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暮らしている人々がまちをつくっていく[SIWR#12]

〜新田西部地区のコミュニティのミライを考える地区別懇談会〜

「インターン・ワークショップ・レポート」は、大学生によるワークショップ現場の率直レポートです。2018年から冊子として発行してきたものをnoteでは新旧織り交ぜて紹介していきます。
note版#12は、西川さんによる『コミュティのミライを考える地区別懇談会(2019年8月27日)』のレポートをお届けします。

3年がかりの行動計画づくり

草加市で暮らす人々と行政が協力して地域課題解決のための行動計画を3年かけて作り上げていく「コミュニティプラン」。1年目「将来像とプロジェクトテーマを描く」2年目「プロジェクトを企画する」3年目「仕組みを考える」という段階を踏んでつくっていきます。ここで選ばれたモデルプロジェクトはお試し実践もします。

今年は2年目。新田西部地区では昨年、地域福祉のこと、商店街や駅前の賑わいのこと、子育てのこと、子どもの遊び場のこと、多世代交流のこと、防災のことがプロジェクトテーマとして選ばれ、今回はこれらを4グループに分かれて振り返りながらプロジェクトを具体化していきました。

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まちの課題はマジでむずかしい

地域福祉を考えるチームでは本当に難しい問題も。高齢者の孤立防止のために、地域の方々が普段の生活の中で支援を必要とする高齢者の発見や見守りを、ボランティアで行う見守りネットワークという仕組み。実際この活動を行っているのは高齢者で、老々見守りの状態。見守り者が明日見守られる側になってもおかしくない状況です。若い人は仕事が忙しいし、最近では70歳まで働く人が多いため、人材不足で活動の継続が危ういそう。深刻な問題です。理想と現実の差が大きく、なかなかいいアイディアが生まれません。

そんな難しい場面でも、チームにいるファシリテーターは丁寧に話を聴き、問いを投げかけ、メンバーのプロジェクトを具体化まで導こうとします。今回の懇談会のルールとして掲げられていた始めの一歩を踏み出すために大切な考えLight(簡単に)、Quick(早く)、Cheep(安く)を思い出しながらみんなで想いを譲り合えるところまで譲り合い、自分たちで実行できるレイヤーまで手繰り寄せていきました。課題がどんなに大きくても、始められなければ意味がないですよね。

最適なまちは自分でつくる

最後に各グループで取りまとめたグループワークの成果を全体で発表して共有します。どのグループの課題もどの街でも起こりうるような難しい困りごとばかり。しかし、誰かに頼むようなアイディアではなく、このまちに住む自分たちから変えていこうとするアイディアが多く生まれていました。今年度は全3回あり、今回は1回目。これからどんどんブラッシュアップされていきます。

まちというものは幻想で、私やあなたが住んでいるということだけが事実です。誰かに頼むのではなく、住んでいる自分が考えていくことでしか、本当に自分たちにあったまちづくりはできないんだろうなと学んだ回でした。

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○インターンレポーター:社会人インターン 西川 理奈
○ワークショップ名:コミュティのミライを考える地区別懇談会(草加市)
○開催日時:2019年8月27日
○実施場所:勤労福祉会館1階ホール
○参加者:地域住民、地域団体の方々
○テキスト校正・添削:鈴木徳子(Writer/Editor)
インターン・ワークショップ・レポート
「インターン・ワークショップ・レポート」は、石デ(石塚計画デザイン事務所)のまちづくりワークショップの現場を体験した大学生の率直レポートです。
現場の様子が丁寧に綴られているだけでなく、ほっこりする感想や、意外な視点もあり、プロのファシリテーターも当日を振り返って刺激を受ける内容が詰まっています。
2018年から冊子として発行しているものをnoteでも新旧織り交ぜて掲載していきます。

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