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ClariS クララとカレンの関係性まとめ(追記版)

(カレン卒業発表を受けて2024年10月23日に大幅な追記をしました。この文章の初稿は2023年8月のものとなっております。)


みなさんこんばんは。伊勢です。最近はもっぱら『Blue Canvas』を聴きまくっています。
今回はClariSの各種インタビュー内容から見える、クララとカレンの関係性の変化についてまとめようと思います。

アニコネもお疲れ様でした

なぜなら、紆余曲折あって現在の関係性が生まれていることが意外に知られてないと思っているからです(当社調べ)。とっても仲の良いクララとカレンですが、その過程も含めるとより関係性の奥行きが生まれます。

とどのつまり、クララとカレンの関係性はいいぞ、と主張する布教記事になります。

また、純粋さ・綺麗さが形を成した偶像とみなされがちなClariSですが、インタビューの端から読み取れる人間らしさにも私は惹かれてしまっているのです。そういった部分も、完全な自己満足ついでにみなさんに布教出来たらと思ってます。

以下本記事の補足事項です

  • クララとカレンの発言の引用は「リスアニ!」などの各種インタビュー内容からです。出典も記載しています。

  • 関係性は時系列順にまとめています。

  • 抜けている内容、追記すべき内容がありましたらコメント等ください。


では本文に入ります。

クララ、ランタイム音楽スクールに通う

  • 5歳のときにオーディションを受ける(クラリスアニ!P12)

  • 小学三年生のときにYUIのライブに行って歌手を志す(同)

  • カレンと出会ったのは小学2年生のころ(同P13 )

    • 当時のカレンは人見知り?(同カレン談)

カレン
一言で言うと野生児」「野生児だったんですけど、そのぶんあまり人と話すことがなくて。周りが自然だらけだったので、たくさんの人の輪に入るのは苦手な性格でした。それがお母さんに進められて今の事務所のスクールに入ったきっかけでもあるんですよ。」

クラリスアニ! P21

クララ
「はい。性格は正反対なんですけど、話してみたら意外と感覚が合って、お互いに理解できる部分が多くて、そこからは一気に心の距離が縮まっていったんです。それほど時間もかからず、ものすごく仲良くなったなと思います。」

クラリスアニ! P13

カレン
「最初に出会ったのはスクールのときなんですけど、私は歌が苦手だったけど、違うクラスにいたクララはすごく歌が上手だったんです。発表会でも歌が上手くて堂々としていて「すごいなぁ」って思っていたんですけど、ステージを降りると自分をあまり表現しない子で。歌が上手い、けど、クララってどんな子かわからないという記憶があります。

クラリスアニ! P21

カレン
「はい。私も(クララに)上手く話しかけられなくて。でも何かきっかけが欲しいじゃないですか。それで、私は毎日飴を持ち歩いていたので、飴をあげに行って。言葉だけ聞くとまるで餌付けみたいな感じですけど(笑)。

同上
  • 小学校時代、カレンとバンドを組む(ClariS Spring LIVE 2023 ~Neo Sparkle~ MC内の発言から)


ClariSの始動

  • 中学一年生、クララとアリスが「歌ってみた」を始める

  • アリス☆クララとしてデビュー

  • ClariSとしてデビュー

  • カレン、『irony』を耳にする

カレン
「ある日、音楽番組を観ていたら、「irony」が流れて、これを現役中学生が歌っているんだと知って、まだ自分の夢がはっきりしてない頃だったから、すごく刺激されたんです。同年代でも夢を叶えている人がいると思うと、私も自分自身とちゃんと向き合わなきゃって。

リスアニ!Vol.21 P196
  • カレン、「始まりの予感」でバックダンサーとして参加する(テレビ番組「ClariS 新章」より)

  • アリス卒業

  • カレン、クララの練習に付き合う


新生ClariS誕生

クララ
「カレンと一緒でなければ生まれないようなClariSの姿を皆さんにお伝えしていきたいです。私たちの曲を聴いて「頑張ろう」と思ったり、切ない曲では一緒に共感していただいたり、聴いてくださる皆さんの心に寄り添えるような歌を歌っていきたいですね。これまでアリスと一緒に積み上げてきたClariSの魅力はそのままに、カレンとしか生み出せない新しい魅力も積み上げていきたいです。

