ときなちゃんの魅力を3つのテーマで語る:歌とダンス編(前半戦) #ときな2周年
はじめに
来る8月1日は、推しのVTuberである越後屋ときなちゃんの2周年です。
本当におめでとうございます。
そこで、その日までの1週間で、「2周年」すなわち「3年目」にちなんで3つの要素からときなちゃんの魅力について記事にしてみたいと思います。
もしかしたら以前書いた記事の内容と重複するところがあるかもしれません。
そうしたら、その点は何度でも言いたい大きな魅力であると思ってもらえると助かります。
3つのテーマとして「ビジュアル」「歌とダンス」「新潟愛」を選定しました。
本日、2回目の記事のテーマは「歌とダンス」です。
まずはこちらを主張しておきます。
何をおいても、私がときなちゃんの数あるオリジナル曲の中でも一番好きな一曲、『Thank you Magical』です。
いうまでもなくときなちゃんのオリジナル曲はどれも最高なんですが、個人的に明るくて元気な曲をよく聴くので、この曲はその癖にぶっささりました。
MVで走ったりダンスしたり終始元気に歌って踊っているときなちゃんが実に可愛い。
曲調もポップでチップチューンなところもあってささります。
そして歌詞もまた、ポジティブでありながら考察の余地がありそうで楽しい。
そのあたりは記事本編で改めて。
衣装の回でも少し言及しましたが、ときなちゃんの衣装やツインテールな髪の毛は大きな動きをするときにふわふわ、ひらひらと舞って特徴的です。
この曲は動きが激しいので、特にその魅力を感じることができます。
そして、この曲(に限らずすべてのオリジナル曲+α)は、去年におこなわれた配信ライブでも披露されました。
本当に大好きです。
ライブにおけるこの曲については、別の記事で単独で話しているので、詳しくはそちらをご参照ください。そうでもしないとこの記事でもこの曲の話ばかりしてしまいそう。
さて、今回は「歌とダンス」がテーマなので、オリジナル曲と歌ってみたカバー、どちらにも触れていきたいと思っています。
オリジナル曲のほうは、MV版もライブ版のどちらを中心にするか悩ましいところですが、ダンス要素もあるので去年10/29に実施された配信ライブ『Fly High!』でのパフォーマンスを取り上げます。
ライブの感想そのものは別途記事にしています。
この記事では興奮冷めやらぬままのテンションだったので曲そのものについては断片的な触れ方になっていますね。
ライブが開催されたことそのものについての自分のはしゃぎようがテキストから伝わってきます。
ライブ自体のアーカイブ(上記の記事の最初のリンク)は非公開になっていますが、ときなちゃんのYouTubeチャンネルではライブパフォーマンスを曲ごとに切り出したダイジェスト版が用意されています。
振られた番号はセットリスト順なので、その順番のまま語っていきましょう。
なお、以下の語りの中に楽曲の歌詞の解釈なんかが入っていますが、言うまでもなく独断と偏見による独自の解釈です。あしからず。
オリジナル曲
1.YAHHOO! I’m TOKINA!
ときなちゃんの自己紹介ソング。
「自己紹介を歌とラップでしていく」という開幕のセリフ通り、自分自身のことと新潟への愛を軽妙なリリックで綴っていきます。
歌の開始直前に、ときなちゃんは赤色を基調としたライブ衣装に変身します。
通常衣装が白(とスカートの青)がメインであることと対比して、赤色が上半身からスカート、ソックスに入ることで、遠目に見てもその存在感を主張します。
体のシルエットが強調されることで、カメラが引きになってもときなちゃんの動きが捉えられますし、華やかです。
朱鷺色というよりはもう少しビビッドな赤は、いつもの髪色の白から朱色のグラデーションと相まって素敵です。
前回のビジュアル編でライブ衣装に触れられなかったので個人的な感想を詰め込みました。
話を歌とダンスに戻しましょう。
ダンス表現は、もともと曲がリリースされたMVのときと比較して、なめらかな動作になっているように感じます。
よりスムーズで、無駄のない動き。ダンスとしての連続性というか、流れができている、みたいな。
振り付けはMVと同じところも少し変更されているところもありますが、サビ部分やラストの振り向きなど、印象的な部分がそのままなのが嬉しいですね。
激しく飛び跳ねるような曲ではないですが、華麗なステップも手の動きも、ラップ調の歌詞にあわせてしなやかに表現されているのが印象的です。
2.walk with you
