里山と開発のイマドキな付き合い方
都市の住宅需要によりかつては盛んに行われていた、都市郊外の大型宅地開発。
人口減少や自然破壊の反省などから、最近は住宅を新しく建てるより、既存の建物を再利用する流れの方が大きくなっています。
大きな宅地開発の様子を見たことがある若者は案外少ないのではないでしょうか。
そんな時代の流れに逆行するように、今もブルドーザーが元気よく動き回っている場所の1つとして、「稲城 南山」があります。
京王相模原線の稲城駅が最寄りのこの場所は、私の所属する観光まちづくり研究室のプロジェクトとして今後関わっていく地域の1つです。
ここでは、里山とマンションと工事現場という最近ではなかなか見られない面白い景色が見られます。
展望台までの道のり
一般人は通常入れないのもあって、ツタがすごい・・・。
展望台からの稲城の景色
私たちが前期から少しずつ活動に関わらせていただいているのが、稲城のエリアマネジメント(一般社団法人)の活動。
彼らは、地域の人たちに親しまれてきた里山 奥畑谷戸の豊かな自然を守るために、開発業者との折り合いをつけていったり、
新しくマンションに入ってくる住民の皆さんのコミュニティづくりのために交流の場づくり、居場所づくりなどの活動をしています。
私たちが今まで関わってきたのは、毎週月曜日だけ地域の人たちが集まる場として開放している、奥畑谷戸公園事務所の当番だけ。当番といっても、ただその場所を開いて、掃除をしたり、座ってボーッとしたりしているだけでした。
今日はエリマネの方達と会議があり、今後私たちは大学としてどう関わっていくかを考えるために、お互いの思いや地域の現状などを確認しました。
エリマネとして長らく関わっているデザイナーのIさんは、大学生の頃から里山保全に関心があり、今の時代ならではの里山との関わり方がないだろうか、という問題意識の元、稲城の取り組みに関わり始めたそうです。
同じくエリマネ歴が長いサラリーマンのYさんは、里山の自然が大好きで、愛する自然環境を守るためにサラリーマンをやりながら空き時間にエリマネの仕事をこなしてきたそうです。
今日はほかにも市議会議員の方や、他の団体で南山を守る活動をしている方も参加し、互いの思いを共有しました。
知らなかったのですが、どうやら南山を守る団体は何個もあるらしく、昔から開発に対抗してさまざまな活動が行われているようです。
多くの活動が生まれるほど愛されている南山にはどんな魅力があるのか、新たしく稲城のマンションに住み始めた人たちはどのように里山と関わっていくのか、仕事をやりながらもエリマネに関わっているIさんやYさんの原動力は何なのか、私たち大学院生はこの地域で何ができるのかなどについて、また活動の進度とともに書いていきたいな、と思います。
成熟社会と言われる今日に、宅地開発がガンガン進む稲城。
開発もその地域の大事な歴史の1つです。
開発をディスるだけでなく、折り合いをつけながら地域らしさを守ろうとする人々は、何を楽しみ、何を苦労しながら活動しているのでしょうか?
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