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恋愛未経験の30代アセクシュアルの婚活⑤仮交際スタート

※個人を特定できないように表現しています。性的な指向、内容にも触れますので苦手な方はご注意ください。

 仮交際が決まった3人のうち1人は初回の下ネタ発言で終了となってしまい、早々に以下の2人になった。

  • 3人目 インタビュアー度:小
    友達の優しいお兄さんと会話する時の雰囲気に近かった。同じくらい質問し合い、自然と深い話ができた。仮交際に進む。

  • 7人目 インタビュアー度:小
    友達の友達くらいの距離感で、無難に同世代らしい会話ができた。仮交際に進む。

 どちらも優しい雰囲気で、女性慣れはしていなさそうだがその分丁寧な人だった。ギラギラした性的な視線を感じず、安心感がある点がよかった。女性として見られないことを望むなんて不思議な要望だと改めて思うが、どのように関係性を深めればいいのか悩ましい。

初対面時の印象

3人目 "友達の優しいお兄さん"

 年収や身長、学歴などすべてが自分より上回っている、いわゆる「3高」の人だ。ぽっちゃり気味だが顔立ちも平均以上で、どうしてこんなハイスペが私に申し込みを? と思ったが、会ってみるとかなりシャイな印象だった。写真ではきちんとした身なりだったが実際は髪の毛がボサっとしており疲れた様子で、プロフィールと違う雰囲気に少しテンションが下がってしまった。しかし仕事の話などをするうちに謙虚で知的な人柄が伝わってきて、シンプルに「この人いい人だな」という思いが湧いてきた。くたくたなのは仕事疲れによるものだとわかり、目線の近さを感じたため交際に進むことを決めた。

7人目 "友達の友達さん"

 さわやかなルックスの男性で、髪の毛も整っておりそれだけで好印象だった。婚活は他者との比較競争なので、会う順番も結構重要になりそうだ。
 社会人が初対面で行うアイスブレイク的な話題を一通りやって会話を繋ぎ、無難に1時間を過ごした。気が合うとまではいかないが、欠点らしい欠点がないというだけで貴重な人に思えた。「僕はそんなつもりはないがなぜか頼られる」といったような、謙遜の中に確実に自己顕示欲を含ませるエピソードを何度も口にしており、その時は「しごでき」なんだなと特に気にしなかったが、後にこの違和感がより大きく顕現することになる。

初デート

3人目 "友達の優しいお兄さん"

 初デートはまだお互いに慣れていないので短めが鉄則だと聞き、夜ご飯を軽く食べることにした。私は箸の持ち方が気になるタイプなので、マチアプ時代から初回は和食系レストランを提案することにしている。肝心の持ち方はというと、ギリギリ間違ってはいないがベストではないという微妙なラインだった。箸ごときを気にするなと言われるかもしれないが、実家がそのあたりに厳格なので顔合わせで確実に突っ込まれることになるのだ。これは今後も悩む課題となる。
 話の内容はお見合いの延長といったところで、無難に仕事や趣味の話をした。その後しばらく予定が合わずLINEでのやり取りに移行したのだが、お兄さんはチャットの方が饒舌な人だったので、会えない期間でだいぶ仲良くなれた。私への好意もストレートに示してくれるし、ネット弁慶というやつだろうか。次回は外出の約束をし、毎日やりとりを続けていった。

7人目 "友達の友達さん"

 初回の鉄則に倣い、2時間ほどカフェデートをした。個人経営系の人気店だったので行列ができており、並んでいる時間はやや気まずかった。他はカップルや友人同士でワイワイしているのに、自分たちだけ敬語かつ不自然な距離感で浮いていた。他人との距離が近すぎる場所は婚活には適していないかもしれない。私もカフェでマチアプ初対面らしきカップルを見かけるとつい注目してしまうし、リラックスしていない2人の空気感ってなぜか目立つのだ。
 話題といえば社会人らしくやはり仕事のことになるわけだが、初回デートに続き、端々に絶妙な自慢を挟み込んできた。「その気はないのに他人から頼りにされて結果的にいい結果を出しまくってしまう」というような、ストレートではないが変化球系のアピールがどうも気になってしまった。さわやかなやれやれ系という感じだろうか。後輩と同世代に間違われた話を挙げ、自分のルックスを実年齢よりも若いと信じている様子にも少し引いてしまった(確かに清潔感はあったが、普通に年相応の肌だった)。
 仕事以外の話題も「ちいかわ面白いですよね〜」「AIの時代ですよね〜」といったパーソナル感ゼロの話題しか出てこず、浅瀬で立ち尽くしていた。これこそまさに相性の不一致なのだろうが、向こうも同様の感想だったと思う。
 "友達の友達さん"は、"友達のお兄さん"よりも年齢が上だったこともあり、相対的に"友達のお兄さん"の方が精神的にしっかりしているように感じられ、好感度が上がった。相対的だったとしても、一度でも「ない」ゾーンに入った人との結婚はありえないと思い、"友達の友達さん"との交際は終了することを決めた。

マッチングアプリの再開

 仮交際が1人になってしまったためお見合いを再開せねばならず、気後れした私は婚活系のマチアプをもう一度入れてしまった。お見合いを重ねて分かったが、やはりコミュ力の点でいうとマッチングアプリの方が優れている人が多い。
 結論から言うと、憂さ晴らし的に再開したマチアプでかなりいい人と出会ってしまった。最低条件はクリアしていて話も合うし、ルックスも好みでコミュ力もある。しかしその人と一緒になるには引越しが必須になるため、転職という別の課題が出てきてしまう。この件は出会い方の問題的に仲人さんには相談できないし、想定外の課題だ。
 恋愛慣れしていない人間にとって、付き合う前とはいえ複数人と交際するのはかなりハードだ。両方とのデートがこれから控えているが、気持ちがどう変化するかわからない。
 根本的な性的指向の話題になる前に環境がどんどん変化するので落ち着かないが、引き続きお見合いも続けていこうと思う。

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