Vote showの舞台を終えての心境

12月4日5日のVote showが終わり、大きな達成感を感じると同時に「あ、もう明日から稽古ないんだ。」と寂しい気持ち(これがVote showロスというやつなんでしょうか?)も感じている今日この頃ですが、今思っていることを書き綴りたいと思います。



まず、ほとんどのフォロワーの皆様はご存知かもしれませんが、僕はRMUという団体に所属する麻雀プロで、Vote showと同じく正体隠匿系ゲームである人狼ゲームの放送にも出演させて頂いています。



演劇部に所属していたこともなく、役者としての経験は皆無(舞台は好きで見に行くことはありますが)という中でVote showの主催の翁(わっさん)から頂いた出演オファー。Vote showはそれまでにもずっと1ファンとして毎回のように観に行っていたのですが、役者でもない自分がその舞台に立てるチャンスを頂けたことに嬉しいと思うと同時に、大丈夫なんだろうか?という思いも少しありました。



そして2020年3月のVote showに向けての稽古が始まりました。役者経験のない僕にとっては稽古場でのすべてのことが新しい発見でした。「他の共演者の皆様には迷惑をかけないように、足を引っ張らないように。」と必死でしたが、多分吸収力だけはめちゃめちゃあったと思います(笑)



そんな最中、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で初の舞台出演の予定が配信での公演になりました。初めての演技、しかも正体隠匿系のゲームをしながらの即興劇を画面の前のお客様に見せるという、今までにない経験。演じたキャラクターは「埼京線 快速」という車掌キャラと「変質 シャア」といういかにも怪しい変質者キャラでした。元々の特技だった車掌モノマネを活かしたり、自分自身の素材の怪しさを出していったりするスタイルで役者スキルの少なさをカバーしていく作戦でいきました。



実際の本番ではキャラクターを演じようとしつつも、どこかで「素のゲーマーとしての石川安牌」が出てしまったような感じだったとは思いますが、他の出演者の皆様にたくさん助けて頂きながら無事、公演を終了できました。



今まで観客として、「役者さん達、凄いなあ!」って思いながら観ていたVote showに自分が出演するという、夢のような経験。3月の配信公演終了後「またいつか、今度は配信ではなくて舞台でやってみたい!」そんなほのかな願いが僕の中に生まれました。



それから約1年半の歳月が経ちました。



人狼スリアロ村への出演、「安牌を斬れ」麻雀女流スプリントマッチの番組のプロデュース、オリジナルマーダーミステリーの制作&公演、Youtubeチャンネル「みやがくチャンネル」の開設&動画出演、年末の特番「四神降臨」に閣下のモノマネで出演&対局、自団体のリーグ戦の昇級と降級など、目まぐるしい日々を過ごしていたある日、ついに、翁からVote showへの招待状が届きました!!また声をかけて頂けるなんて、本当に感激でした!!もちろん、ノータイムで返事はOKですよ!



そして、自身2回目のVote show(生の舞台では初)に向けての稽古が始まろうとしていた時、翁からまたも衝撃の連絡が!!


「安牌さん、今回キツネ役をやってくれませんか?」



電気が走りました!!



Vote showのキツネと言えば、ゲームを仕掛ける主催側の役で、それぞれ脱出側の味方のキツネ、ジョーカー側の味方のキツネに分かれて、ゲーム展開やバランスを見ながら適宜味方した側のプレイヤーにヒントを出しつつ、ストーリーが停滞したり暴走したりした時にまとめたりするとても重要な役回りです。初の生舞台でそんな難しい役に大抜擢して頂けるとは!!翁からの期待に応えるべく、稽古の中でキツネとしての立ち回りを試行錯誤する日々が続きました。



自身のもう一つの大きな挑戦として、前回は全部即興劇だったのですが、今回は最初の1ゲーム目がお客様へのチュートリアルも兼ねて台本芝居になっていて、初めて台本でセリフを覚える、ということがありました。しかも、公演2回でキツネ役、プレイヤー役をそれぞれ1回ずつやることになるので、初の生舞台、初の台本芝居で2人分のセリフを覚えるというなかなかハードな状況です。でも、翁が期待して僕に任せてくれた、出来ると思って大役をくれた訳なので、その期待に応えない訳にはいきません!!



今回のキツネ役のキャラをどうするか最初迷いましたが、しょるだぁさんとのペアで「カオスでぶっ飛んだキツネを」という翁からのメッセージがあったため、前回少しやり慣れた「変質シャア」を選択しました!!



