#02 『くだらない』
私はくだらないことが好きだ。
例えばこの前リサイクルショップで木彫りの熊を見つけたのだが、
今度誰かの誕生日にこれをプレゼントしようと思った。
もらったら困るだろうな。でも笑って許してくれそうだよな。
そう考え出すともう止まらないのだ。
「はい、誕生日プレゼント!」
「うわ!重い!しかも大きい!何だろ?わくわく…」
「なかなか売ってないものなんだけど、たまたま見つけて。たぶん欲しいだろうなって」
「え!マジで!なんかすごい嬉しい!高かったんじゃない?」
「いや、それが超お得な値段だったんだ、なんか逆にごめんねー」
「いや、いいよ、わざわざ見つけてくれたものだから何だって嬉しいよ!」
「喜んでもらえれば光栄です。さぁ、開けてみてよ」
「ガサガサガサ…えっ!えっ!ちょwww ちょwwwww!!!」
「気に入っていただけた?」
「んなわけねーだろwwwwww」
「だよね」
「いつ欲しいと言った?微塵もそんなアピールしてねぇだろ?」
「だよね」
「これリサイクルショップで買ったろ?鮭の尾びれが欠けてるぞwww」
「だよね」
「だよねじゃねーよwww」
「だよねw」
「やかましいわwwwどーすんだよこれ。漬物つけるしかねーだろ!」
「ドアストッパーにもなるんじゃない?」
「確かに。っておい!必要ねーよwww」
「熊と鮭の間にスマホ入れてスマホスタンドにすれば?」
「いるか?」
「イルカじゃない、熊だって」
「やかましいわ!」
「プラ板をトースターでチンして取り出したときにこの熊で押さえれば平らなプラ板ができるかもよ」
「懐かしいなww」
「カップラーメンのフタを押さえるのにも…」
「潰れるわ!!!」
「踏みつければ足つぼマッサージに…」
「なるかもなw」
「洗濯機が壊れた時に洗濯板として…」
「使えるかもなw」
「キャンプファイヤーの燃料にも」
「なるな、確実に」
「つまり…」
「つまり?」
「これさえあれば大抵のことは何でもできるってことだよ」
「だな。もう諦めた。ありがとう」
「ハッピバースデー!」
100円くらい意志雄にあげてもいい、それすなわち、隠れイシシタン!