ClariS『淋しい熱帯魚』MV元ネタまとめ
みなさんお元気ですか。Twitterで細々とClariSオタクをやっています、伊勢と申します。先日のライブお疲れ様でした。
ClariSが最近、Winkの『淋しい熱帯魚』をカバーしましたね。曲の良さもさることながら、面白いのはそのMVですよね。沢山のオマージュと遊びココロたっぷりのMVになっていて、とても満足しています。ClariSのMVって結構シンプルなものが多いため、ここまで凝ったMVは初めてだと思います。(『Gravity』『clever』『again』のMVは忘れましょう)
再生回数も伸びていて、とても満足するばかりです。(後方彼氏面)
でもこういうものを見てしまったら、元ネタを調べてみたくなってしまうのがオタクの習性(サガ)です。というわけで今回は『淋しい熱帯魚』MVの元ネタを自分が出来る限り調べてみました。MVの冒頭から順にまとめていきます。お付き合いください。
以下補足
引用を表記していない画像はすべて、ClariS『淋しい熱帯魚』MVからの引用です。
「ザ・ベストテン」のランキングの情報に関しては、山田修爾著「ザ・ベストテン」(新潮文庫、 2011/12/24)を参考にしています。
全体的に情報が少ないため、ところどころWikipediaの内容を参考にしてしまっています。ご容赦ください。
あくまで推察であるため、有識者求めます。不備・誤字・意見等ありましたらコメントください。
『淋しい熱帯魚』→同名のWinkの楽曲
Wikipediaに丸投げします。
袴ClariS→南野陽子『はいからさんが通る』
※動画はYoutubeより引用。
振付、衣装、イントロから南野陽子の『はいからさんが通る』という曲のオマージュで間違いないかと。
『はいからさんが通る』は南野陽子が主演を務める映画の主題歌。同名の漫画の実写映画である。
なぜこの曲が最初に入っているのかは後述。
テレビ番組風の演出→TBS「ザ・ベストテン」
MVのテレビ番組風の演出はすべて、TBSにて1978年から1989年まで放送されていたテレビ番組「ザ・ベストテン」のオマージュ。毎週、人気曲ランキング上位10曲を発表し、歌手が生歌を披露していた。
ちなみに、『淋しい熱帯魚』が「ザ・ベストテン」のランキングに登場したのは第593回(1989年7月20日)~第603回(1989年9月28日)の全10回。603回は同番組の最終回でもあった。
司会の二人→「ザ・ベストテン」司会の久米宏と黒柳徹子
番組の名物司会であった二人。軽快なトークで番組を盛り上げた。(MVの女性の方は、黒柳徹子というよりは剛力彩芽に似てると思うのは自分だけでしょうか)
(以下2023.7.9追記)『はいからさんが通る』のMVから、お二人の名前が「米宏」と「白柳道子」だと判明。もろ直球のパロディですね。
ファンクラブコンテンツ内での情報から、白柳道子役は翔野葵さんだと推測しました。フェイスラインがそっくりかと。
米弘役の方は、ごめんなさい見つけられていません。有識者求。
ちなみに余談ではあるが、Winkが番組に出演していた頃、久米宏はすでに司会を退いでいた。
アナウンサー竹ノ内昌彦→「ザ・ベストテン」の追っかけアナウンサー?
駅のホームにてClariSを待つアナウンサー。「竹ノ内昌彦」という名前を調べても特にヒットせず。オリジナルの名前かもしれない。
強引に関連付けるのであるならば、当時の番組内で追っかけアナウンサーをしていた松宮一彦がモデルなのだろうか。一応、”竹”⇔”松”と共通する”彦”という関連性を感じることはできる。
演じた俳優さんは蒲生純一さん。蒲生さん本人が自身のTwitterで言及なさってました。
今週の第一位→「ザ・ベストテン」内でのランキング発表方法
※当時の参考動画。Youtubeより引用
番組内でのランキング発表方法。
パタパタと板がめくれるボードは”パタパタ式”と俗称で呼ばれるもの。正式名称は反転フラップ式案内表示機。空港や新幹線の案内板などで使用されている。
「淋しい熱帯魚」と「ClariS」の欄の間に不自然な隙間があるのは、パタパタ式が”く”の字に折れ曲がることを再現していると思われる。
第2位が『はいからさんが通る』→「ザ・ベストテン」第516回のオマージュ?
