「カンパ」
2023年 8月
手術し、退院して、一ヶ月半。ようやくカラダもココロも元気な時の状態に戻りつつある。ちょっと前からお酒も呑めるようになったし…。
このところは、新作『Pascals〜しあわせ のようなもの〜』の各地のミニシアター上映への巡業、仲間達と取り組んできた自主企画の上映、次回作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』のロケ、と駆けずりまわっている日々だけど、今一番時間をかけているのは、この春から始めた次回作のための応援、支援活動かもしれない。
カンパを募るお願い状や応援してくれた一人ひとりへのお礼状などを、事務所にこもって書く地道な作業だ。映画創りに必要な製作資金を何とかしなければ、と始めた活動だ。
1983年にクランクインして、1995年に完成させた自主製作映画処女作『奈緒ちゃん』以来、41年間の間に二十数本の映画を、自主製作・自主上映のスタイルで創り続けてこれたのは、ほとんど奇跡的なことだったと、今更ながら思う。けれども、この三年間以上にわたるコロナ禍は、我が自主製作・自主上映の活動に致命的なダメージだった…。
で、迷った挙げ句、次回作『大好き』製作のためカンパを募ることに決めたのだ。呼びかけを始めたのが、今年の3月末、およそ四ヶ月の間に95人の方々がカンパに応じてくれた。友人の一人が「“損得”じゃなくて、オマエの“人徳”だよ」と言ってくれた。そんなに人徳があるとも思えないけど。
でも、カンパ要請をして、それに応えてもらったということは、「約束」をした、ということだから大変なことだ。仕事が遅い私にとっては、必要な「約束」でもあるのだけど…。
カンパをしていただいた方々に、金額に応じてお礼のようなオプションを用意してあり、自作のDVDやパンフレット等を贈らせてもらっている。中でも私が一番期待感を持って申し込みを待っているのは、カンパをすることで完成した作品を上映する権利を持てる、というコース。10万円以上支援してくれた方への約束だ。今、現在8人の方々が手を挙げてくれている。
まだ完成していないにもかかわらず、私の作品への期待感で完成したら上映すると決めてくれているのだから、本当にありがたい。もちろん金額の多少にかかわらず、すべての支援者が同じ様に、まだ見ぬ作品への期待感でカンパしてくれているのだから、これ以上のスポンサーはいない。
来年の今頃は支援してくれた方々に完成した映画を観てもらい、カンパして良かった…という思いになってもらわなきゃ…。
まだまだ撮影は続き、撮り始めてから42年の歳月をかけた50年間に及ぶヒューマンドキュメンタリーが多くの方々の力で完成に向かっている。
次回作の映画創りは、製作スタッフだけでなく、カンパの要請に応えてくれている一人ひとりを含めた総力戦だ。
力を貸してほしい…。
『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』を自分の映画だ、と思って応援してもらえたら嬉しい。「私の映画だ!」と思う人が多ければ多いほど、映画は強くなるのだから。
映画『大好き』を、今から好きになってほしい。大好きになってほしい。
(カントク・伊勢真一)
次回作 奈緒ちゃんシリーズ第5弾!
映画『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』製作上映支援ご協力のお願い
いせフィルムでは現在、次回作『大好き』の製作上映へのご支援ご協力を募っております。映画の製作と上映活動を支えるために、どうかご支援をお願いいたします。映画会にお越しいただくことのほか、いせフィルムのオンラインショップからもご支援にご協力いただけますので、ご利用いただければ幸いです。
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映画『Pascals』全国各地で上映中!
〈広島〉横川シネマ 8/4(金)まで!
〈兵庫〉元町映画館 8/5(土)~11(金)
〈滋賀〉甲賀市信楽町「玉崎家の庭」(自主上映会) 8/5(土)
【今週末!】8/6日 [ ごちゃまぜ映画会 vol.8 ]
本郷台あーすぷらざ
8月6日、広島被曝の日に、戦争の記憶を描いた三本のドキュメンタリーを観て、
三人のカントクと語り合おう・・・忘れてはならない、「むかし」は「いま」だから。(かんとく・伊勢真一)
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