リスアニ!Vol.19 P194

カレン
「最初は嬉しさや、楽しさの反面、経験したことがないことに足を踏み出すことへの不安もありました。でも、自分が一番信頼しているクララとだったから、怖さというものは全然なかったです。ClariSでの活動を始めてみて、ファンの皆さんがとても温かく迎えてくださったことは、今でもとて
も感謝しているんですけど、ネガティブな意見もあって。それは当たり前だと思うんです。でもそんなネガティブな意見に気持ちが引っ張られてしまったこともありましたけど、ファンの皆さんの応援やクララがいつも隣にいてくれたことで、すごく励まされました。こう見えて私、クララよりメンタルが弱くてガラスのハートなんですよ(笑)。」

クラリスアニ! P21

カレン
「卒業したアリスちゃんの”太陽”は、自分から強く光り輝いてみんなを照らすイメージだったと思うんです。私は、まだその星は小さくても、強く輝ける光になりたいと思っていて。それに月と星は同じ夜空で輝いているので、クララちゃんと一緒に輝けるような、そんな存在になりたいと思っています。」

リスアニ!Vol.19 P196

カレン
「クララちゃんは先輩として、私ができない部分をすごく優しく教えてくれました。それがすごく心強かったし、うれしかったんです。そしてレコーディング当日、クララちゃんが「初めてのレコーディングだから」と言って、私の大好きな猫のピンキーリングをプレゼントしてくれたんです!しかもその猫の顔が、私の誕生石になっていて……。クララちゃんのその優しさに、言葉にならないくらい感動しました。」

クララ
「お店でピンキーリングを見つけたとき、「これはカレンだ!」と思ったんです。やっぱり初めてのレコーディングは特別なものですし、すごく緊張もしていると思ったので、何か力になれればと思って。

リスアニ!Vol.19 P196-197

※この時カレンはクララを「クララちゃん」と呼び、まだ敬語であった


クララ、学業との両立に苦悩

そして2016年3月に行われた初のZeppツアー ”ClariS 1st Tour~夢の1ページ…~”が終わったときに、それは起こった。 クララがツアーやそのリハーサルの中でたびたび足を負傷。そのためカレンやスタッフに迷惑をかけてしまっているという自責の念と、学業と音楽活動の両立の難しさに深く思い悩み、前に進めなくなるほど酷く精神的に弱ってしまったのだという。そんな彼女を救ったのは、やはりカレンだった。 初めて 「弱い自分」をさらけ出しながら素直に気持ちを打ち明けてくれたクララを、カレンは励ましながら支えていく。カレンはすべてが完璧だと思っていたクララの弱い部分に触れ、「本当のクララ"に出会えた」と語っていた。
(クラリスアニ! P139 冨田明宏氏の発言より)


クララ
「今だからこそ言えることなのですが、 実は何度か足を怪我して、そのことでスタッフの皆さんにご迷惑をおかけしてしまったことがあったんです。 しかも私って不器用だから、学業と音楽活動を両立させることの難しさに、だんだんと悩み始めていて。 ClariS と学業を両立させることを決めたのは私なのに、 両方がうまくやれなくて、怪我のこともあり気持ち的にかなり弱ってしまった時期だったんです。 でも自分ひとりで悩むのではなくて、パートナーであるカレンにもちゃんと話さなきゃと思って、そのときの自分の素直な気持ちを打ち明けました。
そうしたらカレンが、 パシフィコ横浜公演の前に私に手紙をくれたんです。 それがすごく前向きな内容で、救われたような気持ちになりました。 あの時期の私は、カレンにたくさん甘えちゃっていて……。」

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より

カレン
「ほんと、たくさん甘えられてたなー(笑)。私の中で、 それまでのクララって本当に完璧だったんです。 すごく歌もうまいし、 頑張り屋さんだし、私のことを守ってくれるし、 そして何より、私をClariSに誘って人生を変えてくれた人で。そんなクララが弱い部分を打ち明けてくれたことで、 “本当のクララ”と出会えたような気がしました。 心を開いてくれたことがすごくうれしかったんです。最初はどうしても遠慮がちになっていましたけど、クララから歩み寄って来てくれたことが今のふたりの関係に繋がっていると思います。

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より

クララ
私からしたら、 ClariSを救ってくれたのはカレンなんだけどね。 最初のパシフィコ横浜公演が終わったとき、カレンが私に「ほら、楽しかったでしょ?」って聞いてきたんです。 そのひと言が決定打で、私の中で悩んでいたことが完全に吹き飛びました。 だって、 本当に楽しかったから!

