個が尊重にされる時代に大手企業は生まれうるのか?

個が大事な時代

一昔前までは、都会の大手企業に入ることに憧れる人がほとんどだった。

しかしここ最近では、大企業に入ることばかりが幸せではない、古い考え方だと、もはや大企業を志望する人を批判的に捉えられることもあるほど、個人の多様性が叫ばれるようになった。



この記事で言いたいのは、

そうはいっても、大手企業による社会に与える影響力の大きさはやっぱすごい。

そうはいっても、大手企業の伝統、そしてその伝統に支えられるブランド力は、やっぱ強い。

ということだ。


花王の伝統と革新

というのも、私は今日、亀戸にある「花王ミュージアム」に行ってきて、花王の新しい当たり前を作り続けてきた歴史の圧倒的パワーに、「やっぱり大手はすごい…」と思わざるを得なかったのだ。

花王マークの変遷スタンプ


アタック、ビオレ、ソフィーナ、カネボウ化粧品、めぐリズムなどなど、生活のいたるところでお世話になっている花王の製品たち…。

今では当たり前に使われているものですが、その背景には花王のたゆまぬ努力があったことを知った。


創業者の思いを企業理念として守り続ける一方で、時代のニーズに合わせて、イノベーティブな商品を作り続けているのだ。

数年前には当たり前じゃなかったことが、今や「え、当たり前じゃん。これがある前ってどうしてたっけ…?」って思わせる商品を作り出すには、花王の長い歴史の中で蓄積されたノウハウあってのことだ。


ミツカンの街並み形成

以前、愛知県半田市の「ミツカンミュージアム」に行った時も、ミツカンの街並み(川沿いにミツカンの倉庫が立ち並んでいた)が形成されていたことに感動した記憶がある。

地域の一つの産業を作り出してきた会社であり、企業のお金でインフラ整備を行うなど地域への貢献度は大きく、その分地域での発言力も大きい(行政による川沿いの景観整備は、ミツカンの意見を取り入れて行われた)。

ミツカンは半田市とともに歴史を歩んできたことがよくわかった。


個人の幸せの追求と、組織としての強さの兼ね合い

これらの大手企業の長い歴史を作ってきたのは、組織としてのチカラが大きいだろう。

それは今の時代、個人ベースで見たら、会社の駒だと言われて倦厭されてしまうかもしれない。

でも広い目で見ると、地域全体、日本全体への影響力が大きさは計り知れない(実際にみんな商品にお世話になっている)。



今後個人の価値観重視の世の中で、これまでの会社のあり方とは大きく変わるだろう。

会社の中でも個人の生き方、考え方を尊重する必要が生まれてくる。


そうした時代の流れの中で、ミツカンや花王のように、地域全体、さらには日本全体の産業を長年にわたって築き上げる会社は生まれるのだろうか…?


まちづくりの勉強をしていると、持続可能な地域を作るためには、ガンガン稼げる、地域の産業を作っていくような民間企業を生み出していく必要があると言われている。

個人の幸せだけを追い求めていたら、それは自己満で終わってしまう(全然個人ベースで見ればそれでもいいと思うが)。


個人の幸せの結果、社会貢献につながるという形が一番の理想だが、そのためには、会社の働き方の工夫や、個人のやりたいことと社会貢献をつなげる人、仕組みが必要だろう。

個人としての幸せと、社会への影響力やブランド力の大きさとの程よいバランスを取った、新たな会社の形とは一体どのようなものなのでしょうか…?

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