上から目線にならない技術
眞蔵さんからいただいたお題。
人にアドバイスを求められた時、上から目線にならないコメントの仕方
説教くさくない文章の書き方
上から目線とか、説教臭いな、と感じるときってどんなときでしょう?
ぱっと思い浮かぶ一つは
「これはこういうもんなんですよ」という語り口と、
「僕はこう思うんですよね」という語り口。
ほかには。
「あなたは知らないだろうけど」というまくら言葉的なものと、
「ご存じの方も多いかと思いますが」というまくら言葉的なもの。
あとは、
「そうそう、そうなんですよ。よくわかりましたね」みたいな物言いと、
「そうそう、そうなんですよ!私も同じように思います!」みたいな物言い。
とか。
一つ目の奴は「僕はこう思うんですよね」と、Iメッセージ、あくまで自分の意見ですよー、とか、自分の経験からでいくとー、というような語り口の方が、偉そうにならないことが多いと思いますが、
一方で「上の世代の自慢話がうざい」みたい話はちょいちょいあるわけで「経験だという語り口なら、常に上から目線にならない」といえるわけじゃなさそうです。
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「いいか、お前、俺も昔経験したけどな・・・」と始まる”うざい自慢話”の類は結局、経験談の提示ではあるものの「それを真似るのが正解」「正解はそれしかない」という押し付け的なものが、そこにあります。
Iメッセージ、「私が思うのは・・・」というのは、常に「ほかの意見もあるかもしれませんが」というところに、意見を述べている人間のスペースが開かれているわけです。
ここの部分は重要な差だろうと思います。
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「あなたは知らないだろうけど」と「ご存じの方も多いかと思いますが」という言葉遣いについていうと、「私の方が、知識も経験も上なんですよー」ということを、言葉にしてみたり、態度にしてみたりすると、これは当然”上から”感が増してくるわけですね。
ちなみに、私は「コンサルタント」という仕事をしていて、お客さんと接していた時に、こういう「私の方が上なんですよ」的な言い方をする場合はあります。それは「これまで30社ほど管理職研修をしてきましたが、管理職は・・・」みたいな言い方をする場合です。
それは要は「私の方が、あなたより管理職研修について知見が豊富なんで、ちゃんと聞いてくださいね」っていうニュアンスを入れ込んでいるわけですよね。
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「そうそう、そうなんですよ。よくわかりましたね」と「そうそう、そうなんですよ!私も同じように思います!」っていうのもありますね。
これ、池上彰さんが「いい質問ですね」っていうやつがありますが、あのセリフを言われてうれしいのは「池上さんの方が上だ。よく知っている方だ」という尊敬の前提があって成り立つものです。
友達同士でしゃべってて「なんで、会社ってよくならないんだろう?」とかって言ったときに、いきなり「いい質問だね」と返されたら、ちょっとイラっとする人が多いかと思います笑。
あれは「ジャッジする側」と「ジャッジされる側」という構造を示すセリフだからです。こちらは評価者ですよ、あなたは被評価者ですよ、その意識があったときに、これらのセリフが出てきます。
で、そういうセリフが出てくると「なんだ、上からだな」と言われた方は感じるわけですね。
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ちなみに僕は、根が上から目線人間であるために、そういう失敗を多々してきて、むしろ技術としては「上から目線にならない技術」をすごく磨いてきたんじゃないか、、、という気がしています。(それでも、地金が出て、人をイラっとさせることしばしばですが汗)
その僕が、どういう技術を意識しているかというと
★とにかくIメッセージを徹底する。「私の意見としてはこうなんですよね」「私の感覚からするとこうなんですよね」「私の経験上、これの確率が高いんですよね」という言い方を徹底する。
★とにかくジャッジしない。「それが正解です」みたいなジャッジをしない。「そっちの方が好きです」「私はこっちの方がいいと思います」「この本ではこう書いてありましたね」「この理論で行くと、こうなりますね」というような態度を選びます。「私がジャッジできる存在です」ということをとにかく避けます。
その辺のところが、僕が意識しているところですね。