今さら聞けない日韓通貨スワップ協定
こんにちは。
韓国大統領文在寅が任期終了し、新大統領尹錫悦(ユン・ソンニョル)になって、5年ぶりの保守政党の大統領になりました。
とはいえ、議席は、293中109議席と過半数無く、国会は今も左派が強い状態です。(共に民主党は、293中168議席)
韓国は国の成り立ちから特殊なので、日本人の感覚の右左とは違う意味があります。國體が時と場合によって変わる事大主義的なものなので、保守といっても何が筋なのかがはっきりしません。
先の保守大統領朴槿恵は、用日匂わせからの伝家の宝刀反日を持ち出して、1000年恨む発言を筆頭に踵を返し、見事支持率を安定させた歴史があります。
いわゆる千年恨(せんねんはん)と言われるものです。
ゆえに、ムンたんが反日だったから、保守側は親日ではなくともせいぜい用日程度だろうと思うのは、ちょっと気が早いと言えます。
つまりは、反日と用日の重ね合わせがリアルです。
箱を開けるまで結果は確定しないシュレディンガーの猫ですね。
ユン大統領就任前後から、韓国サイドの日本へのアプローチが続いています。ムンたん時代では考えられない頻度です。
これには様々な憶測がありますが、大きな要因として、現在の韓国の経済的なヤバみがあります。
令和4年5月11日現在のドルウォンも1,280ウォンにタッチしそうな状態が続いています。日本の円安とは意味も規模も違います。
コロナ対策も世界的に減りつつある頃に中国と同じく大きく被害が出ていたりと、国民の閉塞感も続いているようです。
そんな中の日韓友好してきましょ!っていう外交。
あー、一応ここで言っておくと、韓国批判するために書いた記事ではないです。岸田政権がどのような舵取りをするのかを見ている上で、韓国への対応は、外交を見る上で指標になり得るからで、国益に対する意識を垣間見れます。ゆえにです。
で、本題。
通貨スワップとは
そもそもの通貨スワップについて簡単に説明。
スワップとは交換って意味です。
協定が結ばれた国の中央銀行同士が、お金で解決できそうな困ったことがあった時に、予め決められたレートと上限の中で、お互いの通貨を交換し合うことです。
とはいえ、あくまでも通貨を安定させる一時的な措置として。
お金を貸したりあげたりというわけではありません。
なぜわざわざそんな事を?と思いますが、こういうことです。
日本円は、どの国でも使うことが出来る感覚があるからわかりにくいですが、ウォンは通貨としての信用がないので、一度ドルに交換してからじゃないと、他国から物が買えないのです。なので、一度円と交換して貰って、それを使ってドルに替えたり貿易したりするわけですね。
ただし、交換したわけだから、日本には価値が下がり続けるかもしれないウォンを何兆円分も持つことになります。
なので、ある程度落ち着いたら、改めて円と交換して貰わないとですよね。
返して貰えないなんてありえない話です。
現在は、日韓関係の悪化から信用がなくなったため、2015年から日韓通貨スワップはやっていません。
あと、調べても出てこないんだけど、それまでにスワップした700億ドル分は返ってきてんのかな?
ちな700億ドルに引き上げたのは、かの野田政権の時代です。
なぜ通貨スワップなんかするのか?
日本に全くメリットの無い日韓通貨スワップ協定ですが、なんでそんなことをするのでしょう?
それは、韓国にも日本の企業は進出してるし、在韓邦人もいる。
韓国がボロボロになると、韓国に関わっている人たちが困るからです。
1997年のアジア通貨危機の時、焼け野原になった韓国のインフラや重要施設なんかも中国を中心に他国に買われてしまうという散々な状況になりました。ほっとくとそのまま中国のひとつの省になりかねません。
安全保障上にも韓国が倒れるのは、日本にとってよろしくないんですよね。
なので、いかに関係が悪化したとしても、それなりに生かしておく必要はあるわけです。
財閥を中心ではあるけども、韓国も十分先進国並みの経済状況になっていたのですが、ここ最近はとても不安定な状況にあります。
そんな中の用日外交がまさに今です。
岸田政権はどのような対応をするのかを注視する必要があります。
少なくとも増税に継ぐ増税で苦しむ国民を後目に、スワップ再開しますみたいなことになったら、ちとよろしくない世論になりかねません。
時期的に怖いのは選挙後なんですけどね。
ってなわけで、簡単にざっくりでしたが日韓スワップ協定についてでした。
歴史的な背景はwikipediaにもあるので興味のある方は是非。
それでは、また。
ありがとうございます! 支援はすべて本に変わりまする。