プレイヤー役としてのキャラについては、どうしても僕はゲーマーとしてゲームの推理や盤面整理に走ってしまう傾向にあるので、そうなっても不自然じゃないキャラ‥‥と考えていったときに競馬実況キャラ「ジョッキー池田」にたどり着きました。



このキャラの使い勝手はかなり良くて、例えば投票者を選んだとき、「おーっと!1番3番6番のプレイヤーが滑り込んできたー!!さあ!この一進一退のゲーム、どうなってしまうのか!!」みたいなことが挟めたり、シリアスな場面でもちょこちょこ実況で茶々を入れたりできる、という感じで、稽古を重ねていく毎に何となく自分の中でジョッキー池田が出来上がっていきました。



ZOOMを使った稽古ではゲーム内でのキツネの動きを色々試行錯誤しながら確認&できる限りゲームそのものよりもストーリー、ショーの方に没入する意識にする練習、そして空いた時間にはヒトカラで発声練習(ちなみに「変質シャア」の声出す時は椎名林檎歌う時と発声の仕方が似てることに気付いたので、椎名林檎めっちゃ歌ってましたw)、台本読み練習と、Vote show初舞台に向けての準備を進めて行きました。


今回も、Vote showの座組の皆様にすごく温かく迎えて下さりました。来て頂くと分かるのですが、Vote showの稽古の現場って、毎回ものすごく居心地が良いし、楽しいんです!!


稽古の中では実際にキャラを演じながらVote showのゲームを即興で回していくのですが、これが毎回色んなドラマを生むんです。わちゃわちゃしたカオスな展開になったと思えば、急にシリアスな恋愛ドラマが始まったり、時にはエモい展開になったり、最後いきなりホラーっぽく終わったり‥‥魅力ある役者さん達と一緒に作り上げるその時限りのドラマの数々はどれもとても印象深いものでした!


時にはキャラの立ち回りに悩んだり、ゲーム稽古の中で上手くストーリーを作れなかったり、仲間からのパスを上手く受け取って返せなかったりすることも多々あるのですが、そういう試行錯誤の過程も含めて僕にとっては物凄く楽しい時間でした!!


役者としての経験、スキルはないけれど、麻雀や人狼での経験は、舞台で前に出る度胸、ゲームの勝負の流れを読む力に、みやがくチャンネルなど番組企画をやってきた経験は、自分がどう動けばお客様を楽しませられるか?という発想力に、そしてオリジナルマーダーミステリーの制作公演の経験はキツネとしてゲームを盛り上げるためにどのようにヒントを芝居の中に盛り込んでいくか?という構想力に繋がったと思いますし、3月の配信公演の時よりは色々な経験を積んだ分、少し演者としても成長出来たんじゃないかと思います。


そして、舞台に臨む意識も、「他の共演者の皆様の足を引っ張らないようにしよう」から「全体で楽しい場を作るには、自分がどう動けばいいのか」という所に完全にシフトしていました。そして、その意識で臨んでいると稽古を積むたびに「あのシーンでああやって立ち回ればよかったー!」「あそこであの人のあの発言を拾って返せばよかったー!」が一杯出てくるんですよね。それは本番の後でも同じで、だからこそ、これだけロスが大きいのかな‥‥?って思います。


迎えたVote show本番、1日目はRMUグランプリの対局と被っていたので、対局後にBチームの応援観覧に駆けつけ、稽古場で何度も稽古した仲間達の晴れ舞台を見届け、涙し、そしていよいよ2日目の我々のチームの本番が始まりました!


配信公演を見る方のネタバレになってしまうので本番についてのところは配信公開終了後にまたまとめたいと思いますが、とにかく自分なりに色々やり切ったステージでした!!昼回では最後のエンディングでの仲間の熱演にステージ上にいながらにして心打たれ、夜回ではお客様から頂いた記憶の欠片のキーワードを3つ全部使い切るという荒技をやってのけました♪


今回のVote showへの出演が僕にとって凄く貴重な経験、思い出となったのは確かです。他の場で得た経験が演技に活きたのと同様、きっと今回の経験は今後僕が経験する色々なステージ(麻雀対局、麻雀番組企画、人狼放送、マーダーミステリー、みやがくチャンネルetc.)でまた活きることでしょう。そしてまた近い将来、翁からVote showへの招待状が届くことを心より願っております。その時にはもっと成長した姿で、お客様と再会したいなって思います。


長文になってしまいましたが、Vote showを終えての今の心境でした。


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