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より

カレン
「ちょっとふざけて聞いたほうがクララも答えやすいかな?と思って(笑)。 クララが私に甘えてくれたり頼ってくれたことで、私もクララと同じように ClariSを引っ張っていかなきゃって、より強く思えたことが大きかったんだと思う。」

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より


パシ横公演を経て相棒に


そんな状況のなか迎えた同年9月 "ClariS 1stHALL CONCERT in パシフィコ横浜国立大ホール~星に願いを・・・月に祈りを...~”の前に、カレンはクララにある手紙を渡す。その内容の前向きさに心打たれたクララは、カレンと手を携え初のホールコンサートを成功させたのだった。この出来事がきっかけで、 二人はより強固な信頼関係で結ばれ、どんな困難にも二人で打ち勝ちながら前に進み続け、現在に至るのである。
(クラリスアニ! P139 冨田明宏氏の発言より)

カレン 「ちなみに、 はじめの頃はClariS ではクララが先輩だから、私は敬   語だったんです。」
クララ 「そうだ、たしかに敬語だった! (一同笑)」
カレン 「あはははは(笑)。」
クララ 「いつから敬語じゃなくなったんだっけ…?」
カレン 「カレンは覚えてるよ。 初めてのパシフィコ横浜公演 (2016年9月) の前、クララがクララ自身のことを私に相談してくれたことがきっかけだったから。 最初は 「ふたりでツアーの打ち上げしない?」と誘われてご飯を食べに行ったんだけと、 そこでまさに、 さっきの「武道館はゴールか、ゴールじゃないか」みたいな話とか、 クララがずっと思っていた今後のことを聞かせてもらって。それからふたりでたくさん ClariSの未来について話すようになって、 気づいたら自然と敬語じゃなくなってた(笑)。」
クララ 「私はずっと「敬語なんて使わなくていいから!」 と言っていたんだけどね。」
カレン 「今はいい意味で遠慮がなくなった。 よね?」
クララ 「まったく遠慮しなくなったね(笑)。」
カレン 「“いい意味で”ね!」
クララ 「はいはい (笑)。」

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より


武道館ライブと対等なパートナー

カレン
「クララの夢が 「武道館に立ちたい」っていうことは昔から聞いていて、 だから最初は 「そんなクララを武道館に立たせてあげたい!」という気持ちだったんです。 でもふたりで未来を語り合ううちに「立たせてあげたいじゃなくて、私はクララと同じ気持ちで武道館に立ちたい!」 という意識にどんどん変わっていって。 私にとっては、すごく大きな出来事だったと思っています。」

クララ
「そうだね。 結果的に、 私の弱い部分がカレンとの仲をさらに深めてくれたから。

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より

カレン
「やっぱり、私もどこかで以前のClariSを引きずっていた部分があったと思うので。元々クララとアリスが作っていた形を崩しちゃいけないという想いが自分の中にあったんですけど、今回アリスとも一緒に歌ったことで、クララと新しい形でClariSを作っていけたらいいなって思いました。

リスアニ!Vol.29 P54

クララの責任とカレンの答え

クララ
「カレンは……私の人生に必要不可欠な人です。こうしてカレンが加入するというのは、デビューしたときは想像もしていなかったですし、加入したときもカレンのことは好きで、”この子とだったら”という想いはあったんですけど、じゃあその先どうなるかというのはわからなかったですし……。でも、私がClariSに加入してほしいとカレンにお願いしたことは、責任を感じていたんですよ。カレンが加入して再始動しても、うまくいかなかったらどうしようというのもありましたし、この歳で音楽の世界で活動していくのって、普通はあまりないことですし、特殊な世界ではあると思うので、そういうところに私の一方的な想いで加入してもらったという責任はずっと感じていたので……。ClariSとして一緒に何かを成し遂げて、いい思い出を作ってあげられたらいいなと思っていたんですけど、気づいたら逆にカレンに引っ張ってもらっていたというか。カレンのおかげで苦手だったダンスも好きになれて、パフォーマンスすることも楽しくなりました。」

