【MTG】トランスフォーマーキャラクター解説
こんにちは。わいです。普段はレガシーをぼちぼちやっております。この度兄弟戦争にて大好きなトランスフォーマーがフィーチャーされました。
採用されたキャラクターについて「なにこれ全部同じでは?」「スタースクリームは分かるけど他がわからん」「ガンダム??」などの声を周囲から聞いたので、簡単なキャラ解説を書いていきます。
個人的な意見が多く含まれるので、興味を持った方は詳しく調べてみてください。MTGに負けず劣らずの歴史の深さです。
なお、今回の記事ではカードを使った構築論などには触れていません。悪しからず。
(20221114追記修正)G1の定義について違うとのご指摘を頂きましたので、本文を修正しました。
今回の元ネタについて
日本からアメリカへ渡った「ダイアクロン」「ミクロチェンジ」などのシリーズが再構成され発売されたトイシリーズが源流。販促目的で1984年に北米でアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」として放映されました。
今回カード化されているのは主にこの「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(記事内の略称:初代アニメ)」と続編の「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010(記事内の略称:2010)」シリーズです。
Q.どんなストーリー?
トランスフォーマーシリーズはスターシステムに近いものを取っており、ほとんどのストーリーにて
善:平和主義:「オートボット(またはサイバトロン)」=目が青い
悪:支配思想:「ディセプティコン(またはデストロン)」=目が赤い
に分かれています。
各シリーズ毎でストーリーは様々ですが、大まかには
1.母星であるサイバトロン星でオートボットがディセプティコンに壊滅させられる
2.オートボットが地球に敗走してくる
3.オートボットを追いかけるついでに地球征服を狙うディセプティコンを、オートボットが人間と協力して倒す
というパターンが定番です。
ちなみに一際ファンの多いビーストウォーズでは、上記の敗走するまでの流れは同一なのですが、渡った先は恐竜時代の地球という設定なので人間は出てきません。
Q.そもそもトランスフォーマーってなんやねん
彼らはロボット生命体です。
自立した心と身体を持ち、さまざまな個性と得意技を持っています。
特筆すべきは「変形」能力でしょう。基本形と変形後の姿を持つものが多いです。今回では「見た目以上のもの」という能力になっていますね。
例えば下のオプティマス・プライムはロボット体とトレーラーの2つの姿を持っています。
Q.なんか紫の枠のカードあって、絵が違うんだけど?
シャッタード・グラス(SG)版ですね。
前述したように
善:「オートボット(またはサイバトロン)」
悪:「ディセプティコン(またはデストロン)」
が通常のパターンなのですが、
悪:「オートボット(またはサイバトロン)」
善:「ディセプティコン(またはデストロン)」
と善悪の立場を転換させたのがSG版です。公式の二次創作に近いです。アメコミや小説などなどにて連載されており、非常に人気があります。
それではさくっとキャラの紹介に行きましょう。
【オートボット編】
・《英雄、オプティマスプライム/Optimus Prime, Hero》/《オートボット部隊長、オプティマスプライム/Optimus Prime, Autobot Leader》
所属:オートボット司令官
座右の銘:「自由とは全知的生命体の権利である」
変形後:大型トレーラー
オートボット側のリーダーです。なぜか翻訳は部隊長になっていますね。
トランスフォーマーシリーズの顔で、ほとんどのシリーズで彼がリーダーを努めています。日本では「コンボイ司令官」の名前が有名ですね。真面目で勇敢、仲間思いで正義感の熱い司令官です。
柔軟でおっちょこちょいな面もあり、その有名なものとして
・「私にいい考えがある」→ろくな結果にならない
が挙げられます。
余談ですがトランスフォーマーには各々座右の銘があります。分かる範囲で掲載していきます。
SG版では正史の真逆キャラになります。これは他のキャラも同様です。
