2つのキーワードでニッチを攻めるのはだめ?

こんにちは。石井金子です。
先日、Kindle出版×ニッチ戦略シリーズ第三巻、ニッチ戦略編を出版致しました。

その本を読んだ読者さんから、テーマの探し方をもっと詳しく教えてほしいとリクエストがあったため、そこについて書いていこうと思います。

以下の文章は、第三巻を読んでいる前提で書いていきますので、まだ読んでいない人は以下のリンクからどうぞ。

ニッチなテーマの探し方

ニッチなテーマとは、競争が起こっていないテーマなので、Kindleストア内でキーワード検索してみて、そのテーマだけを取り上げた本がない、もしくは極めて少なければ良いです。

例えば著書の中で挙げた「培養肉」や「生物工学技術士」などは、このテーマだけを取り上げた本が5冊あるかどうかです。基本的に「ひとつのキーワード」を検索したときにライバルが少ないテーマが本来のニッチ戦略に合ったテーマです。

今回リクエストをくれた方の質問は、
「2つのキーワードを入れて検索したときに、ぴったり合う本が他にない場合もニッチ戦略になるの?」
というものでした。

とても鋭い質問で、私自身もKindle出版×ニッチ戦略シリーズを書き始める前は、ふたつのキーワードでKindleストアのトップを取れるテーマ選びを語ろうと思っていました。

しかし2つのキーワードでテーマを決めること、それはニッチ戦略ではなく『差別化戦略』にあたります。

2つのキーワードでテーマを決めると、ほぼ差別化戦略になる

具体例を挙げて説明していきます。
私の著書『大学院生に薦める副業5選』という本は、そのタイトルの通り「副業」と「大学院生」というふたつのキーワードの掛け合わせです。
結果としてふたつのキーワードを入れれば、Kindleストアの検索ページで一番上に来ます。
しかしこれはニッチ戦略ではなく、差別化戦略になるのです。

分かりやすく説明すると
ニッチ戦略・・・競争自体を避ける
差別化戦略・・・競争の中で勝ち筋を見出す
という大きな違いがあります。

『大学院生に薦める副業5選』は、「副業」という競争の激しいテーマのなかで、「大学院生」だけに特化にすることで勝ち抜こうとしているから差別化戦略なのです。
あくまでこの本は「副業」というテーマの中にあります。

Kindle出版×ニッチ戦略シリーズの本だってそうです。
このふたつのキーワードにぴったり合う本はこのシリーズの本だけですが、あくまで「Kindles出版」という激戦区の中で勝ち抜こう、生き残ろうとした差別化戦略になります。

もしかしたらニッチなテーマをふたつ掛け合わせている場合もあるかもしれません。
しかしその本は、例えば「培養肉」と「生物工学技術士」の本があったとして、売れそうでしょうか?
ニッチ×ニッチは、極端にターゲットを減らしてしまうので行いません。

以上から例から、ニッチ戦略と差別化戦略のテーマ決め方の違いがわかったと思います。
ふたつのキーワードを使う場合は差別化戦略となってしまい、ニッチ戦略とは言い難くなってしまうために本の中では紹介できませんでした。

2つのキーワードからなるテーマでニッチ戦略をするのはだめ?

ここまでは著者側の都合でしたが、実際に他の作家さんが2つのキーワードを用いてライバルがいないテーマを定めてニッチ戦略を展開することは、効果的なのでしょうか。

私の意見になりますが、ふたつのキーワードを用いるテーマでニッチ戦略を行うと、その効果は確実に薄れると思っています。

まずニッチ戦略の取り組みとして、同じテーマの本を何冊も出しますよね。
それにより地位の防衛や市場の拡大を行っていきます。
しかし問題があります。

多くの人が2つのキーワードでテーマを決めるとき、「人気テーマ×絞ったターゲット」「人気テーマ×他で見ない観点」で決めると思います。
一番の問題は、人気テーマで検索してきた人があなたの本を選ぶ必要性が薄いことです。

例えば「副業(人気テーマ)×大学院生(絞ったターゲット)」では大学院生に読んでもらうことを狙ってますが、実際の大学院生が副業を探そうとしたとき、この本である必要がないのです。
普通の有名な副業を紹介している本から探せばよいのですから。

「Kindle出版(人気テーマ)×ニッチ戦略(別観点)」もそうです。
わざわざこの本を読まなくても、Kindle出版で稼ぎたいなら他の書籍は山ほどあります。
この本である必要性はないので、もっと読まれていて効果のありそうな人気な本が選ばれてしまうのです。

このように2つのキーワードでテーマを決めたとしても、人気テーマのキーワードを入れている本がライバルとなり、あなたの本を読むのはもうひとつのキーワードに興味を持ったひとだけということになります。
加えて、どんなに出版していてもブランディングは難しいですし、せっかく市場を拡大しても、その恩恵を受けるのはあなたではなく人気テーマで有名な本を出している人です。

2つのキーワードを掛け合わせるなら

こういった理由から、2つのキーワードでニッチ戦略を取ることはお薦めしません。
それよりも有効な2つのキーワードを使う方法、それは「人気テーマ×人気テーマ」で本を書くことです。

例えば「朝活×ダイエット」の本を出すと、どちらも行っていない人はもちろん、朝活はしている人、ダイエットだけはしている人にも興味を持ってもらえます。
どちらもそれなりに対象者のいる人気テーマですので、より多くのひとに読んでもらう機会を提供することができます。

わざわざニッチにしてしまうよりも、SNSの影響力も上手く使って多くの人に読んでもらえる本に仕上げた方が、きっと収益も良くなるでしょう。

まとめ

・ニッチ戦略は1つのキーワードで。
・2つのキーワードからなるテーマは差別化戦略になる。
・2つのキーワードでニッチ戦略を取るのはいまいち
・キーワードを掛け合わせるなら「人気テーマ×人気テーマ」

差別化戦略については、第二巻の『競争地位別戦略編』の中に書かれています。
以上、テーマの決め方でした。


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