普段から新潟の空を飛んでいる朱鷺であるときなちゃんが「一緒に歩こう」と歌うこの曲。
ときなちゃんがヒトの姿になって地上に降りてきて「自分の足で歩いてみよう」という内容の歌詞ですね。
ときなちゃんの身長、目線の高さを表しているのだろう「地上5フィートの景色」とか、歩く速度を表現する「時速5キロのリアリティ」といったように「5」という数字がフィーチャーされていますが、この曲『walk with you』がときなちゃんのオリジナル曲として5曲目であることとリンクしているということなのでしょうか。こういう隠し要素、好きです。
ところで徒歩の時速5キロって、歩く速度としては若干早歩きといってもいいかもしれません。
不動産屋の言う「徒歩○分」は、1分に80メートル歩く速度を想定しているといわれますが、これは時速に直すと4800メートル、つまり4.8kmです。
それと同じくらいの速度だとすると、少なくとも「のんびり歩く」よりは「さくさく歩く」くらいの速さなのでしょう。
空から地上に降り立って歩いてみることにしたときなちゃんのわくわくと興奮、そんな高揚した気分の結果どんどん足が進むという「楽しさ」が伝わってきます。
ダンスとしても、「walk」がテーマになっているとおりステップ動作が多くなかなか激しく動きますが、実に軽やかです。
特に間奏部分での複雑な足捌きには目を奪われます。
3.Internet Night Party
ときなちゃんの主戦場であるバーチャル世界、インターネットをテーマにした、電子的加工が特徴的なこの曲。
生配信というパーティ会場では、配信者も視聴者も楽しく盛り上がっています。
積極的にコメントする視聴者もいれば、観る専門の視聴者もいる。
そんななか、居心地悪そうにしている参加者に一緒に騒ごうと声をかけてくれるというのは、配信開始時にコメントを書いた視聴者ひとりひとりの名前を呼んでくれるときなちゃんそのもの。
やがて配信の視聴を重ねていくと、とりとめのないことをコメントしてもそれを拾ってくれたりして、知っていることが増えていく。
そして好きなところが増えていく。
VTuberとその視聴者という関係を、ダンスパーティで見つけた消極的な参加者に手を差し伸べて仲良くなっていくという表現でたとえるのは、電子音に満ちた曲調と相まってとても楽しい。
極めつけは「私の方がだんだん好きになっちゃうの」という一節。
可愛いなと思って見てた子にそんなこと言われたらこっちも好きになるわ!
サビの部分でぴょんと飛び跳ねるダンスも可愛い。
というか本当に激しく元気に動きます。
この曲はサビ以外でも跳ねる動作が多く、ツインテールや尾羽スカートが揺れるのが素敵なんですが、それ以上に大変そうだなあと思ってしまいます。
カカトを上げて、踏みしめて、みたいな動きをしているとき、それに合わせてツインテールが動くのが可愛い。
1曲目からここまで、じわじわと動きが大きくなってきているような気もします。
エンジンがかかってきた、みたいな状態でしょうか。
4.風吹けば
この曲の紹介MCにあった「レゲトン」というジャンルを知らなかったんですが、いくつもの音楽ジャンルが混ざったものなんですね。しかもその発祥もけっこう最近。面白いです。
この曲は、その色んな要素が絡み合ったうえに、ときなちゃんのダンスの動きが和を想起させて、様々な民族音楽の要素を含んだ表現になっているように感じます。
それでいてそれが一体となって心地いいのだから不思議です。
MVでダンスを見たときはエスニックな風味を感じたんですが、これはラテン系の要素だったんですね。
音楽の歴史は全然知らないものの、こういう表現を見ていると勉強したくなります。
この曲のダンスも滑らかで所作が美しい。
サビ直前までは流れるようなゆったりしたダンスだったのが、サビに入るときに一瞬まっすぐこちらを見て見得を切ったかと思うと、何度も一回転するような激しい動きに切り替わる。この静と動が圧巻です。
やはり振り付けの妙というものもあるのでしょうね。
歌詞のほうは、日常的に感じている漠然とした不安のようなもの、それを振り払って歌い踊り、明日を「今」変えていこうという前向きなメッセージです。
言ってみれば「嫌なことがあっても朝まで踊って切り替えて、明日またがんばろう」という日常への応援歌という気がします。
タイトルの『風吹けば』なんですが、歌詞の中には「風」のワードはひとつも出てきてないんですよね。
「ふんわりふんわり」とか「ひらりひらり」みたいに風を連想させる表現はあるものの、直接的なワードとしては存在していない。
では「風」とは?