クラリスアニ! P13-14

上記に対するカレンのアンサー
全然ないです。「ありがとう」 が感謝の最上限の言葉だとしたら、それ以上の感情は絶対にもってます。今まで当たり前に感じていたことも、 ClariSに入って1つ1つ感謝できるようになりましたし、「ありがとう」っていう気持ちが大事だなって気づけるようになったし、その気持ちを伝えたいと思うようになりました。 今が最高に幸せです。

クラリスアニ! P22

以上が現在までのクララとカレンの関係性のまとめである。

あとがき(本題)

さて、今回この記事を書いたのには理由がある。下記の内容を書きたかったためである。関係性をまとめたのはそれの副産物に過ぎない。

気弱そうなカレンが逆に新鮮である

カレンのこの発言に対してである。

ファンとしてCDを集めていたんです。すごくかわいい曲やイラストに、女の子として憧れていました。」
「ある日、音楽番組を観ていたら、「irony」が流れて、これを現役中学生が歌っているんだと知って、まだ自分の夢がはっきりしてない頃だったから、すごく刺激されたんです。同年代でも夢を叶えている人がいると思うと、私も自分自身とちゃんと向き合わなきゃって。

上:リスアニ!Vol.19 P195
下:リスアニ!Vol.21 P196

この発言は新生ClariS開始直後の「リスアニ!Vol.19」と「Vol.21」でのものだ。ファンとして追っていた音楽ユニットに自分が入る。そしてそのメンバーは、実は同じ音楽スクールの友人。
この発言を目にしたとき、私は出来すぎな話だと正直思っていた。

しかし、テレビ番組「ClariS 新章」にて私のこの考えはひっくり返った。カレンが”ClariS presents 「2014 New Year's Festival 〜始まりの予感…〜」”にてバックダンサーをしていたという情報だ。当時初の情報であった。「始まりの予感」は2014年年初のイベントで、クララアリス時代唯一のイベントであった。

加えて、カレンがClariS加入以前に、プライベートのクララではなく「ClariSのクララ」との関係があったことが示唆されたのも初めての情報であった。

それまでの認識としては、プライベートのクララとカレンは交流があったが、ClariSのクララと当時ClariSではないカレンは関りがないと考えていた。カレンはClariSのクララの正体が同じ音楽スクールの彼女だと知らないものだと。そしてアリス卒業以降、カレンがクララの練習に関わる際にその正体を知ったのだと。

しかし、実際としてはカレンはその事実を知っていた。それを踏まえると先の発言の意味合いは大きく変わってくる。

「同年代でも夢を叶えている人がいると思うと、私も自分自身とちゃんと向き合わなきゃって。」

同上

これは歌手になる夢を叶えたクララへの羨望であったのではないか。

そしてクララと比較して自分の夢がはっきりとしていないカレン自身への自戒が込められているのではないか。

テレビにて『irony』を聴いた時(もしくはClariSの存在を知る中で)、カレンはその声の持ち主が同じ音楽スクールの友人だと気づいたのだろう。同年代の彼女が夢を叶え、アニソン歌手としての階段を駆け上がる姿を見て、カレンはひとしおではない想いを抱いたはずだ。

それが先の「ファンとしてCDを集めていた」につながるし、「憧れ」という言葉もより深い意味が入るはずだ。

加えて、カレンがクララへの強い羨望を抱いていたとみなすと、

カレン 「ほんと、たくさん甘えられてたなー(笑)。私の中で、 それまでのクララって本当に完璧だったんです。 すごく歌もうまいし、 頑張り屋さんだし、私のことを守ってくれるし、 そして何より、私をClariSに誘って人生を変えてくれた人で。」

