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フィラデルフィア実験

映画「フィラデルフィア実験」

このタイトルに聞き覚えのある人がいるとすればきっとSF映画の好きな方でしょう。

私自身SF小説や映画などが好きで20年ほど前にレンタルビデオショップで同タイトルのビデオを借りて観たことがあります。

その後同作品の映画パート2がハリウッドから発表されこれもやはり視聴したのですが、非常に面白くいまだに数々のインパクトのある場面が記憶に残っています。

映画のストーリーは米軍が軍事兵器としてフィラデルフィアで軍艦を使ったある実験を行った結果全く予期しないハプニングが起こり軍艦丸ごと遠く離れた場所へ瞬間移動しただけでなく、乗組員は発狂したり、軍艦の甲板と体の一部が同化したり、高温で焼死体となったりと奇々怪々なことが起きた、というものです。

フィラデルフィア実験の映画より

その時点では当然のことながら全てフィクションであると捉えていたのですが、その後色々と調べていくとどうやらこれはSF物語やフィクションなどではなく、現実に起こった出来事であるようです。

2022年にIBMが量子のテレポーテーション実験に成功した、と報道されましたが、実際は既に1943年に量子どころか巨大な物体が瞬間移動していたことになります。

但し、それは本来の米軍の意図ではなく思いもよらず起きてしまったようなのですが・・・・。

ベーリッツ/ムーアによる真相の追求

フィラデルフィア実験に関わっていたと思われる人物がミシガン大に勤める数学者であり天文学者且つUFO研究家モーリス・K・ジェサップという科学者に接触することからこの事件が世間に知れ渡っていくようになります。

ジェサップはその実験に興味を示し彼の友人である天文学者のバレンタイン博士にこの実験の内容などについて食事をしながら一緒に検討したいと持ち掛けていますが、食事に向かう途中車の中に排気ホースを取り込んで一酸化炭素中毒で死亡しており、自殺とされています。

バレンタイン博士によると彼は「アメリカ軍が第二次大戦中行った極秘実験の追跡に力を入れていた」そうですが、彼の死について怪しいことに自宅から持ち出していたカバンなどが車中には一切発見されていないことが警察の検視で判明しています。

彼と親しい仲間たちは「米軍の機密事項に近づきすぎたため当局に消されたのでは」と噂していたそうです。状況があまりにも不自然ですね。

こういった話を聞きつけたのがチャールズ・バーリッツという超常現象研究家とウィリアム・ムーアというUFO研究家の2人で、彼らは共同でこの極秘実験を証言者や目撃者に接触し、資料を調べ上げて徹底的に追跡調査して一つの本にまとめています。

それが「フィラデルフィア・エクスペリメント」という本で日本では「謎のフィラデルフィア実験」というタイトルで徳間書店から出版されています。そしてこれを元に制作されたのが「フィラデルフィア実験」という映画なのです。

因みにこのバーリッツ氏はベルリッツ語学学院の創設者マキシミリアン・バーリッツの孫にあたる方です。

実験の背景と狙い

1943年当時米国はまだ第二次世界大戦に参戦していませんが、参戦は時間の問題とされていました。 

そういった背景から軍部は新兵器の開発を急いでおり、特に念頭にあったのは仮想敵国ドイツの持つ軍事技術だったとされています。

当時ドイツ軍は磁気に反応する装置を取り付けた機雷や魚雷を有しており、Uボートとして有名なドイツ潜水艦から発射される魚雷を軍艦や貨物船などは避ける方法がなく、画期的な軍事技術だとされ連合軍はこれに戦々恐々としていたと伝えられています。

磁気を帯びた船に近づくと爆発が起こるというものでこの装置のことを近接電波信管というのですが、魚雷も機雷と同様船の脇腹ではなく船底で爆破が起こるものであったようです。

鉄などは磁石をこすり付けると磁性を帯びるようになることはよく知られていますが、もともと磁性を帯びやすい性質を持っている為長い間放置しておくと地磁気の影響で磁性を帯びるようになるものです。

ドイツ軍はこのことに注目して武器を開発したということでしょうね。

この実験には天才科学者二コラ・テスラとその後を継いだ現代コンピューターの祖といわれるフォン・ノイマンが関わっているのですが、テスラは実験の人体に及ぼす危険性に気づき実験途中に辞退を申し出た結果軍部による暗殺かと思われる不審な死を遂げています。

さて、米軍部はドイツの画期的な磁気探知魚雷や機雷に対抗する為軍艦などの船体にまとわりつく磁気を消す方法はないか、と考えます。

これを消磁というのですが、消磁自体は簡単で、例えば磁気を帯びた鉄棒などはその周囲に銅線のコイルを巻いて電気を流せば磁気を消すことが出来ます。

船の場合は船体をコイルでぐるりと巻き、そこに電気を流すことでこれが可能となりますが、これらの機器は高価であることと、一旦消磁しても船が航海するたびに地磁気を拾ってしまい、そのメンテが必要なことに加え100M級の軍艦にコイルを巻くのは非現実的であることから軍部は別の方法を探していた、という訳です。

軍部が着目したのは高周波を使用した消磁方法だったのですが、高周波装置で有名な科学者テスラにアプローチし彼をフィラデルフィア実験の総指揮監督に任命しています。

二コラ・テスラ

彼は当時アメリカではエジソンが恐れたほどの天才科学者で現在全世界で使用されている交流電気による配電システムを発明したりしています。

それ以前はエジソンの発明による直流電気で家庭や工場に電気が供給されていましたが、テスラのシステムがこれに取って代わるようになっています。

彼はまた電気の効率的な使用や地熱利用などの再生エネルギーなどについての数々の発明を行い、有線ケーブルなしで空間を経由しての電気供給システムの計画書などを作成しています。