この歌詞からは、方向性の違う2つの意味が見えてくるような気がします。
ひとつは「風向きが変われば状況が変わるから、今日嫌なことがあったとしても切り替えていこう」という風任せ的な意味。
もうひとつは「風は自分で吹かせろ」という強気なメッセージ。
風が吹けば状況は変わる。
だったら、自分で「今」動いて、自らの力で風を吹かせろ。
そんな意志を感じます。
歌詞の端々に「歌え踊れ」とか「変えてやれ」とはっぱをかけるような表現が含まれていることも、ばしっと背中を叩いて乱暴に応援するような、そんな強さをおぼえます。
このメッセージが、ときなちゃんの高く澄んだ美しい歌声で伝えられるのだから、ギャップも相まって印象に強く残ります。
5.Future Scene
歌詞の意味するところは「世界を広げてより広く羽ばたいていきたい」という、ときなちゃんの目標そのものの大きく前向きなメッセージだと思うんですが、それをこのハウスミュージックなサウンド、単語単語で刻むように歌っていく歌詞の羅列とところどころ吐息のように紡がれる歌唱の表現によって、ときなちゃんの数あるオリジナル曲の中でもかなり独特な位置にいるような気がします。
ときなちゃんが目標に掲げ、着実に歩みを進めている先にある「未来の風景」は、海を越え、空を越え、もっともっとたくさんの人にその存在を知ってもらい、歌を聴いてもらうという壮大な光景。
「境界」や「虹色」というワードからも、あまねく世界に広がっていきたいという意志を感じます。
細切れになった歌詞を小気味よく歌いながら見せる細かな動き。『風吹けば』の流れるような所作とは正反対のようなダンスに、表現力の豊かさを思い知らされます。
それでいて、この曲もまたサビ前後での雰囲気の切り替わりに息を呑みます。
動きのキレ、動作の規模がAメロ、Bメロと少しずつ盛り上がってきて、サビで一気に爆発する。
ダンス表現の幅の広さ、複雑さというものは奥底がしれません。
6.TOKI NICE DAY!
ライブにおいては、5曲目『Future Scene』のあとにサプライズのボイスメッセージやカバー曲の披露があってからの、満を持してのファーストオリジナル曲の歌唱となりました。
ライブがラストスパートに入っていることは明らかで、直前の『ハッピーシンセサイザ』からの作曲者繋がりということもあり、テンションは最高潮です。
曲に入ったとたんに軽快な足捌きを見せてくれて、ここにきてすごく動くなと驚かせてくれる。
その印象はサビに入ってさらに加速します。
映像演出でダンスに重ねてエフェクトが入ることも重なって、まさに舞うように踊るときなちゃんの真髄が見られます。
片足で立ったりジャンプしたりが多くて、バランス感覚にも圧倒されます。
それから、この曲に限ったことではないんですが、カメラパフォーマンスを意識したような、舞台の左右にちょこちょこと小走りする姿が可愛いです。
目線ちょうだい!!
「食べることと歌うことが大好き」とはときなちゃんの自己紹介の一文ですが、その言葉が表すとおり、ときなちゃんは「さあ歌おう!」とこちらを促してくれて、楽しく歌って踊ることが一番! と言ってくれることが多い印象です。他の曲でもそう言った表現があるように、この『TOKI NICE DAY!』においてもその主張は変わりません。
1曲目の『YAHHOO! I’m TOKINA!』はときなちゃんの自己紹介ソングという表現をしました。
あちらはどちらかというと、本人の好きなものや目標、あるいは見た目の要素なんかが主に歌われていました。
個人的にはこの『TOKI NICE DAY!』もときなちゃんの自己紹介ソングだと思っていて、こちらは相対的にもう少し内面にフィーチャーされているような印象です。
「色とりどり」という表現は、他の曲にも共通するときなちゃんの「みんな違ってみんないい」という精神を表しているようです。
かと思えば「近づいては離れ 選び手放し 私はここにいるよ ねぇ」という歌詞からは、移り変わりが激しいVTuber、アイドルという界隈を移ろいゆく私たち視聴者、ファンに対する遠慮がちな、でも確固とした自己主張が伝わってきます。
日々が忙しくて交流できなくなることがあっても、ときなちゃんはそこにいる。だからいつでも会いに行こう。
そんな安らかな気分にさせてくれます。
7.Thank you Magical
もうこの記事の冒頭で触れていますし、以前単独記事で書いてるんですよね。
その焼き直しになってしまうのもつまらないので、このパラグラフでは歌詞について少し深く見てみようと思います。
というのも、ずっと気になっていたというか、ひっかかっていたんですよね。
"Thank you Magical"
いったいどういう経緯で"Thank you Magical"なのか。
そして、なぜMagicでもMagicianでもなくMagicalなのか。
