話すことはアイデアに、聞くことはヒントに小さなことがまちづくりにつながる[SIWR#18]
〜みんなの富岡・能見台 丘と緑のまちづくり「おかまちフォーラム」〜
「インターン・ワークショップ・レポート」は、大学生によるワークショップ現場の率直レポートです。2018年から冊子として発行してきたものをnoteでは新旧織り交ぜて紹介していきます。
note版#18は、中島さんによる『みんなの富岡・能見台 丘と緑のまちづくり「おかまちフォーラム」(2021年6月13日)』のレポートをお届けします。
3年かけて準備してきたプロジェクトをお披露目!
横浜市と京急電鉄が、まちづくりIMAGE BOOKのお披露目会とリーディングプロジェクトのメンバーの募集を、富岡・能見台の2つの地域で同日に開催しました。
プロジェクトは、地域住民の方と、まちづくりワークショップなどの話し合いを重ねて3年かけて生まれたもの。2つの地域で計8つのプロジェクトがあり、ものづくりを通して、まちの愛着とワクワクを創出する「よりみちDIY」、空き家をみんなの多様な拠点にする「空き家WANTED!」、電車・バスだけでは難しい、まちと人を繋ぐ新たな地域交通の創出「とみおかーと」など幅広い内容です。
これからのまちづくりのヒントに
これまでの取り組みとプロジェクトの概要を説明した後は、トークセッション。まちづくりを行う企業や研究する大学の方が、新規事業や大学のゼミの取り組みを紹介してくださいました。
一方、高齢者の方にとってはあまり聴き慣れない「プラットフォーム」や「パブリックスペース」など、カタカナの言葉が多く飛び交う中、一所懸命にメモを取る様子も。まちをより良くしたいという参加者の強い気持ちを感じました。
自分のことを話す、それもまちづくりにつながる
オリエンテーションが終わると、プロジェクトごとにブースに分かれ、興味があるところに自由に話を聞きにいくフリータイムがスタート。なかには、「ものづくりが好きなんだよ」「こういう取り組みがあるの知ってるかい?」と、おっしゃる方も。自分の得意なことや知っていることを伝えてくださると、運営側も、その人にとってのまちづくりに参加する第一歩を提案することもできそうです。
なにより、「自分にできることがあるかな」と話してみることが大切。「できることから実現しよう」というまちづくりの基本姿勢が示すように、今の自分が「できないこと」も「できること」も、地域で交流し、知識や力を共有し合うことが、今後の地域の問題の解決につながるのではないでしょうか。
石デのスタッフはファシリテーター?
石塚計画デザイン事務所のスタッフがブースごとに分かれ、地域の方にプロジェクトの説明をする様子を見ていると、「あれ、ファシリテーターはどこだろう?」「地域の人に逆に教えてもらってる?」と思った場面も。
ファシリテーターとは、中立の立場で話し合いを円滑に行い、意見を効率よくまとめる役割だと私は考えていました。しかし、石デのスタッフは、もっと参加者に近い存在で接し、同じ目線で話をして向き合っているようでした。
私は、石デスタッフはファシリテーターだけでなく、「ジェネレーター」という役割も担っていると思います。「ジェネレーター」とは、話をまとめるだけでなく、自分も一緒に考えて楽しみ、新しいアイデアや価値を創造する役割。
予測できない社会だからこそ、地域の一人一人が抱えるまちの課題に仲介役として関わるだけではなく、一緒に向き合っていく姿勢がこれからの時代に必要なのかもしれないと気づいた日でした。
○インターンレポーター:武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科 3年 中島 純
○ワークショップ名:みんなの富岡・能見台 丘と緑のまちづくり「おかまちフォーラム」(横浜市、京浜急行電鉄株式会社)
○開催日時:2021年6月13日
○実施場所:本会場)富岡―富岡地域ケアプラザ
能見台―能見台地域ケアプラザ
サブ会場)富岡―はまと脳神経クリニック駐車場
能見台―能見台地域ケアプラザ駐車場
○とみおかーと活用:横浜国立大学 交通と都市研究室
○参加者:地域の新しい取り組みに興味がある方、地域の課題や暮らしの 悩みをどうにかしたいと考えている方
○テキスト校正・添削:鈴木徳子(Writer/Editor)
インターン・ワークショップ・レポート
「インターン・ワークショップ・レポート」は、石デ(石塚計画デザイン事務所)のまちづくりワークショップの現場を体験した大学生の率直レポートです。
現場の様子が丁寧に綴られているだけでなく、ほっこりする感想や、意外な視点もあり、プロのファシリテーターも当日を振り返って刺激を受ける内容が詰まっています。
2018年から冊子として発行しているものをnoteでも新旧織り交ぜて掲載していきます。
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