舞浜ホールコンサート パンフレット『HALO』より

この発言の辻褄が合うと思う。

冷静に考えて見て欲しい。我々が知るあのクララが完璧なわけはない。
MCで噛みまくるし、話す内容は忘れるし、朝にも弱い。完璧には程遠い。

だが憧れの先輩としてClariSを引っ張る姿は、カレンにとっては大きな背中として映ったであろう。

羨望の感情がカレンの中で理想のクララ像を創り上げてしまっていたのではないか。そしてクララもそのペルソナを背負い、無理をしてしまった。

その結果が、音楽活動と学業の両立へのクララの苦悩の一因になってしまったのではと私は解釈している。

しかし、その完璧性はクララがカレンに自身の「弱さ」を晒したことで崩れた。クララだけがClariSを引っ張るのではなく、クララとカレンのふたりによってClariSは前に進むこととなった。

このエピソードは非常に尊いものだ。ここでの尊いはいわゆるオタク的な意味ではない。

不相応のペルソナを被ってしまった一人の女性は、弱さをさらけ出すことでそのペルソナから解放されて素顔のままで逢うことができた。
憧れの相手から伸ばされる手を恋焦がれるように取るだけであった一人の女性は、対等になるために自ら彼女に手を伸ばした。

クララとカレンの人間性の発露が何よりも美しく、尊重すべきものだと考えて、敢えて「尊い」という言葉を使わせて頂く。



そして、ここからは私自身のカレンに対する解釈を述べさせていただく。私の中でのカレン像であるため、解釈違い等苦手な方はブラウザバックして頂きたい。

私はClariSに関しては箱推しのスタンスを貫いているが、クララとカレンのどっちが好き?と問われたら間違いなくカレンを選ぶ。理由は、彼女が天真爛漫な明るさの中に自身の弱さを隠している人間だからである。

彼女が輝く星のような人間であることは私たちファンの間では疑いようがない。ドジっ子なクララをいじりつつ、さらっと自身は何でもこなす。「カレンだから!」なんて名言もある。

明るく、常に笑顔。
天真爛漫さでクララを救い、ファンを楽しませてきた。

しかし、しかし、再掲になるが以下のインタビュー内容をもう一度読んで欲しい。

カレン
「最初は嬉しさや、楽しさの反面、経験したことがないことに足を踏み出すことへの不安もありました。でも、自分が一番信頼しているクララとだったから、怖さというものは全然なかったです。ClariSでの活動を始めてみて、ファンの皆さんがとても温かく迎えてくださったことは、今でもとても感謝しているんですけど、ネガティブな意見もあって。それは当たり前だと思うんです。でもそんなネガティブな意見に気持ちが引っ張られてしまったこともありましたけど、ファンの皆さんの応援やクララがいつも隣にいてくれたことで、すごく励まされました。こう見えて私、クララよりメンタルが弱くてガラスのハートなんですよ(笑)。」

クラリスアニ! P21

その明るさの裏には大きな陰が潜んでいるのではないか。さらに、以下の内容も読んで欲しい。

カレン
自分に自信がもてるまでやらないと不安になっちゃうタイプで、ちょっとでも不安要素が残るとそれが出ちゃうんです。悪い癖なので治したいのですけど……。」

同上

なんて健気な人間なのだろう。加えて、彼女の座右の銘は「目標は高く現実は確実に」である。明るさの裏で、堅実に確実に成長を望むストイックさが感じ取れる。

おそらく、メンタルの強さ的にはクララの方が圧倒的に強い。なぜなら自身の弱さをさらけ出すという行為そのものに、芯のある心が必要だからだ。

カレンにとって、アリスから引き継いだそのポジションには多くの絶望と苦悩が迫っていたはずである。その辛さを我々に露も見せずに、輝く笑顔で上書きしていた。

クララは弱さを表すことで周囲から愛される魅力を生み、カレンは強さを押し出すことで輝く魅力を生んでいる。

このような真反対さもClariSの魅力であろう。

ClariSの透き通った歌声の中にある仄かな陰は、カレンのこういった面から現れているのかもしれない。

だが、彼女の強みが反転した弱みは私にとっては大きな人間的な魅力に映っている。だからこそ私はClariSの彼女だけではなく、この世に実在する一人の人間としての彼女をもひっくるめて応援したいと思っているのだ。

