い。
広い面積+像の高さに合わせた建物となるわけで、必然的に縦にも横にも大きい建物ができる。
しかしガンダン寺の観世音菩薩像は立っているため専有面積は狭く、縦には大きいが、横はそんなに大きくする必要がない。
建物の形は座仏よりは縦長になる。
つまり、建物内空間における巨像率が高いのが迫力の一因なのではないだろうか。
なるほど!
理由がわかったところで昼ごはんへ
お昼は前述の吉田さんに教えてもらったモンゴル料理屋さんへ向かう。
途中まではバスに乗りいい感じで進んでいたのだが、なんか違う方に曲がりそうだったので降りて徒歩に。
スフバートル広場を突っ切って更に東へ。
「Modern Nomads」というお店。
頼んだ料理は名前がわからなかったけど、塩味のスープで羊の肉を煮込んでるやつだ。
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シンプルな塩味なのだが、肉や野菜の旨味が合わさってとてもいいバランスだった。
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旨味って英語で何ていうんだろうと調べたらズバリumamiだった。
空港へ
腹ごしらえもすんだので早めに空港へ向かう。
空港は結構遠く、タクシーだと高そうなのでバスで向かうことにしたのだが、バス乗り場はレストランのすぐ近くにあり、わかりやすかった。
7番のバスに乗りこみ車内を見一見渡すと、一人がけの椅子が空いていたのでそこに座った。
「大変だけどいい旅だったな」とひと息をつく。
しかし本当に大変なのはここからだった。
ふと吉田さん(日本人の優しそうなおじさん)の言葉を思い出す。
「新空港ができてから、めちゃくちゃアクセス悪くなりましたよねー」
・・・
俺はおもむろにグーグルマップを開き、状況を理解した。
今、俺は・・・旧チンギスハーン国際空港に向かっている!
漫画「うしおととら」内屈指の名セリフ
『今、俺たちは・・・太陽と一緒に戦っている!』を引用させていただいた。
私が向かうべきなのは”新”チンギスハーン国際空港なのだ。
説明しよう。
モンゴルには新空港と旧空港があり(両方ともチンギスハーン国際空港と呼ばれている)、旧空港はウランバートルから約15km、新空港は約50km離れている。
もちろん、なんとなくそういう話は聞いていたが、
”モンゴル 空港から市街”とかで検索すると「大体15kmくらいです」みたいな情報がめちゃくちゃ出るので、近いほうが新空港だと思っていたのだ。
※ちなみに新空港は2021年7月に開港したばかりなので15kmですって書いてる人は悪くない
最終日にもなって、空港の位置さえ理解してなかったのかと愕然とした。
しかし、もう後の祭り
こんな途中で降りたんじゃ凍え死んでしまう。
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とりあえず旧空港まで行こうと決意した。
案外悪くないかも
バスは無事旧空港へ到着。
料金は500tg(20円)と格安。
新空港が開港してから、国際線は全て新空港で運航するようになったらしい。
つまり、モンゴル人以外は基本使わない空港である。
※もちろん国内を移動する非モンゴル人はゼロではないが
こんなところに来る機会なんてそうそうない。
チンギスハーンの壁画や、ヘリコプターもある。
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そして何より街の感じが好きだ。
空港のすぐ近くに街があり、ほぼそのまんまのヤギとかが売られていた。
※人によっては閲覧注意
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少し遠くを見れば白く連なる山々。
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この感じ、めちゃくちゃ好きだ!
とりあえずここからタクシーに乗ろう。
幸いにも新空港と旧空港は同じ方向だし、何なら市街からタクシーを使うより安いんじゃないか?
・・・しかし
空港のカウンターでタクシーの相場を聞くと80,000tg(3,200円)と返事があった。
そんな馬鹿な!
せいぜい30kmちょいなのに。
相場の3倍近い金額だし、なんならもうそんなお金はなかった。
よし、自分で探そう
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空港の前の道を歩きながらタクシーを探す。
モンゴルのタクシーは普通の車と見た目同じなので、どれがタクシーなのかわからない。
※ただ、経験上プリウスがタクシーだったことが多い
その場で待つのは寒いので、道路を歩きながら探すこと10分。
ガラの悪そうな男が止まってくれた。
新空港までいくら?と聞くと70,000tg(2,800円)と返事があった。
俺は財布の中身を全て出し、その男の前で計算した。
「51,220tgしかないが、これで連れて行ってくれない?これが全財産なんだ」と再度質問。
「それじゃ無理だ」と走り去ろうとする男。
まてまてまて。
そういえばさっきのレストランのお釣りが財布に入ってたので上乗せすると、57,000tgくらいになった。
「そろそろ空港に向かわないとまずい時間だし、本当頼むよ!お願い!」と粘ると、男は渋々オッケーしてくれた。
これで一安心
と思いきや、男は少し走ったところで車を止め、電話を始めた。
モンゴル語がわからないので、内容は全然わからない。
電話を終えると男は再度別の人間に電話をし、また何か話し始めた。
そしてその電話が終わってからもまた電話を始めた。
本当に何言ってるのかわからないが、たまーに「チンギスハン」みたいな言葉が入ってくるので、空港のことを話してるんだと思う。
「さっき57,000tgで空港まで乗せるって言っちゃったんだけど、やっぱやめたほうがいいかな?」
みたいなことを言ってたらどうしよう。
俺は再度地図アプリを開き、どのくらい離れているかを再度確認しようとした。
その時、男が何か話しかけてきた。
電話はまだ繋がっているが、明らかに俺に話しかけている。
もしかしてこの男、空港までの道がわからないんじゃないか?
ふとそう思った私は「空港はこの道を右に曲がって真っ直ぐだよ」とジェスチャーをしてみた。
すると男は「マジで?わかるの?」みたいな顔をする。
私は「うん、だってほら、この道は真っ直ぐ空港まで続いてるだろ?」というジェスチャーをする。
男の顔から不安は消え去っていた。
再び動き出す車
男は電話も切らず車を走らせ始めた。
電話相手は少し英語ができるようで、私が代わりに「もう大丈夫そうだ」と伝えて終話した。
道は本当に真っ直ぐ空港へ続いていて、旧空港から新空港までは右折一回だけで辿り着けるということがわかった。
機能的な空港。
当たり前だが新空港は旧空港より綺麗で、仕事ができるスペースまであった。
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充電もできるし、登場案内板も目の前という至れり尽くせりな机だった。
そこでガッツリ仕事をしたり、妻がライブだったので配信を見たりして過ごした。
時間がくると私が乗る予定の韓国/ソウル行きの便のチェックインが始まった。
人もあまり多くなかったためチェックイン、荷物検査、出国検査、搭乗まで全てスムーズに済んだ。
こんな感じのコンパクトな空港はあまり利用したことがなく新鮮だった。
※唯一、ジンバブエのヴィクトリアフォールズ空港がこんな感じだった気がする。
そして現在22:15(日本だと23:15)ちょうど大連の上空を通過した辺りである。
韓国とモンゴルがこんなに近いなんて思わなかった。
ベトナムも、シンガポールもマレーシアも韓国も思ったが、また来たいなと思った。
旅は10日目、行程の1/10が終了した。
次はソウルで乗り換えてタイへ!
たのしみ!
つづく