きっと篠山竜青を応援し続ける
私が、「ああ、私はきっと篠山竜青をずっと応援し続けるな」と思った日。それは2018年2月フィリピンの首都マニラにあるモール・オブ・アジア・アリーナで起こりました。
いろんなメディアが、ワールドカップ一次予選4連敗を崖っぷちと評します。でも、私が一番深くへこんで、本当に本当にもうどうしようもないなってなったのは、3戦目、ホーム横浜国際プールでの台湾戦が終わった時でした。69-70、一点差での敗戦。重く苦しい大きな敗戦でした。
木曜日。そもそも関東在住ではなかった私が平日である木曜日に横浜国際プールでの試合を応援するためには、早く出勤するしかなく、いつもより2時間ぐらい早い朝でした。17時前の新幹線になんとか無理やり乗り込んで向かった横浜国際プール。この台湾戦に勝たないと!いや絶対勝つ!!と仕事で疲れた頭でぐるぐる考えながら向かった横浜国際プール。終わった後のことはあんまり覚えてません。だれかと悔しさを共有することもなく、明日の仕事のために、ひたすら最終の新幹線を目指し、長い階段を走り続けて下りていくのみ。SNSにあふれる日本代表へのネガティブなコメントを見ながら、
と自分に言い聞かせながら、頭の片隅で、明日、私仕事頑張れるかな。。。ってふと思ったことを覚えています。そして、金曜日。前日の早退分を取り戻すべく朝から必死に仕事して、夜向かったのは空港直結のホテルです。土曜の早朝便で、フィリピンへ移動することを決めていたので、前日に空港入りです。そしてフィリピン航空でマニラに向かいました。
応援ってたまに疲れませんか?好きだから勝手に応援していて、自らの意思で時間とお金とを使っている。それら全部自分の決断なのだけど、それでも、ふと疲れてしまう瞬間ってありませんか?私にとって、台湾に負けた後、フィリピンへ向かうために空港に向かっている時間、この瞬間が、応援疲労のピークだった気がします。台湾代表に負けたチームがフィリピン代表に勝てるのか?勝てるのか?下を見てコートを出ていく選手をまた見るのか?私は何度そういう選手をみるのだ?と何度も思いました。でも、そんな気持ちで向かったフィリピンの地での試合で、そんな気持ちを全部吹き飛ばしてもらい、「私はこれからも篠山竜青を応援していく」と思わせてもらったのです。
一ピリ開始5分で20-4。本当によい入りでした。あの台湾戦での敗戦から中二日。なんてすばらしい入りなのでしょう。この段階で私の疲労は吹き飛びました。その後、点差は離れ、残り四分半で14点差ああ、厳しいなあとなりつつ、そんなことは考えない!と言い聞かせながら、全力で声をだし、ディフェンスコール、ニッポンコールをし続けました。
残り3分50秒、アイラのFTの時にラマスHCから指示を伝えられた篠山選手。FTが残念ながら外れて、あちらのオフェンスが終わりこちらのオフェンス。残り3分23秒、他の選手に指示をだす篠山竜青選手。その瞬間の篠山竜青があまりに好きだから、今後何があっても、きっと私は篠山竜青を応援しづつけると強く思います。本当にかっこよくて、素晴らしかったんですよ!!点差12点、残り3分半を切ったけれど、まだ試合は終わってない!ってまだまだやる!!もっと動け!!というのが伝わる素晴らしい表情だったのです!!
そこから、日本代表は粘ります。残り一分相手にタイムアウトを取らせた瞬間。残り50秒から40秒にかけての竜青かけ続けたディフェンス。ラスト30秒、篠山選手のパスをうけ田中選手がレイアップ決め、とうとう2点差へ。その瞬間、会場中のフィリピンファンが立ち上がってのコール。揺れる会場。私も、ずっと立ち上がって日本コールをし続けました。
最後、相手のPGにやられたし、そもそも負けたし、篠山選手含め選手たちには接戦を勝ちきれなかったしんどかった一つの試合に過ぎないだろうなと思います。でも、私には、本当に素晴らしい試合だった。台湾に負けて、苦しくて苦しくてたまらない中、何とか時間作って、何とかお金作ってフィリピンまで行った私が、心から「あの試合に行って良かった」と思える試合だった。エンド一階席に座っていた私の真正面で、篠山選手が指示を出している姿。あの瞬間がすごく好きで、すごくカッコよくて、思い出すたびに胸がいっぱいになります。その後も、映像を何度も見返していますが、その瞬間の表情は見えません。そして、私の記憶の中よりもその瞬間は本当に一瞬です。あれは、あの日あそこまで行った私の特別な一瞬だったなあと強く思うのです。
地元のテレビ局が、日本ファンの声を欲しくて何とか「We will win!!!」を言わせようとしているのに、どうしても応えることができなくて、「Actually, I feel that the Philippines national team is stronger than the Japanese national team....」と言ってしまった試合前。
疲労で動けなくなりホテルのベットで延々とNBAの試合を見ていた試合前。そういう疲れを吹き飛ばす試合でした。選手にとって、どういう試合だったかとは、日本のバスケファンにとってどういう試合だったとか、そんなことはどーでもいい。私にとって、とっても大事でとっても素晴らしく、とても忘れられない試合なんだと言い切れる試合なのです。
あの日からずっと、
台湾で一次予選を突破する瞬間、カタールでワールドカップ出場を決めた瞬間、どれも現地で体験できた本当に幸せな瞬間でした。篠山選手を応援してなかったら、その場には私はいかなかっただろうなあと思います。少しづつもっているものを増やし、築き上げ、コート上で表現している篠山竜青選手が私は大好きです。
やんちゃそうな雰囲気がかわいいなと思ってファンになった選手がこんな素晴らしい選手だったのは、本当に幸運だったなあ。今は何だが大人な雰囲気になったけども。
篠山竜青は、これからもきっとたくさん変わっていくのだろうなあ。そして、そんな篠山竜青を私はきっと応援し続けるのだろうなあと、あの日からずっと思い続けています。