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我が子を看取る㉒ 出産当日のこと

※この我が子を看取るシリーズは、当時の日記やSNSを振り返って記載しています。


その日は爽やかな晴れだった
朝から点滴や心拍モニターなど準備が始まり
夫に挨拶した後手術室に歩いて向かう。

麻酔科の先生と挨拶して、手術台で麻酔処置がはじまる。
ちなみにあのベールの下は全裸で手術台の上に大の字に寝ていないといけないということを初めて知る。

私は恥ずかしいとかよりも、感情が込み上げてきてしまって
涙が出てきてしまった。

赤ちゃんに会えるのはとても楽しみなのに
一方で もう後戻りできない感じがしたから
体に掛けられたカバーと同じくらい
看護婦さんがとても温かく励ましてくれた。


・・・ほみゃ・・・
小さい声だったけれど
ちゃんと泣き声が聞こえて嬉しかった・・・

“愛子ちゃん がんばったね
会えてよかった・・・・”
(名前は決めていたので早速呼んでみる)

やっぱり感動して涙が出た
赤ちゃんの少しひんやりした手にタッチ。

娘は処置室に連れていかれた。
遠くから ほみゃーほみゃー と泣き声が
聞こえてきて安堵した。

そしてようやくパパとの対面。
(夫も誕生の知らせを聞いて泣いていた)

私はそのまま後処置を受けた。
先生と看護婦さんにお礼を伝えた。

私はやりきった。
為すべきことを為し終えた。
自分の中では無事出産までできたことを誇りに思う。

当時先生にも看護師さんにも大変お世話になった。
看護師さんは私の願いを叶えてくれてカメラを構えてくれた。

カメラに残った写真
それが私と赤ちゃんとの変わらない記録
赤ちゃんが生きていたという証
共に生きていたという思い出


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