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ムーンボイスシアターでmoonが23年越しに完結した話


※ラブデリック「moon」本編とmoon PREMIUM EDITION同梱のムーンボイスシアターCD「The Child of Happiness」のネタバレがあります





「moon」には23年間、明かされなかった謎がありました。

それは「エンディングにおばあちゃんの姿が見当たらない」事です。

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※ゲームの世界の住人達が現実世界に飛び出している中、おばあちゃんはどこにも見当たらない(愛犬のタオだけいる)

「おばあちゃんはどこに行ったのか?」という質問の答えを明確にするエピソードやヒントはゲーム本編にはないので、

・いなくなった孫をmoonワールドの中で一人きりで待ち続けている

・ゲームをプレイする人=勇者=おばあちゃんの孫 がいなくなってしまったので一緒だったおばあちゃんの存在もなくなってしまった

などと想像する事しかできませんでした。

ゲームには「考察する余地を少し入れておく」「いつまでも語られ続ける」という手法があります。

それを狙って「ゲーム本編ではエンディング後のおばあちゃんの結末を明確にしなかった」のだとずっと自分は考えていました。

それから23年後の2020年10月、moon PREMIUM EDITIONが発売され、同梱のムーンボイスシアターCD「The Child of Happiness」で不明瞭だった部分が補完されました。

・勇者が宇宙ロケットにいつ乗り込んだ?

・自分が乗っているはずのロケットを勇者が剣で破壊したのはなぜ?

などのエピソードが綴られ更に、

・「扉を開けて(ゲームを辞めて)」と何度もお願いされたが結局、扉を開けるとどうなるのか?

という部分にもトラック2「第一幕 滝壺の年」の3:45~で説明されています。

「ゲームスタート」の開始音と同時に白羽の矢の儀式が開始され、「おばあちゃんの孫が選ばれ呪いの鎧を着せられて勇者が誕生」の流れが始まります。

つまり、ゲームを始めなければ「白羽の儀式」が行われず「勇者が誕生しない」世界線になり悲劇の物語が生まれなくなる。という事が「扉を開けて(ゲームを辞めて)」という願いの真相だったワケです。

※白羽の矢の儀式が始まる←ゲームを始めると月の光が無くなる←月の扉が閉まる(?)

【扉を開けた事によりおばあちゃんの孫は勇者になることもなくおばあちゃんと孫は幸せに暮らしました。】

このムーンボイスシアターCDの補完によってmoonは完全に完結したことになります。23年越しに。


今でもゲームを作り続けている人が23年前の作品に自らピリオドを打ってくれた事にとても感謝しています。

彷徨っていたファンに愛をありがとうございました。

次の作品も期待していまっせ。

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