残虐非道な破壊主義者で、敵も味方も気に入らないものは即排除の鬼畜司令官、趣味は死体コレクションです。
・《人類の友、ゴールドバッグ/Goldbug, Humanity's Ally》/《気の強い斥候、ゴールドバッグ/Goldbug, Scrappy Scout》
所属:情報員、偵察員
座右の銘:「最も小さなものが最も危険なものになり得るのさ」
変形後:フォルクスワーゲン・ビートル(黄色)、要は小型車
いきなり難しいキャラが出てしまいました。彼は人気キャラ「バンブルビー」が転生した姿です。ピカチュウじゃなくてライチュウ、ぐらいに思ってください。ほぼバンブルビーです。
のでバンブルビーの情報を載せておきます。
カード能力にもあるように、もっとも人間に友好的なキャラクターであることが多いです。実写映画で主人公たちと仲良く活躍している姿を見た方も多いでしょう。陽気で可愛らしく賢い。まさにマスコットキャラです。前述したオプティマス・プライムと同等の人気を誇ります。
SG版では一転して元盗賊、オプティマス・プライムの傘下に入りますが色々あって離反、地球に来ることに。
・《冷静な戦略家、プロール/Prowl, Stoic Strategist》/《追跡車、プロール/Prowl, Pursuit Vehicle》
所属:戦略家
座右の銘:「論理こそが最高の武器である」
変形後:パトカー
論理的で冷静、戦略を練ることが得意な参謀役です。
良くも悪くも行動が先のタイプのオプティマス・プライムを頭脳でカバーし、時にサブリーダーとしてメンバーをまとめる、いわゆる委員長キャラ。逆に頭でっかちで失敗することもあり、お堅くて人望に欠ける一面もあります。
SG版はあんまり情報がないので書くことがありません、すみません(そもそも出てないような……)。
・《戦場軍医、ラチェット/Ratchet, Field Medic》/《救命救急車、ラチェット/Ratchet, Rescue Racer》
所属:看護員、軍医
座右の銘:「君が壊せるなら、私は修復できる」
変形後:救急車
軍医。技術者としても優秀で、発明品の開発も行っています。1枚目のように戦場にも赴き戦闘能力もかなり高いです。カード能力もリアニメイトなのでそれらしいですね。また血気盛んな一面もあり、グチャグチャうるさい患者には「発声回路切っちまうぞ」と抑える場面が有名。
SG版でも同様に軍医……と思いきや懲罰係です。なぜなら無意識に患者を改造してしまうため。本人の認識は軍医で悪意も自覚もありません。
・《雇われの剛力、スライサー/Slicer, Hired Muscle》/《高速の敵対者、スライサー/Slicer, High-Speed Antagonist》
所属:?
座右の銘:「さっさと消えろ、さもないとまた潰しちまうぞ」(ネット上からの意訳)
変形:スポーツカー
これまた出自が特殊です。ホイルジャックという同型の仲間がいるのですが、その玩具が色を変えてディセプティコン側の兵士スライサーとして発売されており、今回はなぜかオートボット側として出ています。ややこしいです。
胸部のオートボットマークにも線が入っているので、正式なオートボットではないようです。おそらく傭兵でしょう。カード能力もそれらしくコントロールがコロコロ変わります。
トランスフォーマーは多元宇宙のようにシリーズによって物語が変わるため、他の作品で使用されたキャラが急遽変更され出てくることはザラにあります。
のでSG版もよく分からんです。こっちだとディセプティコンマークじゃん……。どなたかご存知の方がいたらご教授ください。
・《独創的な科学者、ジェットファイヤー/Jetfire, Ingenious Scientist》/《空中警護員、ジェットファイヤー/Jetfire, Air Guardian》
所属:空中警護員
座右の銘:「科学の神秘の中に勝利の鍵がある」
変形後:大型のSFジェット(マク〇スのVF-1バルキリー)
オートボットとディセプティコンは善悪以外にも違いがあり、ディセプティコン側には飛行要員が多いのですが、オートボット側には少ない。
オートボット側の貴重な航空要員が彼、ジェットファイアーです。前職は科学者で、名前や能力の「順応」にも表れていますね。後述するディセプティコン側の航空参謀スタースクリームの唯一の友人という設定で、いったんはディセプティコン側につくのですが、気が優しく人間とも仲良くしたいタイプなのでディセプティコンになじめず、オートボットについたという経緯があります。