『淋しい熱帯魚』と『はいからさんが通る』のリリースは1年ずれているため(前者は1989年、後者は1987年末リリース)、同じランキングに入ることはありえない。そのため、『はいからさんが通る』は何かしらの意図を持ってMV内で使われていると考えるべきである。
理由としては2つ考えられる。1つ目は、ClariSが今後カバーするかもしれないからだ。上記の画像において、『はいからさんが通る』のクレジットもClariSになっていることが薄っすらと読み取れる。故に、ClariSが今後カバーする布石として2位に置かれているとも考えられる。
↓
後に、『はいからさんが通る』のカバーがしっかり公開されました。
素晴らしいMVです。こちらの方は小ネタは少なく、純粋にClariSのパフォーマンスを楽しめるものとなっています。みんな必見だよ。(2023.7.9追記)
2つ目は、「ザ・ベストテン」第516回のオマージュ……かもしれない説だ。『はいからさんが通る』は第516回(1988年1月28日放送)にて初めて2位を獲得している。これを踏まえてMV内で2位に置いたのかもしれない。また、この回での1位は光GENJIであった。光GENJIはWinkが出場した第40回紅白歌合戦の対戦相手である。この関係性から、「ザ・ベストテン」第516回の1位と2位を疑似的に再現したとも考えられる……?(あまりにも強引なこじつけなのはナイショの話として見逃して欲しい)
(参考:紅白歌合戦ヒストリー 第40回)
MV冒頭でClariSが『はいからさんが通る』のオマージュをしていたのは、MV内の2位と1位の曲順を再現する演出であると思われる。(これは確実)
列車から降りて歌うClariS→新幹線から降りて歌う松田聖子?
※引用はニコニコ動画より。
電車から降りてパフォーマンスを行うClariS。元ネタは1981年に松田聖子が静岡駅にて、新幹線を降りて『チェリーブラッサム』を歌う回だと思われる。新幹線が停車するわずかな時間を縫って歌ったという。「ザ・ベストテン」ではこのような歌唱を多く行っている。
松田聖子のこの回というよりは、新幹線から降りて歌うという「ザ・ベストテン」の名物歌唱形態そのもののオマージュかもしれない。
(参考:駅のホームで、新幹線車内で…今では絶対にできない『ザ・ベストテン』珍場面を振り返る)
白い衣装→Winkの衣装のオマージュ?
※Youtubeより引用『淋しい熱帯魚』のWikipediaの情報から、1989年7月24日放送の「歌のトップテン」にて披露した衣装をオマージュしたものと思われる。
上記の動画はYoutubeで発見し、ClariSの白い衣装に似ていると目をつけていた。放送日が書いてないが、動画の背景から会場が後楽園ゆうえんちであると判断。そこからWikipedia記載の下記の放送日ではないかと推察した。
しかし、確証はないのであくまでも個人的な推察です。
ClariS Spring Radio#1から、MVでは「ザ・ベストテン」と「夜のヒットスタジオ」をオマージュしているとの発言がありました。多分この考察は外れですね。(2023.05.17追記)
ロケ地の駅→常総線の守谷駅
関東鉄道株式会社公式が言及していました。
守谷駅は茨城県にあり、常総線とつくばエクスプレスが乗り入れている。
ちなみに、MVのアングルでは実際の列車の来る向きが逆であるため、完全な再現写真は撮れないとのこと。
(これつまり、MVのために列車を逆向きに走らせてもらったってこと???)なぜ守谷駅なのかは不明。
↓
どうやら、守谷駅の発車メロディーは『アマリリス』らしい。
※Youtubeより引用。
これである。そして、Winkにも同名の曲が存在する。
※Youtubeより引用
もしかしたら、『アマリリス』つながりで守谷駅が選ばれたのかもしれない、、、、、、、、、????(2023.05.21追記)
ClariSが降りた列車→キハ2300系
車体に2306、2305という文字が見えることから、関東鉄道キハ2300系と思われる。
ちなみに、この列車はディーゼル機関で稼働しているため厳密には「気動車」に分類されるという。パンタグラフから電気を貰って動く「電車」とは異なるそう。(気動車という名は一般的な馴染みがないため、この記事では列車で呼称します。)
クララとカレンの立ち位置→Winkの身長差を表現
本来のClariSの立ち位置は私たちから見て左がクララ、右がカレンである。その他多くのイラストでもその場合が多い。しかし、MV内では逆になっている。これはWinkの身長差を再現するためであろう。
左が鈴木早智子、右が相田翔子。
クララの方がカレンより背が高いため、本来の立ち位置を交換することで身長差を表現している。同時に、歌パートもWinkの歌い分けとリンクしている。
黒いドレス→第31回レコード大賞受賞時のWinkの衣装
『淋しい熱帯魚』が大ヒットした1989年にWinkは第31回輝く日本レコード大賞に選ばれた。その時の衣装がClariSの衣装の元ネタと思われる。
黒ドレスの電飾→89年の紅白歌合戦時のWinkの衣装
※Youtubeより引用
MV内だと非常にわかりづらいが、ClariSのドレスのスカート部分には電飾が施されており、いくつかの色に光っていることが確認できる。2023年5月6日・7日に開催されたライブにおいてこの衣装が着用されたが、筆者はその際に電飾を確認できた。
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最近開設されたClariSのオフィシャルTikTokの動画にて、電飾をはっきり確認できる。(2023.7.9追記)
この電飾は89年の紅白歌合戦時のドレスが元ネタと思われる。Winkのこのドレスは電飾のために重さが20㎏あったという。(ClariSのドレスはさすがにそんな重さはないと思いたい……)
(参考:80年代アイドル 伝説のゴージャス衣装 Wink「愛が止まらない」(1988)/Wink「淋しい熱帯魚」(1989)/...他)
瞬間移動するClariS→Winkが同日にレコード大賞と紅白歌合戦に出演したことのオマージュ?