故に彼女には無理をしてほしくないし、クララやスタッフの方を精一杯頼ってほしい。先日(2023年8月2日)開催された「Anime Connect!!~World~」にて、彼女は暑いステージの上で汗だくになってパフォーマンスをしていた。クララとカレンの顔がカメラによってバックスクリーンに大きく映し出されるスタイルのライブであったため、その姿がより鮮明に見えてしまった。その姿を観て、私は非常に心苦しかった。無理をしないでほしい、苦しかったらパフォーマンスをいつでも辞めていいと思っていた。

それでも笑顔を絶やさない彼女により胸が苦しくなってしまった。
楽しいライブの中、ひとりで自分のバカさ加減を味わっていた。

クララとカレンから沢山のものを貰いすぎているファンとして、ふたりの人生が尊いものになることを祈るばかりである。








なんて御託を沢山述べたが、今回の内容はあくまで一人のファンから見るカレン像である。もしかしたら、カレンという仮面を被っていない一人の女性は全然違う姿かもしれない。あくまで、私の解釈です。
長々とこんな与太文章にお付き合いいただきありがとうございました。





【追記・カレンの卒業】

ここから先は2024年10月23日に追記したものになります。

上記の文章でクララとカレンの関係性の歴史を語ってきたが、2024年9月1日に大きな変動が起きた。

上記サイトより引用

カレンの卒業である。

この記事のラストとして、そしてクララとカレンの関係性を語るうえでの最後の1ページとして、カレンの卒業に触れていく。

しかし、カレンの卒業発表はあまりにも唐突の事案であった。過去のインタビュー記事にもそれを匂わせる内容は皆無と言っても差し支えない。

そのため、まずはカレンの卒業という結果を受けて読み解くとまた解釈が変わる、という意味合いのものをひとつピックアップさせて頂く。

――ClariSではない自分を想像できますか?
クララ「あまり想像できないんですけど……。(中略)歌手をしながら勉強したいことがあって、大学にも行かせていただいたんですけど、それはClariSがあってこその夢で、もしClariSがなかったらどうだったのかなというのはまったく想像ができなくて……。きっと、どうにか歌の世界を目指していたんじゃないかなというのは思いますけど……。」

――あえて聞きますが、ClariSじゃなかったらどんな人生を歩んでいたと思いますか?
カレン「多分児童福祉とか、そういう道に進んでたんじゃないかなと思います。今でもすごく興味があるので、本を読んで勉強したりとか、休みの日にはボランティアで活動させてもらったりもしていて、障害を抱えた方と社会を繋ぐ懸け橋になるような活動ができたらいいなというのはありますね。」

上:クラリスアニ! P12
下:クラリスアニ! P22

クララはたとえClariSではなくても音楽の道を選ぶが、カレンは音楽の道を選ばない対比が印象的である。

続けて、クララとカレンそれぞれの卒業に向けてのコメントを紐解いていこうと思う。

とはいえ、カレンのコメントについては私の別の文章で述べてしまっているため、ここでは割愛させて頂く。お手すきの際にお読みください。

今回重要になるのはクララの方のコメントである。

▼「クララ」コメント(全⽂)

この度、カレンの卒業が発表されました。カレンが⾒つけた温かい夢を、私は全⼒で応援したいと思います。

私クララはこれからも変わらず皆さんに⼤好きな歌を届けていきます。この先のClariSもよろしくお願いいたします。

カレン卒業に際するクララのコメント(ClariS オフィシャルサイトより)

カレンの長文のコメントに比べて、クララのものはあっさりしている。3文4行しかない。

9月24日に公開された「ClariS Autumn Radio」の第一回においてもカレンの卒業について言及されているが、ここでもクララのコメントは非常に短い。

クララ「今回のね、カレンの話を受けて、私も心からね、応援したいという気持ちでいっぱいですので。まずは11月10日までふたりで素敵な思い出を作りたいなと思っています。」

上記動画より文字起こし。3:10~3:20前後。

また、ClariSファンクラブ内コンテンツ「ClariS Net ナイショの話 Vol.85」においても同じくクララがコメントしていたが、上記の「ClariS Autumn Radio」とほぼ変わらない内容であった。

