リーダーにとっての"語る"と"説明する"
リーダーは時に「語れる」ことが必要だなと思います。
これは「説明する」とは違うものです。
説明する力も必要ですが、語る力も必要です。
■語る⇔説明する
一人称(主観、想いがこもっている)⇔三人称(客観、人ごと)
ストーリー/情景⇔箇条書き/数字
共感⇔理解
Weになりたい⇔Youを動かしたい
例えば、リーダーが「ビジョンを語る」とき、それは一人称になります。「私はこうしたいと思っている。これを実現したいと思っている。こんな未来がきたらこんなに素晴らしいと思っている」と。
広報の人が「当社のビジョンは~です。~にはこんな意味があります」と外部に向けて「説明する」のとは全く異質です。
そして【語る】ときには、ストーリー、情景、体験といったものに重心があります。事実が伝わるというよりも想いが伝わるものです。
ストーリーは解釈の余地があり「理解をそろえる」というようなことには向いていませんが、共感を呼び起こしたり、心を動かしたりする可能性があります。
リーダーが「ビジョンを語る」ときは、ビジョンへのいざない、お誘い、インビテーションです。「一緒にやりませんか?」と語りかけています。「Weになりましょう」という呼びかけです。
「説明」をされても、聞き手は「しゃべってるこの人自身にコミットメントがあるんだろうか?」ということは分かりません。だから、ついていこうとか、一緒に頑張ろうとか、その夢に乗っかろうとか、そういう気持ちが起こることはまずありません。
説明を聞いて、自分にメリットがあることを理解したら、損得勘定において得な分だけ何かをしようとするでしょう。
【語る】ことは、独りよがり、独善的になるリスクもあります。【語る】が【騙る】になることすらあります。しかし、時に【語る】ことでしか起こせないものもあります。