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選択的夫婦別姓にまつわる最近の動き その2
2024年6月10日、経団連が「選択的夫婦別姓」導入を求める提言を出したということが、新聞やネットニュースで記事になった。
提言「選択肢のある社会の実現を目指して」を公表(経団連)
2023年12月のダイバーシティ推進委員会企画部会の議論があり、2024年2月の定例記者会見で十倉会長が、2024年度上半期中に提言を公表するべく検討を進めているとの発言があったが、それが実現したものだ。
このことを受け、6月21日には、自民党の渡海政調会長の、中断している党内論議を再開するという発言も報じられた。
6月27日には、第3次夫婦別姓集団訴訟の初弁論が東京地裁で開かれた。国は争う構えとのこと。
2015年、2021年に最高裁判所大法廷が、それぞれ「合憲」判決が出ている。
ただ、2015年には「制度のあり方は国会で論じられ、判断されるべき」とされ、2021年にも、「どのような制度を採るのが妥当かという問題と、憲法違反かどうかを裁判で審査する問題とは次元が異なる」とし、制度のあり方は国会での議論とされている。
法務省では、1996年および2010年に改正法案が準備されたが、いずれも国会への提出に至らなかった。その案も含め、経緯が下記に公表されている。
選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について(法務省)
1996年当時の事を思えば、職場での旧姓使用はかなりひろがっている。それでかまわないという人たちがいる一方で、やはりそれでは困るという人たちもいる。「生きていくうえの困りごと」を解消する法整備を願う。
なお、別姓が選択できるようになったとしても、旧姓使用ができる環境であってほしいし、別姓で法律婚ができるようになったのだから、事実婚は認めないという世の中にはなってほしくないとも思う。