その中で一番知られている発明は恐らく発電機と変圧器を組み合わせたテスラコイルで、現在この原理は蛍光灯、ワイヤレス給電、電子レンジなど幅広い機器に使用されていますが軍部はこれに目を付け実験に採用することを決めます。

テスラコイル実験の様子

そして実験の対象として1943年に就役したばかりの全長92メートル、排水量1,240トンの駆逐艦エルドリッジ号が選ばれ、実験が開始されます。

駆逐艦エルドリッジ号

実験は船体が大きいからなのか、テスラコイルを使用した磁場発生装置やパルス発生装置などを複数セット使用して行われたようですが、高周波による電磁波の人体への悪影響から実験に携わる人達に被害が出たのに嫌気がさしたテスラは辞退し、その後どうなったのかは既に述べた通りです。

その後ノイマンが指揮を執り実験が継続されるのですが、高周波による磁場発生装置を複数台稼働させその間をシンクロさせるのが難しく被害者も増えたことから彼は軍部に実験の休止を申し入れたりしているのですが、切羽詰まっていた軍部はこれを聞き入れず実験を強行、そして遂に運命の日が訪れます。

実験開始・運命の日

実験は磁場発生装置を船上に搭載し、乗組員も複数乗り込んだうえで、1943年10月(8月という説もある)にフィラデルフィアにある海軍工廠で行われています。

その時艦長がメインスイッチを入れるとブーンという振動音に続いて青白い光が乱舞したかと思えば火花が船全体に飛び散り、大勢の人の前でエルドリッジ号は次第に透明になっていき、遂には霞のように目の前から完全に消滅するという事が起きます。

映画フィラデルフィア実験より

ここで話を少し戻して、米軍のこの実験の意図についてなのですが、消磁だけでなく、レーダーに映らないようにする、また地上から完全に消滅させる、という目的があったとする説もあります。

しかしながら、レーダーに映らないようにするにはレーダーの電磁波を吸収する(これが現在のステルス戦闘機などに使われている技術)あるいは電磁波を散らせばいいだけの話だし、物体を消すなどという発想はプラズマに関する研究など始まってもいないこの時代に「異世界へ移動させる」などといった発想を軍部はする筈がないのです。

こういった説に従えば、船が次第に透明になっていき、遂に消滅した様子を見て人々は「実験成功だ!」と歓喜の声を上げた、という事になるのでしょうが、実際は全く想像も出来ないことが目の前で起き、人々はパニックになって大騒ぎとなった、のが真実でしょうね。

まあ、それはともかくエルドリッジ号は消滅しただけではなく、実験場所から320K離れたノーフォークという場所に瞬間移動し数時間そこに滞在した後また元の場所に戻ってくるという事も起きますが、艦内の誰かが必死になって磁場発生装置のスイッチを切ったからなのではと言われています。あるいは自然に破壊されて切れたのか。

フィラデルフィアに戻ったエルドリッジ号に軍関係者が恐る恐る乗り込んで目撃した様子はこの世のものとは思えず、ある者は焼けて炭化状態になって発見され、ある者は体が船の甲板と融合した状態で死亡、またある者は体の一部が融合したまま存在していた乗組員やら発狂している者など、まるで地獄絵図であったようです。

生き残った乗組員はその後死亡するか、精神病院送りになるかして、誰一人として復員することはなかった、と言われています。

この衝撃的な実験の結果を受け軍部は実験の中止を決めるのですが、後日バーリッツによる本の出版などで世間が騒ぎ始めると軍は公式発表で「フィラデルフィア実験」なるものは行っていない、とその存在を否定しています。

この公式発表をうけ、ある人達は「フィラデルフィア」実験は架空の話で実際はそんなものはなかった、と主張することになるのですが、軍の極秘実験であるなら「はい、そうです。やりました」とは口が裂けても絶対言わないのは常識です。

アメリカ政府及び軍部の発表は真実を隠していることが多くNASAの発表なども事実を隠蔽したり撮影した画像を操作して不都合な物体の存在を消去したり、ということを頻繁にしていることはよく知られています。

例えば、月面での水の発見。最初から知っていた筈なのに、当初月には水は存在しないと言い張り、他国の、例えば欧州のNASAに相当する機関である欧州宇宙局(ESA:EuropeanSpace Agency)などがそれを発見すると、その発表の前にしれっと「月面に水は存在する」と先手を打って公表する、ということを繰り返しています。

NASAは科学調査機関であり宇宙で発見したことを僕らに教えてくれる機関だ、などと思っているナイーブな方が結構多いようですが、NASAはれっきとした軍事組織です。

だから、スペースシャトルなどの乗組員は全員軍人です。まあ、近年PRの為か少数の民間人を乗せたりはしているのですが。

いずれにしても、表向きフィラデルフィア実験は中止されても米軍はこの事件を手掛かりに色々な事実を把握した筈であり、その後の新たな兵器開発に繋げたであろうことは容易に想像がつきます。

例えばプラズマを使った兵器とか・・・。

最近巷で話題となっているハワイの不自然な大火災の際見られたという指向性エネルギー兵器などはその結果かも知れませんね。

このハワイ島の火事、不可解な出来事が山盛りの状況で明らかに自然の山火事とはとても思えませんが、どうやら背後に何者かのある意図が隠されているようです。

ハワイ島謎の光

今回の投稿は以上です。次回は「奇々怪々ハワイの山火事」、というタイトルで投稿予定です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。


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