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トラウマ回復にどれくらい時間がかかる?!最初の5年のプロセスとは!?

はじめに

元複雑性PTSDのセラピスト、イーシャです。

長年、トラウマセラピーに取り組んで、心と身体と人生のいろんな苦しさがなくなった頃に、複雑性PTSDという言葉が世に出てきました。

そして、過去の自分のことを振り返りながら、これこそが私が悩んできた症状だったとわかりました。

私を生きづらさから救ってくれたのは、トラウマセラピー。

これにつきますが、正直、一対一のカウンセリングではなく、心と体に直接的にアプローチする、心身統合のためのトラウマ解放ワークやファミリーコンステレーションが有効でした。

私が今、主催しているハートエデュケーションセンターでは、まさにこれらのセラピーを、教育としてお伝えしています。

私が長年時間をかけてきたことを、なるべく無駄なく、短期間でお伝えしたい、また、どこに住んでいても、距離に関係なく受け取ってほしい、そんな思いで、オンラインを中心に活動しています。


有効なセラピーとは

一対一の対話型カウンセリングに、効果がないということではありません。

私が思うその効果は、癒しのプロセスを振り返ったり、これから自分がどんな癒しに取り組むべきか見極めたりすること、また、気づきが起こって自分の今に安心することです。

※その場合であっても、有効になるためのコツがありますので、後ほど書きます。

ですが、トラウマの解放そのものを、ダイレクトに起こすことは難しいと感じてきました。

なぜなら、トラウマとは身体と密接に関わっているので、身体からの情動のリリースがとても大切だからです。

これについては、現在の脳科学が明確に証明していますので、ぜひ、この2冊を読んでみてくださいね。

私が運営しているハートエデュケーションセンターの認定セラピストを養成するコースでは、赤本、青本と呼んでいて、課題図書にもなっています。

フェルトセンスの重要性

シカゴ大学のユージン・ジェンドリン教授は、トラウマの癒しを実践する上で、とても大切なフェルトセンスというものを発見した人です。

フェルトセンスとは、感情の体感覚のことで、言語化できない情動エネルギーのこと。

「あの人がムカついた!」とか、「あれは絶対忘れられないし、許せない!」と過去の出来事を言語化している時、私たちは、マインドのおしゃべりをしてるのであって、フェルトセンスを感じているわけではありません。

また、癒しにおいて有効なセラピーとは、セラピー中にフェルトセンスが感じられた場合であることが、研究結果でわかったと言います。

以下は、ユージン・ジェンドリン教授の研究についてのまとめです。

・心理セラピーを録音して、効果があったセラピーとなかったセラピーの録音を検証した
• セラピストの行為には違いはなかったが、クライアントにのみ違いが見られた
• 効果のあったセラピーのクライアントは、途中、言葉がゆっくりに なったり、言葉の⻭切れが悪くなったり、言葉探しをしていた
• セラピーに効果が見られなかったクライアントは、考えるレベルにとどまり、言葉によどみがなく、話しっぱなしであった

ユージン・ジェンドリン教授の研究結果

この研究結果が示しているように、クライアントが、自分のフェルトセンスを感じながら、ゆっくりと身体の内側から、その感覚を説明するような言葉を探す場合、心理セラピーが有効になります。

逆に、頭で考えて、理性的に話しっぱなしの場合は、効果が得られないのです。

詳細はYouTubeにフェルトセンス専用の動画リストを作っていますので、ご覧ください。日本語字幕も利用できます。

トラウマセラピーを受けるポイント

逆境的小児期体験スコア(ACEスコア)4というハイスコアサバイバーの私の回復過程からわかったことは以下です。

トラウマサバイバーはフェルトセンスが麻痺して感じられないので、その段階で受けるボディワークは、トラウマ解放としては効果があまり感じられないことがある
癒しの最初の段階では、身体感覚を取り戻していくセラピーが重要
セラピーを受け出して1年経った頃には、自律神経の問題など、身体症状に改善が見られ始めている
身体からの情動エネルギーの解放と、古い信念体系からの脱却という2つのアプローチが必要
どちらか1つの場合、プロセスが混乱する、または、トラウマセラピーとしては、全く足りない

