Ráfagaにみる「時間の支配」を意識した準備|タッチフットボール
前回に引き続き、QBからみたプレーコール(プレー選択)を大きなテーマにしていきます。
今回は、ゲーム中の「ダウン・時間・点差」について、RáfagaのQB矢谷さん(#37)に普段意識していること、準備について聞くことができました。
また、チーム作りに関連して「目指すオフェンス像」についても聞いています。
ラファーガのオフェンスプレー
ダウンについて
●1stダウンで2~3yds以上を必ず稼ぐこと
これで3rd、4thダウンの状況が大きく変わってくるからです。
タッチフットは4回の攻撃でフレッシュをとればいい点がアメフトとの大きな違いだと思います。
●準備したプレーは上手くいかない、通しきれないことを前提にしておくこと。
予定していたプレーを止められた後のプレーのイメージを広げ、練習し、連携を深めておくこと。
ラファーガではこうして、ボールを持ち続ける方法(時間の支配=ボールコントロール)について、とくに準備をして臨んでいるようです。
時間配分と点差について
●時間配分と点差、オフェンスのペース配分、TFPの選択の仕方も考えながらやっています。
試合前にクォーター毎の基本スケジュールを組んでから試合に臨みます。
理想は前後半ともに、攻撃で終わらせることを目標にしてマネジメントします。
●それに加えて、急ぐ時、遅らせる時のコールを用意しておくことです。
この違いが、戦術面や個人能力以外でのチームレベルの差だと思ってます。
●TFP(トライフォーポイント)は接戦になる相手だと大事です。
試合ごとにいかに9点差にするかを考えながらプレーします。
TFP1で9点差なのに、あえてTFP2を選ぶことも稀にあります。
どのように試合の時間を使うべきか、どう運べればベストなのか。時間を調節しながら勝ちパターンに持ち込む戦術を実力派のチームは持ち合わせています。
点差も、時間の支配の一環として考えることが出来ます。点差によって、互いのチームの戦術経路が変化するためです。
タッチフットでは、時間の支配の観点からは、とくに前後半の2ミニッツに入るまでの試合運びや得点の仕方が大切で、面白い部分になっています。
目指すオフェンス像について
●常にチームメート全員のええとこが試合で発揮されるオフェンスを目指しています。
全員が活躍出来るようにすることが、一番意識してるRáfagaカラーです。
それがあればメンバーの入れ替わりへの対応力もつくし、エースが意識されてもそこに通せるようになっていく。
一方、
『僕』というQBをチームメートに知ってもらう、体験してもらう。
たとえば1枚ならラッシュもらしてもええよ、絶対止める状況になったら言うわなど、自分の長所とやりたい方向性を明確に伝えていくことです。
これは二枚のQBがいる場合とくに大事です。
最後は、コミュニケーションの部分についてです。できるだけ強いプレーを準備し、また試合中に効果的なプレーコールをするために、自分を含めた味方選手の特長に気をつけていることが分かります。
とにかく、強いチームの必須要素は、相互理解ということに尽きるでしょう。「こういうゲームにしたい、こういうタッチフットがやりたい」という「ゲームモデル」については、チーム内で十分話し合って浸透させておくことが重要です。
このマガジンでも、今後、相互理解を深めるツールとして、また、こういうタッチフットがやりたいという考えを見える化するツールとしての「ゲームモデル」作りを紹介していきたいと思います。
矢谷さん、今回はどうもありがとうございました。
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