SG版はこちら。正史と同じくディセプティコンからオートボットに鞍替えしたらしいキャラです。善→悪になったパターンですね。
・《戦闘DJ、ブラスター/Blaster, Combat DJ》/《鼓舞する者、ブラスター/Blaster, Morale Booster》
所属:通信員
座右の銘:不明
変形後:ラジカセ
トランスフォーマーは人間の音楽があまり好きではないらしいのですが、例外もいます。ブラスターは特にロック音楽が大好きなお喋りキャラ。ラジカセらしく、カセットを元にしたカセットロンという部隊のリーダーです。
彼は後述するディセプティコンのサウンドウェーブに対抗するために作られたトランスフォーマーという設定で、サウンドウェーブをライバル視しています。
SG版ではドイツ訛りでクラシックが好きな鬼軍曹という役回り。
役職や座右の銘も以下に変わります。
役職:諜報部隊長
座右の銘:「悲鳴は私の交響曲、苦しみはアンコールだ」
・《名射手、アーシー/Arcee, Sharpshooter》/《軽業のオープンカー、アーシー/Arcee, Acrobatic Coupe》
役割:戦士(狙撃手)
座右の銘:「見た目に騙されないでね」
変形後:オープンカー
美人お姉さん戦士枠です。強く慈愛にあふれ、女性トランスフォーマーの顔役として様々なシリーズに登場します。スタイリッシュなお姉さんキャラ。
ディセプティコンには女性を軽く見る傾向があり、容姿に自覚的なアーシーはそれを逆手にとって戦うことも多いです。
カードの中では唯一SG版が存在しないようです。あったらすみません。SG版にも未登場だったような……。
・《戦術家、ウルトラマグナス/Ultra Magnus, Tactician》/《装甲運搬車、ウルトラマグナス/Ultra Magnus, Armored Carrier》
所属:シティコマンダー
座右の銘:「一貫性が勝利だ」
変形後:キャリアカー
彼はオプティマス・プライムたちが活躍する初代アニメではなく、その続編にあたる「トランスフォーマー2010」での中心人物です。オプティマス・プライムから柔軟性や親しみやすさを抜いてバチバチに固さを足したようなキャラ。
「トランスフォーマー2010」での司令官はロディマスという人物なのですが、彼は破天荒で不真面目な部分があり、サポートするのに躍起になっている場面が多数見受けられます。
SG世界ではオートボットのご多分に漏れず破壊と殺戮が好きな彼ですが、オプティマス・プライムとは対立関係にあります。関係が悪すぎて顔面を破壊されたので、SG世界の彼は顔が骸骨です。
【ディセプティコン編】
・《暴君、メガトロン/Megatron, Tyrant》/《破壊的な力、メガトロン/Megatron, Destructive Force》
役割: 破壊大帝
座右の銘:「圧政を通じての平和を」
変形後:戦車
ディセプティコン側の司令官です。知略とカリスマに溢れる彼は単なる破壊と殺戮を目的とした悪役ではなく、座右の銘にもあるように「圧政を通じての平和を」目指しています。そのためマナコストにも白が含まれています。
アニメ版を見る限り、(悪の組織にありがちですが)部下が忠臣or裏切りキャラと二極化しており、その面の気苦労が多そう。
全てが真逆になるSG世界では、彼は善側の司令官です。元々の有能さに加えて仲間のためには我が身がどうなっても構わない優しい性格と、軒並み献身的で性格の良い部下たちにより理想的な正義の司令官となっています。なんと前職は大学教授。
また通常版とSG版で変形後の姿が全く違いますが、メガトロン様はシリーズ毎に姿がコロコロ変わるので珍しいことではないです。初代アニメではワルサーP38(拳銃)に変形します。他シリーズでは戦車、戦闘機、ジェット機、タンク機、レーザー砲台など。
・《力を欲する者、スタースクリーム/Starscream, Power Hungry》/《シーカーの隊長、スタースクリーム/Starscream, Seeker Leader》
所属:航空参謀
座右の銘:「勝利ってのは敵の残骸からできるんだ」
変形後:戦闘機(F-15)