MVの3:06辺り。駅から移動してスタジオらしき場所でClariSがパフォーマンスを行う。
瞬間移動しているのだが、Winkに似たエピソードがある。上記のレコード大賞と紅白歌合戦はどちらも1989年の12月31日であった。そのため、Winkはレコード大賞出演後、会場であった日本武道館から紅白歌合戦の会場であるNHKホールまで移動している。
ClariSの瞬間移動は、このオマージュではないかと思われる。
ステージのセット→「夜のヒットスタジオ」のオマージュ?
※Youtubeより引用
「夜のヒットスタジオ」に登場する階段状のセットと菱形の背景が似ている気がする。しかし、これ!という確証はないため、何か情報持っている人いたらお願いします。(2023.05.21追記)
『はいからさんが通る』MVより、この番組のタイトルが「ザ・ベストヒットスタジオ」であると判明した。(2023.7.9追記)
笑わないClariS→笑わない、しゃべらない、というWinkのイメージ
※Youtubeより引用
MV内のClariSは徹底的に無表情である。これもWinkが当時持っていたイメージを表現するためではないか。Winkは大ヒットした『淋しい熱帯魚』において無表情のパフォーマンスを行ったため、笑わない、しゃべらない、というイメージが根付いた。この表情の部分もClariSは再現している。
Winkが笑わなかった理由は、「緊張のせいで顔がこわばっていた」とのこと。
(参考:鈴木早智子「『淋しい熱帯魚』がWinkのイメージを決定づけた!」
相田翔子、Wink笑わない理由告白「緊張のせい」)
ちなみに、ClariSにも笑わない曲がある。『irony』だ。ライブパフォーマンス時には笑顔を隠したまま行う。『irony』の歌詞に則った演出なのだが、Winkとのつながりを感じざる負えない。(ドールのような動きも、Winkを意識してのことであろうか。)
サビの振付→大魔神ポーズ
「Heart on wave」の歌詞と共に行う特徴的な振り付けは”大魔神ポーズ”と呼ばれるもの。
「大魔神」は昭和41年に大映が制作した特撮映画。劇中に登場する大魔神が、柔和な埴輪の顔から鬼の形相に変化するシーンのポーズ(引用画像上)が、『淋しい熱帯魚』の振付と似ていたため、その名がついた。
誰にでもできるキャッチーな振付として当時話題となった。大魔神ポーズの名付け親はお笑い芸人の山田邦子とのこと。
(参考:ALBUM REAVIEW -第5回 香瑠鼓(かおるこ)-)
アルバムジャケット写真
アルバムジャケット写真ももちろんオマージュしてある。
表情やポーズが完璧。
『淋しい熱帯魚』のロゴ
「淋しい熱帯魚」の文字やアーティスト名の位置まで完全にコピーしている。
以上が、現状自分がわかる範囲での元ネタのまとめです。全体的に細かな部分までオマージュしているため、こじつけレベルの関連性も真面目に考えられてしまうほど丁寧に作り込まれていました。
こんな風に公式が真面目におふざけをして、良いものを創り上げてくれるのはファンとして楽しくて面白いばかりです。もはやおふざけを越えるレベルのオマージュでもあると思います。ClariS側のWinkへの敬意を感じました。
ライブ後から突貫で作ったため、ミスもたくさんあると思います。おそらく加筆修正はこれからも繰り返すと思いますので、不備や誤字等を見つけたらコメントください。
今後のClariSの活動をまた期待しています。ご精読ありがとうございました。
何かの拍子でこのMVが1千万回くらい再生されないかな。
その他小ネタ
上記ではまとめきれなかった小さなネタです。
『はいからさんが通る』で舞うシャボン玉
→多分カレンが吹いたのだろう。(←「ClariS 新章」)
パタパタに登場する『サイレント・イヴ』や『タッチ』
→どちらもClariSがカバーした曲。ファンサービスだと思われる。
ランキングがすべてClariS
→オタク大歓喜
カメラの画角に移り込むマイクマンや照明マン
→これも「ザ・ベストテン」の撮影方法のオマージュ
MV1:44あたりのクララ
→これ笑いをこらえてない?????
「ハロ~ウィ~ン」「はろ~うぇ~」
→「Heart on wave」の空耳。
「ジョーク」
→歌詞に何回も登場するフレーズだが、カレンが5月6日・7日のライブにて「カレンジョーク」を披露した。多分関係性はない。