公園の面白くて楽しい使い方を調べて、広めるワークショップ
公園アクティビティ調査〈妄想ワークショップ・レシピ#9〉
コロナ禍で行動が制限される中、身近な屋外環境の価値は今まで以上に高まり、公園の利用者が増えています。
これまで公園にあまり行かなかった人も、例えば散歩で立ち寄ったり、気分転換のお外ランチに訪れるなど、公園の利用層もアクティビティも、より多様になっているのではないでしょうか。
一方で、公園の管理者にとっては、多くの来園者に対応したり、密にならないように配慮したり、例年と比べて業務が大変になっているかもしれません。
このレシピでは、公園でのアクティビティを時間帯、エリア別に整理して、分析するワークショップを考えました。
そして利用の少ない時間帯やエリアの使われ方を共有して、「こんな楽しみ方があったんだ!やってみたい!」という共感を生むことにより、利用分散を図りながら、公園の利用の多様性をより一層高めていくことを狙います。
【レシピ】
移動式のワークショップ屋台を公園の現場で展開し、「アクティビティマップ」「無料コーヒー」「ウィッシュツリー」を3点セットで実施します。結果は、分析してwebなどで紹介します。
1)アクティビティマップ|いつ・どこで・なにを
来園者に参加していただき、公園の大きなマップに、いつ・どこで・なにをやっているかをマッピングします。公園の規模に応じて、整理がしやすいように時間帯、エリア別の複数のマップを用意しておきます。
現状のアクティビティの分布を整理し、時間帯・エリアによる密・疎や活動内容を見える化します。
2)無料コーヒー|心地よい対話のきっかけ
ワークショップへの参加のお得感を演出し、会話も弾むように無料のコーヒーを提供します。そして、参加してくださった方々の公園で過ごす時間が楽しくなるきっかけにもなればと思います。
3)ウィッシュツリー|公園でやってみたいこと
ウィッシュツリーは、願い事を吊るす木のオブジェです。
将来、公園でこんなことができたらいいなあ〜を短冊に書き出して、ぶら下げてもらい、今後の公園へのニーズを見える化します。
4)分析してフィードバックする
結果は後日取りまとめて、フィードバックします。
公園利用の時間帯やエリア別の疎密を分析するとともに、利用の少ない時間帯やエリアで行われている魅力的なアクティビティについてピックアップし、利用の分散と多様化につなげます。
また、ウィッシュツリーで得た公園利用のニーズは、今後の企画づくりに活かしていきます。
【ポイントの振り返り】
ワークショップを行う際、参加者に会場にきていただくことは参加意欲のある方でないと難しいですが、今回のレシピのように出前型のワークショップなら、人が集まるところにこちらから出向いていけます。
移動式なので、毎日違う公園に出没することも可能です。
公園の利用データは、単に数量に着目するのではなく、面白く楽しい活動に注目することで人々の行動変容のきっかけになると良いと思います。
そして、公園だけでなく、地域の様々な場とも連携し、アクティビティの多様性が高まれば、公園を含む地域全体の魅力向上につながるのではないかと思います。
妄想ワークショップ・レシピについて
未来をつくるのは妄想力。そして、ワークショップは「妄想作成装置」。
「妄想ワークショップ・レシピ」では、ふと思いついたけど実現には至っていないもの、まだ思いつきに過ぎない柔らかい状態のものを、楽しく妄想し、紹介していきます。
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