❸オンラインでの対話の場づくりの工夫(その3)
みなさまおひさしぶりです!
ベレー帽にメガネの石デ共同代表といえばこの私、千葉です。覚えていますか?
前回2021年6月に「その3に続く」って言ってから、まさかまさか1年近くも経ってしまいました・・!
この1年の間に、オリンピック・パラリンピックが無観客で開催されたり、ワクチンを複数回接種したり、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置と言った制限が頻繁にあるなど、コロナ禍に関するさまざまなトピックがありました。
この間、配慮しながらリアルにワークショップを開催したこともありましたし、リアルは中止でオンラインになったりということもありました。
状況が目まぐるしく変わっていくこともあって、その時々にできる対応で、日々ワークショップを企画・実施してきて、、あーっという間に1年経っちゃたという感じです(言い訳ですけど)。
本当は、このシリーズで書いていることなんてもういらないよね!というぐらいコロナ禍が去ってくれたら何よりだったのですが、残念なことにまだしばらく(?)こうした「新しい生活様式」のワークショップの話が必要そうなので改めて再開します!
リアルな感覚を再現できるオンライン空間の表現
Zoomを使ったコミュニケーションでは、ブレイクアウトルームという“個室”をつくらない限り同時並行して複数の議論をすることは難しいですよね。
それが、現実の世界のように、複数のテーブルに分かれて、同時に議論を行うことができるサービスがいろいろあるんです!
今回は「oVice」というサービスをピックアップ。写真はファシリテーター仲間のガオリュウさんに、2020年にこうしたサービスをオンラインイベントでご紹介いただいた時の画面です。
カウンターテーブルごしに、丸いアイコンがありますが、これが参加者です。
参加者は自分のアイコンを自由に動かすことができ、喋っている人にアイコンを近づけると声が聞こえ、離れるととどんどん聞こえなくなるんです!!
例えば、「3人で下のテーブルで話そうよ!」と参加者3人が下の丸テーブルにアイコンを動かせば、全体の会話の音声が小さくなっていき、近くにいる3人の会話に集中することができます。
現実のワークショップ会場を想像してください。複数のテーブルに分かれたグループワーク。
自分のテーブルの人の話が一番よく聞こえますが、周辺のグループの声も聞こえますよね。
Zoomでは、同じようなことをするためにはブレイクアウトルームをつくりますが、それは完全なる個室で議論をすることになる。会場全体でどんな議論になっているんだろう?盛り上がっているのだろうか?他のグループはアイデアがたくさん出ているんだろうか?ということがわかりません。
リアルのワークショップでは、まわりの音や見渡せばいろいろ感じることができます。こういう場の雰囲気がブレイクアウトルームに分かれるとちょっと感じられませんよね。
oViceではそういう場の空気感をオンラインで再現する可能性があるんですね。
忘年会で実験!オンラインの交流って楽しい!
石デでは、毎年お世話になった人をたくさん集めた忘年会を開催していたのですが、コロナ禍になってそれができなくなったので、2020年の暮れにこのoViceを使った忘年会を実施しました。参加者全員にこれもお世話になっているクラフトビール屋さんのビールを送って、全員でZoomで乾杯!その後、oViceに用意した“石デ島”にみんなを招待し、そこで交流しました。
Oviceには、個室スペースを設定することもできるので、別室で語る人々、あっちの会話もこっちの会話も聞いてみたいとぐるぐると移動する人、楽しくなって結局3時間ぐらい盛り上がりました。上の画像では、島の周辺にある薄い四角のスペースは個室空間となっています。
また、自分と会話している人の映像は右上に現れます。画面共有などもできます。
オンラインにリアルの価値が転換できると可能性は進化する
このサービスはとてもすごい可能性があると思います。リアルに集まれないのでリアルな現場を再現して集う使い方もあるでしょうし、仮想の空間を使ってイベントをやることもできます。
あるいは、リモートワークの人が他の人といっしょに仕事できる場として使うこともあるでしょう。相談したり、雑談したり、一人でもくもくと仕事したり、、。これはオンライン上に魅力的な物件を作り出すこともできるわけで、リアルとバーチャルの中間領域の空間はどんどん広がっていくのでしょうね。
有料のサービスということもあり、導入にはハードルがあるかもしれませんがホームページを見ると無料トライアルもできますので、まずは試してみてはいかがでしょうか?
メタバースでワークショップをする時代も遠くないかも
今回はoViceを紹介しましたが、他にもいろいろあります。こういう空間コミュニケーションの先駆けのspatial chatやremoなどがあります。
Facebook社が「Meta」に社名変更するなど「メタバース」という言葉に注目が集まる今、オンラインコミュニケーションもどんどん飛躍的に進化していく時がきているのかもしれません。Metaのホームページにあるこちらの動画を見ると、みんなでVRゴーグルをつけてワークショップを開催!ということもすぐそこまで来ているのかもしれませんね!私は未体験なのでわかりませんがワクワクしますね。
市民参加のワークショップが本シリーズのテーマですので、専用のデバイスがないと参加できないということや、有料のサービスということがまだまだハードルになると感じますが、この2年の中でオンライン参加ができるシニアの方々が体感的に増えていて、オンラインワークショップの裾野が広がったという感触があるので、サービスもデバイスもいろいろな人にいきわたるスピードも早いのかもしれません。
お付き合いのある行政では「オンラインは難しいですー!」と言っていた2020年に比べ、今は「打ち合わせはオンラインでも大丈夫ですよ」と選択肢の一つに加わり、カメラや音響が、所管によっては飛躍的に進化しているとも感じています。一度選択肢に加わると、まちづくりの現場でも可能性がどんどん広がっていくでしょう。
オンラインの良い進化はどんどん取り入れたいし、リアルでやりとりできることもやっぱりすばらしい。両方の良さをもっと掘り下げた参加の場ってどんな可能性があるんだろう?今後とも模索を続けていきたいと思います。
次回は「❹ハイブリット型(オンライン+オフライン)の可能性」というテーマでこのシリーズ全体をまとめたいと思います。
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