仕事のポートフォリオ
田原さんと石丸さんが「タグ付け」って話をしてて、そこで多層所属みたいなこととかも出てきて、その辺について考えてたことを書いてみる。
これから書くポートフォリオのことは、これまでは独立した人、自営業、そういう人たちに限られていた実践方法だったかと思うけど、副業解禁の流れも大きくなり、これからますます、こういうポートフォリオを組む、組める人は増えてくるだろうと思う。
まず、僕が仕事に対してしている分け方がある。
以前は「天職100%で生きていたい!」みたいに思っていたけど、今はそうでもない。バランスを取りながらやっているし、そのバランスも時期、時期で変わるものだなと思っている。
稼げる気配はないけど、好きだから、やりたいからやっていたことが、徐々にお金も入ってくるようになって「ボランティア→天職」になっていくケースもあると思う。
積極的に天職にシフトさせるように意図してボランティアから始めるケースもあると思う。よくあるのは「コーチングを学んだので、まずは30人無料セッションさせてください」みたいなやつだ。
でもまぁ「一生、ここはお金にならなくてもいいや」という活動もある。僕にとっては市民アジェンダ(の活動)とかがそれに当たるけど、そういう領域もあっていい。
自分自身のことでいうと、独立したての頃は「天職=就活塾」「収入源=研修講師」「ボランティア=熟議」みたいな感じだったと思う。
就活塾はもう、やりたくてやりたくてしょうがなかった。やってて最高に充実感もあったし。但し、時給換算すると「楽なビジネス」では決してなかった。利益は出てたけど、自分で時給換算はしないようにしていた。
有難いことに研修講師のお仕事をいただけていて、それは生活の安定という意味では本当にありがたかった。これがあったからこそ、就活塾も頑張れた。
「収入源」と表現してしまうと、なんとも失礼な感じもしてしまうんだけれど、分かりやすいのでそう書いている。
ただ、この「収入源」の仕事こそ、プロ意識とか、お客様の役に立つ、ということを忘れちゃいけない領域だと思っている。報酬をいただけていることへの感謝も絶対忘れちゃいけない領域。
「収入源の仕事をしたくない、卒業したい」「天職にシフトしたい」っていう気持ちになったりする。自分もなったことがあるし、周りを見ていてもそういう時期を経験している人は多いと思う。
そうすると、収入源になっているお仕事がおろそかになって、だいたいの場合、収入が減ってくる。その時、天職のほうの収入量を増やすか、収入源のお仕事を大切にするようにするか、それは選択だけど。
ちなみに細かいことを言うと収入源=研修講師、だったときに、僕にとっては「コーチング研修」とか「ファシリテーション研修」「リーダーシップ研修」みたいのは天職寄りで、「ロジカルシンキング研修」とかは収入源寄り、みたいなグラデーションも細かくある。
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このポートフォリオに「お金・時間」の要素を足す。
これで、いったん「現状」と「将来像」を考えてみると、自分のキャリア形成へのいい方針となる。
「もっとボランティア活動を増やしたいから、その準備として今年はまず収入源を強化しよう。天職の活動はちょっと抑えよう」とか、そういうことを考えることになる。
これから独立を考えている、みたいな人はこのポートフォリオを考えてみるのはとてもお勧めです。
今すでに独立してやっている方も、改めて現状のポートフォリオを確認してみるのもいいと思います。
副業がOkの会社であれば、会社員であってもこのポートフォリオは組んでいけると思います。
ちなみに僕は、会社員時代に「ボランティア」をめっちゃやって、その結果、当時頑張っていた「メルマガ」の読者数が、1000人とかになったんですね。これはまぁ商売的に言うと「見込み客」です。
この「見込み客」の方たちがいたから、独立できたってところはあります。中長期的に見て「ボランティア部分に時間を投資をして、独立の下準備を整える」みたいな考え方も、ありだと思います。
冒頭に書いた田原さんたちのタグ付けの話で行くと
石川英明
♯就活塾 ♯研修講師 ♯社会について対話する熟議
みたいに複数の活動が自分にタグ付けされている、という感じ。
「どのバランスが、今の自分にとって最適か?」は人によって本当に違うと思います。同じ人間でも、時期によっても違うと思います。