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第6話 偽物(コピー品)は許せない

  YouTubeを見ているとたまにとんでもない広告がある。AIにしゃべらせたCMはいかにも高級時計店の店員と店を映像に出し、あり得ないことにROLEXのデイトナが3,980円で在庫があと200個とか言っているのだ。
 誰もが見られるネット広告で、こんなでたらめが流れていいのだろうかと不愉快になる。そもそもROLEXのデイトナは、世界中で人気のROLEXの中でも特に人気の時計。クロノグラフを搭載したラグジュアリースポーツウォッチの王様である。当然ながら、本物なら正規店で250万円以上。並行輸入や二次流通市場だとモノによっては、500万円以上にもなる時計である。     ROLEXマラソンという言葉があるが、さらに手に入らないデイトナマラソンなんて言葉もある。お金があっても買えないのだ。供給よりも需要が多いからこういうことになる。ROLEXは純粋に時計好きな人間が買うよりも投機目的の人間がいるから、こんな異常な値上がりとなっている。これはROLEXのブランド戦略上、成功している点でもあるが、その反面、偽物が出回るということにつながっている。
 YouTubeの3,980円などという激安デイトナは、偽物とすら言えないゴミだろうが、中には素人だとぱっと見ROLEXに見えるような時計も出回っている。さらには買い取り店すら見破れないほど精巧なROLEXまで存在する。このレベルになると、偽物でもン十万円もするという。
 しかし、3,980円だろうがン十万円だろうが、偽物は偽物である。買ってはいけない。こういうのを作る人間がいるのは、買う人間がいるからだ。絶対に買ってはいけない。個人で買う行為に対しては、法律違反とはならないそうだが、税関で没収されればそれまでである。また、個人でコピー品を使っていても、それを本物と偽ってメルカリで売ってしまうと犯罪になる。事業性があると見なされれば逮捕もあり得る。だから買ってはいけない。関わってもいけない。
 ROLEXは高い時計である。高いにはそれだけの理由がある。それがわずか数万円で買えるわけがない。安い時計はすべて偽物である。
 ちなみに偽物と断定できるのは、製造元であるROLEXだけで買い取り店で偽物とは言えない。規格外品というのだそうだ。
 買う人はどういう理由で買うか知らないが、偽物と知っていてそれを毎日身に着けているなんて、自分に自信がない証拠。いい仕事やいい運気など入ってこないだろう。

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