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酒姿三人衆

これも縁というヤツなのかもしれない。

ツイッターに流れてきたnoteを読んだ。

記事には動画が埋め込まれていて、仕事中ではあったがこれからちょうど心を無にした作業を始めようとしていた僕にはBGMにちょうどいいように思えた。

それにしても絵面が…

いきなりの、おっさん三人である。

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『ご覧になったことがない方のために説明しますと、男3人がウィスキー飲みながら吸いながら話すだけの2時間で、クイズコーナーもプレゼントコーナーもありません。
だんだん酔っ払っていく恥ずかしい姿をお見せするだけの配信なのです。
ただ、みなさんからのご質問やお悩み相談は募集していまして、毎回すばらしい質問を多くいただいているからこそ、なんの打合せも編集もない2時間が成り立っております』


再生時間は2時間18分50秒。

たぶんずっと、最初から最後まで、おっさん三人だ。

見てられるのだろうか。

ちなみにこの前に僕が見ていた動画は。

無題

髙橋ひかるが11分間、フツーに上手いでもない釣りをする。脳をからっぽにして見ていられる動画。癒しそのものだ。

ここからのいきなりの急展開である。

キツ過ぎる対比。

ヒド過ぎるギャップ。

だが。

なぜか僕の心はこのおっさん達に惹かれた。

三人のおっさんの動画を、おっさんが見る。これもまた粋狂。

「どないやねん…」

ボソッとつぶやき、僕は再生ボタンを押した。



冒頭の軽い雑談に続き自己紹介、そこからメールで募集した『お悩み相談』をネタに三人がトークを展開していく。

だがこれが不思議と

「見れるな … 」

面白いのである。
(上から目線でごめんなさい。ですが正直な心の声です)

いつしか、キーボードをカタカタと叩いていた指は止まり、椅子の背に身体を深くあずけ、たまにクスっと笑いながら、僕は動画を見ていた。


相談内容は恋愛から仕事のことまで多岐にわたるもので、それぞれに三人がその個性を存分に発揮しながら応えていく。

ちょっと面白かったお話を一つ紹介すると。

「女の子に『ハワイ行きたい』って言われたらどう答える?」

僕ならまずは日程と費用を、と考えていると…

「そこでスケジュール帳をパラパラとめくって『難しいな』なんて言ったらダメ! そうじゃない、答えは『うん、行きたいね』でいい。そこで彼女が欲しがってるのは現実的な話じゃなくて『共感』なんだから」

おっしゃる通り。

これだ、僕がモテない理由の一つは。納得しかない。



三人のおっさんが、ただ酒を飲みながらしゃべっている。それがなぜこんなにも見れるのか。それぞれ話し方が上手いのもある。だが、それだけではない。

聞き方も上手いのだ。

相談者の話に耳を傾けき、それぞれに互いの話を聞く。

『傾聴』とは「耳」「目」「心」を傾けて真摯な姿勢で相手の話を聞くコミュニケーションの技法とされているが、まさにそれだと感じた。

動画の中で語られたエピソードに

飲み会に行く時には上司が吸うタバコを一箱ポケットの中に入れておいて、夜更けに「おい、タバコ買ってこい」と言われた時に、スッと差し出すようにしていた。

というものがあった。

これができるようでできない。

こうした話を聞いて、「なるほどですね~」と納得し、いざやろうとするが、これができない。

なぜか。簡単に言えば相手への関心が薄いからだと思う。相手の話しをしっかり聞き、相手をよく見ていなければ、こういうことはできない。

コミュニケーションが送信と受信で構成されているとすれば、受信力の問題だ。受信ができていなければ、適切な送信はできない。

話をするのが上手い人は、ほぼ例外なく話を聞くのも上手い。
送信技術のレベルは受信技術と比例する。

だが、受信技術は送信技術より習得が難しい。

送信はテクニカルに学ぶことができるが、受信にはその人の持つ才能(人間性)が出てしまうのだろうと、個人的には思っている。

三人の受信技術。

この動画の見どころの一つだと思います。



動画を見ながら途中で一つ後悔したことがある。

仕事中に見るもんじゃない。夜、酒をやりながら見ていれば、

いや、もっと言えばこの動画がリアルタイムで…

「家で見れたなら」

「見れます」

12月6日(日)20時~ 

シリーズ5回目となる配信が開催されています。

当日は炭酸水と角を用意して、拝見させていただきます。



さて、最後にちょっとだけ真面目なお話を。

今苦しいと思っている人がいたら、この動画の最後の10分だけでも見て欲しい。

おっさんてな、優しくて、かっこいいんだぞ。

では。

12月6日に。

一つの動画に出会うのも、縁なのだと思います。



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