不自然なくらいに短い。これはなぜだろうか。

私は過去のインタビュー記事に答えを求めた。その一端は下記の文章に表れているのではないかと考える。

クララ「私がClariSに加入してほしいとカレンにお願いしたことは、責任を感じていたんですよ。カレンが加入して再始動しても、うまくいかなかったらどうしようというのもありましたし、この歳で音楽の世界で活動していくのって、普通はあまりないことですし、特殊な世界ではあると思うので、そういうところに私の一方的な想いで加入してもらったという責任はずっと感じていたので……。」

クラリスアニ! P13-14

クララはカレンに「責任」を感じていた。
「責任」という一般的な日本語であるが、その内情はこの2文字に収まらないほど重い。どちらかといえば「罪の意識」に近いのではないだろうか。

カレンを音楽という修羅の世界に踏み込ませてしまった罪。

人生を懸けて自分と歌を歌ってほしいと願った罪。

一方的な想いで他者の人生を懸けさせてしまった罪。

自分の人生を懸けて取り組むならまだ良い。失敗も自己責任だ。しかし、他者の人生も懸かっているのならばそうはいかない。クララの細い両肩には自分の人生だけではなくカレンの人生も乗っかっていた。

序盤に述べた「クララが学業との両立に苦悩」した理由はこのことも関係しているのだと推察する。

カレンが卒業を申し出た際に、クララは何も言えなかったのだと思う。自分がカレンの人生を縛っていて、彼女自身がそれを一番分かっていたから。

もちろん「何も言えなかった」とは無言の意味ではない。自身の罪を理解しているからこそ、その清算の時が来たという諦観の感情の意味だ。

その感情の表れが先の短いコメントではないだろうか。

しかし、短いながらも非常に文脈に富み、過不足のない文章であると解釈している。

この度、カレンの卒業が発表されました。カレンが⾒つけた温かい夢を、私は全⼒で応援したいと思います。

➡クララ自身がカレンの夢を肯定し、その決断を尊重するという意志の表明。不仲による別れなどのネガティブイメージの否定。

私クララはこれからも変わらず皆さんに⼤好きな歌を届けていきます。この先のClariSもよろしくお願いいたします。

➡不安なファンに向けて、ClariSはまた続くという先の未来の提示。歌手を続けるというクララの確固たる覚悟の表明。

最小限の言葉で、最大限の想いが伝わってくる。何度も推敲したことが伝わってくる良い文章だ。

だが、結局のところ卒業に対してのクララとカレンの気持ちが確定できるものはない。上記の私の考察もあくまで考察である。

しかしながら、2024年10月23日にひとつの答えが出た。新曲にしてクララ・カレンのClariSの最後の曲である『Evergreen』とアニメージュプラスさんのインタビュー記事である。

卒業に向けた想いが明文化されている素晴らしいインタビュー記事のため、ぜひ皆さんもご一読頂きたい。(このnoteよりも有益である。)

