読んでもオモロイ演芸台本(12) 学天即「クセなんだからしょうがない」
●上方演芸会 漫才台本
●タイトル「クセなんだからしょうがない」
●演:学天即
●収録:2020年11月4日 鳥取県湯梨浜町
●作:石山悦子
奥田 「うちのコンビ、相方のよじょうくんの方が結婚してましてね」
よじょう「そうなんですよ。僕ら、夫婦(めおと)になったんが五年前なんですけど、夫婦(めおと)になる前からの長い付き合いでしてね、夫婦(めおと)になる前の時期を入れると…」
奥田 「……めおとって言う派!?」
よじょう「え?」
奥田 「お前、夫婦(ふうふ)のこと、めおとって言う派?」
よじょう「えっ、普通…『めおと』でしょ?」
奥田 「あんまり言わへんよ。めおとなんて演歌の歌詞できくぐらいやわ」
よじょう「細かいことええから聞いてや。実は結婚生活で悩んでることあるねん」
奥田 「あら。どないしたん」
よじょう「うちの妻(サイ)がね……」
奥田 「なんて!?」
よじょう「そやから、うちのサイがね」
奥田 「もしかして嫁はんのことサイって言う派!?」
よじょう「普通そうでしょ?」
奥田 「だから言えへんねんて、そんな古風な言葉。俺の記憶が確かなら、いとこい先生の漫才で聞いたんが最後やわ。もっと普通に言われへん?」
よじょう「うちのワイフがね」
奥田 「それもちゃうのよ。『ワイフ』は英語で言うたら逆にジジ臭い部門のワードやねん。普通に『ヨメ』でええやん」
よじょう「うちのヨメがね、俺に対して文句が多いねん」
奥田 「ほう、どんな」
よじょう「『あんた、ジジ臭いねん』て」
奥田 「ほれみたことか」
よじょう「『そのジジ臭いクセやめて』って言いよんねん」
奥田 「例えばどんな?」
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