ACEスコアについては、公式サイトで登録なしでチェックできますので、ぜひ確認してみてくださいね。

トラウマ回復過程の目安〜最初の5年間

次に、私のトラウマの癒しの回復過程にどれくらい時間がかかったかについて書きます。

今、まさに、トラウマに悩む方には、ぜひ希望を持っていただきたいのですが、正直、トラウマからの回復には時間がかかります。

ただ、それが長く苦しい長期プロセスになるという意味ではありません。

何年かかったとしても、その歩みはどんどん軽快になり、確実に人生の景色が明るくなります。

これから書くのは、大体の目安で、全ての方に共通するものではありませんが、自分に合ったセラピーを選ぶことができて、結果に満足できる場合の、1つの回復の目安です。

ぜひ参考にされてみてください。

セラピーを受け始めてすぐに体感があり、苦しさが軽減する
・半年以内に、自分自身への認識、家族関係、人間関係が大きく変化し始める
1年以内に身体の慢性症状が改善し始める
3年以内にQOL(クオリティオブライフ・人生の質)が明らかに変わる
5年経つと別の人生を生きている感覚になり、結果に満足できる
自分に自信も出てきて、早い人では、最初の1年くらいで仕事に復帰する人もいる(症状の深刻度にもよるが、実際にはセラピー受講から2年〜3年での復帰が理想的)

ということで、セラピーを受け出してから、1年〜5年の間に、セラピーを終了する人も多いのではと思います。

なぜなら、この段階で、かなり人生が変わってきていて、満足感が得られているからです。

慢性症状でいえば、アレルギー症状や皮膚疾患、自律神経の問題などは、大きな改善が見られているかと思います。

婦人科系の問題から、1年ちょっとで卒業する人もいます。

人間関係も家族関係もかなり良くなっているはずなので、回復したと思うのも当然です。

ただ、「回復とは何か?」という問いに向かい合ってみるといいでしょう。

おそらく、トラウマのスコアが高ければ、最初の5年では、人生において、自分の最大限の可能性を、まだ発揮できてはいません。

  • お金の問題

  • 家族関係の根深いしこり

  • 育児の根本的な問題

  • 仕事先での不安

  • 自己実現がうまくいかない

  • 強い身体症状は依然として変化なし

などの、問題をまだ感じているかもしれません。

ただ、セラピーを受け始めていたころとは、段違いの変化を感じている時期でしょうから、もう十分と思ってしまう時期でもあります。

ですが、実は、まだまだ、生きやすさは追求可能です。

正直いうと、ここからが、本格的に人生を変化させる時期になります。

癒しに貪欲な人は、セラピースタートから5年以降のプロセスが、かなり大きな癒しのステージになるはずです。

セラピーの選び方で大事なこと

世の中にたくさんあるセラピーから何を選んだらいいかわからないこともあるかもしれません。

実は、「どんなセラピーを選ぶか」ということよりも、「誰を選ぶか」ということの方が重要です。

セラピーとは知識とスキルだけで可能になるものではありません。

むしろ、知識とスキルが先行してしまうと、癒しに至らない場合もあります。

セラピーを受ける本人のエネルギーの動きを優先しながら、セッションを進行するためには、自身がトラウマの癒しに積極的に取り組んできたセラピストを選んでください。

また、セラピスト自身が、心身ともに健康で、家族関係が安定していて、成熟した大人として生きている人を選んでください。

もちろん、セラピストだって人間ですから、完璧なわけではありません。

花粉症などのアレルギーを持っていたり、時々パートナーと言い合いをすることがあったり、我が子の問題に奔走しているセラピストもたくさんいるでしょう。

自分の課題をわかっていて、それらに積極的に取り組んでいるセラピストは信頼できます。

有能なセラピストは、自分のためのセラピーやスーパーヴァイズを受けていたり、瞑想の習慣があったりします。

だけど、自分のメンテナンスをしていなかったり、日々の人生が不安定で、ままらない状態を生きているとしたら、そのセラピストは、まだ、無意識に汚染されていると言えます。

つまり、その状態では、クライアントの無意識下にあるトラウマに対応することはできないのです。

セラピーが有効に働くとき、必ず心と身体と人生の質は向上します。

つまり、それを知っているセラピストを選ぶことが、何より重要なんですね。

ハートエデュケーションセンターの無料ウェビナー「トラウマの癒し方」は、まだ、視聴可能です。

トラウマの癒しについて、しっかり理解して、無駄のないセラピーを受けることで、トラウマから自由になることができます。

次回は、次の5年、つまり、セラピースタートから10年間くらいまでの経緯について書いていきますね。

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