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ベンチャー企業への転職、何をもって成功?~銀行員から20人のベンチャー企業に飛び込んだ実体験を交えて~

コロナウィルスの影響で外出自粛が続く中、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

こんな状況で普段より余暇が増えた分、様々な情報を目にする機会が増えますし、ご自身のキャリアについて考える時間も多くなっているのではないでしょうか。

私も多くのニュースや記事を拝見している中で、株式会社キープレイヤーズの高野秀敏さんが書かれている記事(https://keyplayers.jp/archives/4336/)に特に強く共感できるものがありましたので、触発されて記事を書いてみようと思いました。

その高野さんの記事のタイトルは

【大企業からスタートアップ転職する際、90%の人が陥る7つの後悔と失敗】

というもので、その「7つの後悔と失敗」というのは、

後悔と失敗①:企業ブランドを、自分ブランドと勘違い
後悔と失敗②:経営幹部の仕事内容を勘違い
後悔と失敗③:仕事の守備範囲を勘違い
後悔と失敗④:交際費・経費の桁を勘違い
後悔と失敗⑤:会社で一緒に働く仲間への期待値を勘違い
後悔と失敗⑥:大企業のプレミアム年収を自分の実力と勘違い
後悔と失敗⑦:ストックオプションについて勘違い

と書かれています。

私自身が大企業からベンチャー企業に転職した人間ですので、同様にベンチャー企業への転職を考えている方や、悩んでいる方にお力になれればと思い、実体験を交え、書かせていただきます。

※「スタートアップ」や「ベンチャー企業」の定義には様々ありますが、ここでは広義の解釈で、「業歴が浅い」「少人数」「成長志向」の企業というくらいの認識をしていただければと思います。

いきなりなのですが、実は私は大企業からスタートアップに転職したことを、
【とても良い選択だった】と思っていますし、
【成功している】と思っています。

ここだけ書くと真逆の体験であると認識されることと思いますが、あくまで転職から1年10ヶ月が経った今振り返るとそう思えているということで、なんの苦労も失敗もなかったわけでは到底ありません。どうしてそこから「成功」と思えるようになってきたのかをお伝えできればと思います。


大手企業からベンチャー企業に転職した実体験

さて、私はそもそも新卒から5年3ヶ月の間はとある銀行で働いておりました。大手企業と言われればそうだと思いますし、業界的にも旧態依然の社風が色濃く残っている環境です。

ルールを重んじ、性悪説が基本で、仕事においては同僚を信頼することは「悪」だと捉えます。よく減点方式だと言われますが、まさにそうで、個性云々は評価されず、決められたルールの中でしっかりと結果を出すことを求められますし、上司からの理不尽な要求などは日常茶飯事でそれに如何に答えられるかが評価にもつながります。

余談ですが、「銀行」という機能を果たすためにはしょうがない部分もあるかと思っていますし、これらのことを全てが悪いことだとは全く思っていません。私は銀行が嫌になって辞めたわけでもなければ、悪い組織だと貶めたいわけでもないのですが、私のバックグラウンドを理解してもらうのと、似たような環境の方がもしいらっしゃればイメージしやすいかな、と思い、多少書かせていただいた次第です。前職には感謝してますし、今でも前職同僚と良く遊びに行ったりします笑

そんな中、2018年7月に現在のブライエッジに入社させていただきました(この転職の詳細な経緯などは長くなるのでまた別で書きたいと思います)。

当時、私が20人目の社員で、半年前から倍増しているくらいの勢いの拡大フェーズの真っただ中に入らせてもらったわけです(2020年5月現在は31名です)。

当然、世間的な知名度は全くありませんし、社内のルールや仕組みもほとんどありません。ちょっと前まで数人規模でやっていたので当たり前ですよね。

ここからしばらく、高野さんの記事にあった「後悔と失敗」がちょくちょく顔を出しながらも奮闘する日々が始まります。


実際に感じた後悔

後悔と失敗①:企業ブランドを、自分ブランドと勘違い
これは勘違いとまではいかないし、まあ企業ブランドがなくなったら厳しいんだろうなとは思ってはいましたが、想像以上に本当にそうだった、という話です。
それまではテレアポでも、「○○銀行の石塚です」と言っていたのが「ブライエッジの石塚です」になるわけです。
電話を受けた側からしたら、「少なくとも銀行の人なんですね」と思うのと純粋に「誰ですか?」となるのではかなり大きな違いがありました。
電話越しにお怒りの言葉をいただくことも少なくありませんでしたし、心が折れそうにもなることもありました。

後悔と失敗③:仕事の守備範囲を勘違い
これも覚悟はしていましたが、やはり一人でやる業務範囲は広かったですね。私はたまたま前職時代でも後輩が増えてきても、割と雑用なども引き受けるタイプだったので、精神的には苦ではなかったですが、物理的にどうしても時間的は取られるので業務時間はかなり増えました。
ここは間違いなくあると思っていた方が良いですし、年次を重ねている方ほど色濃く感じる部分だと思います。