ずっと歌詞とにらめっこしていて、あるときふと気付いたんですよ。
ようやく理解できたというか。
VTuberであること、ひいてはヒトの姿であることを「魔法のような時間」と表現しているんだということ。
そうだとすると。
ここ以外にも2か所、タイトルである"Thank you Magical"が出てくるパートがあり、それらも含めてどうも急に物悲しい表現になっている。
曲調そのものはポップでアイドルな明るい曲なんですが、この部分をはじめとして、明らかに「別れ」が要素に含まれています。
これって別れの曲じゃん、って。
少なくとも、「いつか来る別れのために今はもっと楽しもう!」というニュアンスが込められた歌詞ではあると思います。
「魔法のような時間をありがとう」
それはもう、最後の最後にかける言葉じゃないですか。
「景色霞む前に」あるいは「気持ち嘘に変わる前に」、精一杯の気持ちで「魔法のような時間をありがとう」と言ってくれる。
まるで、ヒトの姿という魔法が消えてしまい、朱鷺の姿に戻っていく瞬間の最後の言葉みたいな、喪失感すら感じてしまいます。
こんなポップな曲調で、避けられない別れに言及して、それでもなお楽しもうと明るく歌って踊ってくれるときなちゃん。
切なさを感じざるを得ません。
ちなみにこの曲、去年のライブだとアンコールを除けば最後の曲だったんですよね。
『TOKI NICE DAY!』に続けて明るい曲なのでライブ最後の盛り上がりにはふさわしい選曲だと思うんですけど、こうやって解釈してしまうとセットリストの戦略に思いをはせてしまいます。
更に言うと、ときなちゃんのアルバムCDだと1曲目だったわけです。
CDの1曲目に収録して「はじまり」を感じさせつつ、歌詞に込めた意志をライブのトリに持ってくることで込めたのだとしたら。
ちょっとこれは、これから聴くたびにめちゃくちゃ心を揺さぶられそうだなと思ってしまいました。
自分勝手な解釈に囚われてしまったと言われればそれまでですが、これライブで生で聴いたりしたら、自分がどうなってしまうか想像できません。
とんでもない曲だな!!!
8.anywhere
去年のライブではアンコール曲として披露された、ライブの本当の最後の1曲。
「もう一度」や「形を変えて 繋ぐ新しい音」といったフレーズから、新たな出会い、はじまりを感じさせる歌詞。
ゆったりとした歌唱から紡ぎ出される新たなる希望は、タイトル通り「新しいどこか」への飛び立ちを感じさせます。
しかし、しかしですよ。
ライブのセットリスト上、これの直前が『Thank you Magical』だったわけです。
あの曲があってからのこれって、ちょっと攻撃力高すぎません?
そのコンボのでたらめな強さに気付いたのはつい最近ですし、ライブ当時は感無量でそれどころではありませんでしたが、改めて考察してみると普通にエモさで刺されました。
歌詞自体も、つらいこと、あるいは挫折、あるいは諦めからの再起を連想させます。
「再起」そして「仕切り直して再び前を向こう」というメッセージは、この曲だけでなくいくつものときなちゃんのオリジナル曲に込められた共通の主張のように感じます。
失敗というものに寄り添えるから、もう一度立ち上がることができる。
ときなちゃんの歌、そして彼女に提供された楽曲からは、そんな印象を抱くのです。
追記(アディショナルタイム)
ここまでときなちゃんのライブ(及びダイジェスト動画)に基づいた順番でオリジナル曲について語ってきました。
ところで、当時のライブ後、PANORAというニュースサイトでライブレポが上がっていました。
もしまだ読んでいなければぜひ読んでもらいたいです。とてもいいレポート記事です。
また、ダンス振り付けに関しては、踊り手のぽるしさんが作ってくださったものということなので、そちらもご紹介しておきます。
ときなちゃんの曲のダンスは、いずれもご本人が躍ってみた動画を上げており、VTuberとは異なる表現ですごいなと思わざるを得ません。
個人的にそのなかで一番好きな、『風吹けば』の振付師バージョンのリンクを貼ります。
これ以外の楽曲の踊ってみた動画もあるのでぜひご覧ください。素敵です。
おわりに(ハーフタイム)
オリジナル曲と、いくつかのカバー曲について記事を書くことで「歌とダンス編」にしようと思っていたんですが、オリジナル曲のことを書いただけで結構な分量になってしまいました。想定外だ。
ということで、いったんここで前半終了とさせていただきます。
ここまで読んでくださってありがとうございます。お疲れ様でした。
後半はカバー曲について語ろうと思いますが、さすがに公開されたもの全曲は無理なので、個人的な好みを軸に代表的なものについて書こうと思います。
よければ後半もお付き合いください。
そして、先日公開した「ビジュアル編」及び後日公開する予定の「新潟愛編」もよろしくお願いします。