そしてファンを混乱の坩堝に落としたカレン卒業というクライシスであったが、それに対するアンサーが『Evergreen』である。

この『Evergreen』の歌詞に触れていくことで、クララとカレンの関係性の最後の一幕を飾ろうと思う。

幼かったわたしたち すれ違ってより添って
少しずつ解り合っていく 手探りで進んだDays 輝く

本当は分かっていたの
君が悩んでいたことも
ねぇ今出来ることは
その背中 そっと押すこと

変わらない Evergreen ずっと2人
この場所で刻んだ記憶が
躓いたって俯いたって
1歩踏み出す 勇気になる

鮮やかに Evergreen 目を閉じれば
かけがえない言葉 メロディーが
どこにいたって 響いてるの
離れていても 大丈夫

君の明日を信じて……

いくつもの幸せな瞬間が溢れ出して
ふっと心満たされていく 宝物みたいなDays 抱きしめる

本当は分かっていたよ
君が飲み込んだ想い
その強さにいつも
救われて 今ここにいる

煌めいた Evergreen きっと2人
この場所で交わした約束
ひとりきり 迷う日だって
答えを探す 光になる

永遠に Evergreen 焼き付いてる
かけがえのない景色 笑顔が
どこにいたって 導くから
ひとりじゃない 大丈夫

君をそばに感じてる

忘れない Evergreen あの日2人
この場所で出逢えた奇跡は
2度とない 運命だって
世界中に 誇れるよ

鮮やかに Evergreen 目を閉じれば
かけがえのない言葉 メロディーが
どこにいたって 響いてるの
離れてても 大丈夫

君の明日を信じて…

君の明日を信じてる

思わず全文を載せてしまったが、改めて最高の歌詞である。
クララとカレンの関係性が極限まで凝縮されて輝く結晶となっている。

特に太文字で表した部分が素晴らしい。

本当は分かっていたの
君が悩んでいたことも
ねぇ今出来ることは
その背中 そっと押すこと

卒業という答えをずっと悩みつつも、それをクララに読み取らせようとしなかったカレン。けれどもクララはその弱さをしっかりと理解していて、悩みながらもそれをそっと後押しした。

本当は分かっていたよ
君が飲み込んだ想い
その強さにいつも
救われて 今ここにいる

カレンの決断に対して沢山の感情が渾然一体となった胸の内と、それを吐露しないように耐えたクララの強さ。それでも自分を応援してくれるクララに敬意を払い、受け入れて新たに前に進むカレン。

君の明日を信じて…

君の明日を信じてる

鳥かごから解き放たれて青空を飛ぶカレンを悩み苦しみながら見送るクララ。

クララの強さを誰よりも理解し、その道が決して揺るがないことを確信するカレン。

この記事の最初から述べてきたクララとカレンの関係性がこの『Evergreen』に収斂し、矛盾なくふたりの人間性が大きく表れている。

卒業発表以降、ファンの方々は何度も悩み、何度も泣き伏したと思う。しかし、それに対するクララとカレンの最上級のアンサーと愛がこの曲ではないだろうか。

互いを尊重し、互いの道を信じ、互いの背中を押す。かけがえのない絆で結ばれたクララとカレンは愛ゆえに決断し、その鎖を解き放った。

なんて綺麗な終演であろうか。

今後この記事が更新されることがなくなるのは寂しいが、この美しさを以て幕引きとさせて頂く。

しかしながら、ClariSの”クララ”と”カレン”の物語は終わりを迎えたが、その仮面を被らないふたりの関係性は続いていく。

――ClariSとしてのかたちは変わっても、ふたりの関係性は変わらない。北海道に帰れば、普通に会ってご飯に行ったりもするんでしょうね。

カレン:すると思いますよ。それにClariSのライブの客席に、グッズのTシャツを着て普通に「クララ~」って叫んでいるかもしれない(笑)。そんな姿が容易に想像できるくらいの仲の良さは、皆さんの方がご存じだと思います。私自身もクララに変えてもらったところがたくさんあって、お互いの得意と不得意が真逆で、苦手が苦手じゃなくなるように高め合って行ったことが、ClariSの強みになったと思います。

アニメージュプラス「【ClariS】カレンの卒業と重なる想い!奇跡のうた「Evergreen」」より

――(「Evergreen」が)クララちゃんにとっては、カレンちゃんと歌う最後の新曲になったわけですが、どんな心境でしたか?

カレン 丸山さんが意図して付けたわけじゃないのはわかっているんですけど、「Evergreen」というタイトルは自分的に嬉しかったです。それに歌詞を見て、曲を聴いて、ファンの皆さんは安心すると思うんですよ。ClariS自体は終わらないし、ゴールを決めてないと前々から言っていたんですけど、私が卒業してもクララと重ねてきた10年がなくなるわけではないし、1人で背負わせてしまうんですけど、これからも続いていくという前向きな未来を感じていただけるんじゃないかと思います。私もたぶん、おばあちゃんになってもクララとこのままの関係でいると思うので。最後なんですけど、なぜだか最後だと思って歌ってないんですよ。

リスアニ!「コンセプトミニアルバム、ベストアルバム、2人でのラストツアー、そしてファンへの想い――。クララとカレンが2人で歩んだ10年を振り返るロングインタビュー」より

ふたりの幸せを草葉の陰から願うばかりである。

13000文字にも及ぶ長文を読んでくださりありがとうございました。皆さんの素敵なClariSライフを願っております。

伊勢

                            



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