後悔と失敗⑤:会社で一緒に働く仲間への期待値を勘違い
ある意味では、ここを一番大きく実感したかもしれないです。成長フェーズのベンチャー企業には優秀な方がたくさんいらっしゃいますが、玉石混交というような感じで、中にはそうでない方もいらっしゃいます。もちろん大手でも同じことが言えますが、ルールや基準が少ない分、振れ幅も大きいです。
実感は大きかったのですが、失望したというわけではなく、むしろ私はその中でどうやれば底上げができるかを考えるようにしたので、チャレンジできることが増えたと解釈してます。今も毎日がそのチャレンジですね。

後悔と失敗⑥:大企業のプレミアム年収を自分の実力と勘違い
これは転職活動中に感じましたが、間違いなく多くの方に当てはまることですので、覚悟しておいた方がよいです。
私は年収が100万円以上下がりましたし、だいたい元の年収の75%程度になりましたね。よくプロスポーツ選手の契約更改で「年俸25%ダウン!」みたいなニュースがありますけど、実際に体感するとこんな感じなのか、って当時は思いました笑

これらが個人の実体験として特に感じた4つです。
ですが、冒頭にも書かせていただいたように、私はこれらを感じつつも、
今現在、全く後悔していませんし、むしろ「成功」だったと感じています。


なぜ「成功」だったと思うのか

それは、人間として、一人のビジネスマンとして大きく「成長」できるからです。
ここまで引っ張っておいてそんな月並なこと言うのかよ、、と思う方も多いと思いますが、本当にこれなので勘弁してください。これに尽きます。

やはりそもそもの自由が多いですから、その中で自分で考えて業務に取り組むことが増えますし、実績が上がれば裁量権も与えられます。
手前味噌ですが、私は入社から11ヶ月でチーフコンサルタントに昇格し同時にチームリーダーを任され、その7ヶ月後にはシニアコンサルタントにまで昇格させていただきました(現在31名の会社ですが、シニア以上の役職は3人しかいません)。
自社採用の面接もやり、毎週行われる経営会議にも出席させていただいておりまして、前職では最速でも2、30年かかるようなポジションで働かせていただいております。

今はコロナの状況ですが、外出自粛や在宅勤務を嘆くのではなく、前向きにこの状況をどう乗り切っていくか、むしろどう成長していくかを考えるような思考になってきています。これは大手企業の一従業員としては絶対に起こらなかった思考だと思っています。

また、「後悔や失敗」は、転職後からでもかなりの部分は解釈の仕方でプラスに転換できます。
私は自分のことを特別にポジティブだとは思っていませんし、恐らく周囲に方々に聞いても「石塚はポジティブだ!」と声高に言ってくれる人は多数派ではないと思いますが、そんな私でも十分に解釈の転換は可能でした。

ベンチャー企業の至らない点が目についても、そこを自分が変えていくのだと考えることが重要です。
そうすれば全部がやりがいですし、やりたいことがどんどん多くなって、いくら時間があっても足りないくらいに感じ始めます。
最初は私もそんなの綺麗事だろと思っていましたが、実際になってみると全然無理なく、むしろ本当に毎日が楽しいです。

まずはやってみることが何より大事かもしれないですね。うちのクレドにもなっていますが「素直」はベンチャー企業に限らず新しい環境に身を置く上で最も重要な要素かもしれません。

ここでさらに付け加えて、ベンチャー企業への転職で迷っている方にお伝えしたいことは、
私はそもそも「成長意欲が高かった」「裁量権を望んでいた」などのいわゆるベンチャー志向だったわけではなく、むしろ銀行で働く保守的な人間でしたが、環境が変わってからその良さに気付いたタイプだという事です。

銀行員だったかつての私もそうでしたが、
「そもそもこういうところで活躍するような人は元々の考え方からして違うんでしょ。自分はほどほど、そこそこで世間的に真ん中より上くらいであれば別にいいし」という考え。
ただ、実際に自分の成長を実感し、裁量権のある環境で働いていると想像以上に楽しいです。仕事時間は前職時代と比べて相当増えましたが、何ならストレスは減っていると思いますし、全く苦ではありません。

これはとある幸福度についての調査で出た結果らしいのですが、仕事において「裁量権」というのは幸福度を高めるかなり大きな要素(年収よりもはるかに大きい)らしいですね。


まとめ

最後にまとめると、ガチガチの保守派でリスクは最小限に抑えるような大手思考だった私がベンチャーに転職して「成功」した要因は、

1、解釈をポジティブに変えたこと

2、素直に何でも取り組む姿勢だったこと

3、早いうちに裁量権を持ち、楽しさに気付けたこと(これは本当に現職の同僚や環境に感謝しています)

これらだと思います。
後は自分が「成功」だと解釈するようにしていることですかね笑

もちろん今現在もこれからもチャレンジの連続なので、もっともっと精進していく所存ですが、
ベンチャー企業への転職に対して悩んでいる方、あるいは実際に転職したものの後悔しそうになっている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

きっかけをくださった高野さんも本当にありがとうございました。

今後も随時発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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