ディセプティコン軍のNo.2。人気や知名度はオプティマス・プライム、メガトロン様、バンブルビーに並ぶでしょう。野心家で嘘つきなナルシスト。メガトロン様にすぐ反旗を翻そうとするコメディリリーフ役でもあります。野心家な部分は統治者能力に表れていますね。
名前にある「シーカー」とはディセプティコン部隊における航空要員を指します。
SG世界ではメガトロン様に対しての忠誠心が篤く、思慮深く賢く真面目で謙虚な理想の部下です。カラーリングは正史でのジェットファイアーに寄せられています。
・《音波のスパイ、サウンドウェーブ/Soundwave, Sonic Spy》/《上級隊長、サウンドウェーブ/Soundwave, Superior Captain》
役割:情報参謀
座右の銘:「オレにとって、泣き声や悲鳴は心地よい音楽だ」
変形後:カセットプレイヤー
メガトロン様に忠実な参謀の一人で、偵察などの裏方支援行動が主となります。無口で陰気でチクリ屋なキャラクター。先述したブロードキャストの対となる存在で、能力にもある「ラヴィッジ」、「レーザービーク」は部下のカセットロンで、アニメ版では胸部のカセットホルダーから射出しています。名前で「上級隊長」となっているのはカセットロンがいるため。
そんな彼はSG版では打って変わって所属が「応援団長」となり、騒がしくて仲間意識の強いノリノリなお兄ちゃんになります。好きな音楽はクラシックロック。応援団長なのでハチマキもしていますし活動的なので飛び蹴りも入れます。
ブロードキャストと同じく、座右の銘も変わります。
役職:通信員(応援団長)
座右の銘:「口がなくても、ロックはオレの使命だ!」
・《卑劣な拷問者、ブリッツウィング/Blitzwing, Cruel Tormentor》/《万能襲撃者、ブリッツウィング/Blitzwing, Adaptive Assailant》
所属:空陸参謀
座右の銘:「とりあえず、ぶっ壊せ。考えるのはそれからでいい」
変形後:戦車、戦闘機
戦車・戦闘機・通常体の3つに変形できる、トリプルチェンジャーという珍しい能力を持っています。名前の「万能襲撃者」やカード能力はそのためですね。
拷問者となっていますが特にそういう描写はなかったような……。メガトロン様に最初は歯向かいますがボコられてそれ以後はおとなしく従います。
SG版ではサウンドウェーブと仲の良い平和主義者です。だいたいSGではディセプティコンはみんな平和主義。
・《無作法な古参兵、フレイムウォー/Flamewar, Brash Veteran》/《世慣れた工作員、フレイムウォー/Flamewar, Streetwise Operative》
所属:ディセプティコン専属傭兵
座右の銘:?
変形後:オートバイ
登場はまだ玩具のみで、他のキャラクターとは異なる作品出身です。割とよくあります。
アーシーと対をなす女性ディセプティコンメンバー。実はあんまり情報がありません……。
SG版もあまり情報がないです。どなたかご存知の方がいらっしゃればご連絡下さい。
・《妨害工作員、サイクロナス/Cyclonus, the Saboteur》/《サイバトロンの戦闘機、サイクロナス/Cyclonus, Cybertronian Fighter》
所属:航空参謀
座右の銘:?
変形後:宇宙戦闘機
こちらは先述したウルトラマグナスと対のキャラクター。初代アニメの続編である「2010」におけるディセプティコン側の司令官であるガルバトロンの補佐役です。
ガルバトロンは作中で精神病院に入院させられるレベルで気が狂っており、サイクロナスはその補佐を日々頑張っている、ディセプティコン側には珍しい忠臣キャラです。名前にある「サイバトロン」は文脈からしてサイバトロン星のことを指しているようですね。
SGでは忠臣キャラはどこへやら、メガトロン様に対して裏切り行為を働いています。面従腹背タイプですね。
おわりに
トランスフォーマーはMTGと同じハズブロ社の商品であり、歴史も少しだけ古いです(今年で38周年)。
アニメ・マンガのシリーズは多岐に渡っており、変形する玩具は星の数ほどあります。そのためハズブロ社も含めた誰も全容を把握しきれておらず、キャラクターの設定が一貫していないことが多々あります。
のでここで記載した内容にツッコミや間違い、不足があればぜひご連絡ください。
推しがカード化しなくて嘆いているわい 拝
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