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推しに自分の書いたセリフを読んでもらった話

私の推しのVTuberである越後屋ときなちゃんは、季節イベントのあるときに「セリフ読み配信」をやってくれることがあります。
視聴者から募集したシチュエーションボイスのなかからいくつかを選んで、配信の中でリアルタイムで読んでくれるというものです。

過去、クリスマスやバレンタインなどいくつものシチュエーションでやってくれていて、ときなちゃんの声や演技力に魅了されつつ、いいテキストを書いてくれている視聴者の方々にも感謝しつつ楽しんでいたわけですが、今回「ホワイトデーのシチュエーションボイス」を募集していたとき、どういうわけか、自分で送ってみようという気になったのです。

酔っ払っていて気が大きくなっていたのかもしれません。お酒って怖いですね。

そんなわけで「ときなちゃんに読んでほしいセリフ、シチュエーション」を色々と考えてちょっと長尺な文章としてしたため、送りました。

そして当日。
見事読んでもらうことができたので、天にも昇る気持ちになったのでした。

この配信の、55:15くらいからです。

配信で読む前にきちんと読み込んでくれたみたいで、「どういう場面で、どういうシチュエーションで、どういう空気で、どういう流れか」をご本人の中で落とし込んでくれて、自分が望んでいたものより遥かにレベルの高い表現を見せてくれました。

ときなちゃん、普段の配信でも丁寧語で話してくれますし、時折ミュートのままになってたり操作ミスったりする可愛く抜けている部分もあるんですが、やっぱり基本的にはしっかりものというイメージがあります。
そういう子が、自分にだけは比較的フランクだったりすると嬉しいですよね。特別感があって。
なので幼馴染っぽいポジションに立ってもらいました。タメ口で話しかけてほしかったという欲望もあります。

以下、保存していた台本テキストを載せています。
送る直前にちょっとした手直しとかしてたかもしれないので読んでもらったものとはちょっと違うかもしれません。


(テーマ:ホワイトデー)

おはよう! 今日も寒いね!
あれ、どうしたのその紙袋。
あ、分かった! ホワイトデーのお返しでしょ!
バレンタインの日、たくさんチョコレート貰ってたもんね。
なるほどねー。ふうん……。

あ、だったらさ、私にもちょうだいよ!
私もバレンタインの日にあげたんだし、その袋には私の分もあるんでしょ?
きみのホワイトデーを最初に受け取る人になってあげるからさ!

……え? ないの?
う、ううん、いいんだ、ごめん、ちょっと勘違いしちゃってたかも。そうだよね、私はいつもきみにお菓子あげたりしてるし、あれも別にバレンタインだからってわけじゃないっていうか、友達にあげるチョコレートの練習っていうかだし……

へ?
な、なんて?
放課後に教室で待っててほしい?

……そ、それって。
それってつまりどういう……。

内緒!? 内緒なの!?

う、ううん、待つ、待ってるよ!
全然待ってる。それくらい全然待てるし。暇だし……。

な、何言ってるの! 私が他の子に呼び出されたりすることなんてあるわけ……。
うん……大丈夫。きみを待ってるから。
他の子に呼ばれても、何を言われても……待ってるから。

だから、必ず来てよね。
待ってるから。きみのこと。



明るくて元気で人気者っぽい女の子が自分の幼馴染で、フランクに話しかけてくれる。
主人公(あなた)がたくさんチョコをもらっていたことを知っていて、ちょっとモヤったりもしているけど「モテてるね」ってからかうと慌てて否定するのが面白いので、からかいたくなりがち。
そんななかでも「ちょっとした特別」がほしくて「ホワイトデーのお返しを最初に貰う子」とわざわざ宣言する。
でも持ってないと言われて一気に恥ずかしくなって、たぶん「この袋にはない」と言われただけなのにめちゃくちゃ早口で勝手に色々理由を並べ立ててしまう。(じゃあどこにあるんですかね。混ざらないようにバッグに入れてるんだと思います。大事に)
そして明らかにへこんでしまったときに、どう考えても期待しか生まれないような言い方で放課後に呼び出される。
もう何を言われるかは分かってしまいそうなものの、内緒にされてドキドキしてくる。
そのとき、主人公(あなた)もまた、彼女が人気者なので他の人に呼び出されないでくれと釘を刺してくるので、独占欲を持ってくれているのかもしれないとより期待が高まってしまう。

そんな話ですね。(解説のほうが長くない?)

こんな話を朝っぱらにされたら、その日一日心が浮ついて落ち着いてなんていられないでしょうね。

ときなちゃんも配信の際に言ってくださいましたが、途中ちょっと「下がる」流れになるので、心がキュッっとなる。でもそのあと、明示されないにしても明らかにハッピーエンドな流れになる。
やっぱり緩急とか上下って大事ですよね。ジェットコースターみたいなものです。
ときなちゃんがそのニュアンスを落とし込んでくれて、セリフ読んでいるときの声のトーンとか感情の現れを見せてくれたのが本当にうれしかった。

あと、女の子にからかわれるのは男の夢だと思うので、冒頭でそんな雰囲気にしてみたんですけど、そこも汲み取ってくれて。
からかい上手の越後屋さんだった。

それから、二人称が「きみ」というのも重要なポイントです。
言われたい。「あなた」でも「〇〇くん」でもなく「きみ」って言われたい。

結局のところ細かい部分で自分の欲望や妄想、癖といったものを詰め込んだわけですが、でもセリフ・台本として重要なのは
①ときなちゃんが1人で読むことを想定して、感情の振れ幅を大きくすることで物語の展開の切り替えが分かりやすいようにする
②ハッピーな終わり方にする
というところかなと思ってます。
個人的にはメリーバッドとかビターな話も好きですけど、ちょっと読後感というかセリフ読み終わった後の空気に耐えられそうにない。誰も悲しむ必要はないんだ!

あとはまあ、文章そのものの量もあるでしょうね。配信枠は時間が限られてますから、あまりにも長尺だとどんなに良くても採用されづらそうです。
今回の自分のでさえそれなりに長かったので。

今回はセリフを読んでもらえたのがあまりに嬉しかったので記事にしてしまいました。
送ったセリフを公開するだけにしておけばいいのに解説まで書いてしまった。
あとで恥ずかしくなったら非公開にします。

自分はシチュエーションボイス配信の自分用タイムスタンプを使って日に何度も繰り返し聴いてます。
もちろん、他のシチュエーションボイスも素敵なものばかりなので、頭から聴くことをオススメします。
一番最後の男の子ボイスでのセリフはすごくよかった。そこまでの内容とのギャップ、普段とのギャップ。ときおさん素敵でした。TOKIO……

そういえば、配信のコメントやTwitterなんかを見ると、投稿したけど選ばれなかったという方もけっこういたので、やはり狭き門なのだなと思いました。
そんななかで選んで読んでもらうためには、ある意味では戦略も必要なのかもしれません。
もちろん、選ばれるための台本を書くみたいな話になるとまた違ってくるんでしょうけれど。やはり根本は妄想ですよ。ときなちゃんの声で言ってほしい何かという妄想。そこから全てが始まります。

これからも、募集があってピンとくるものが思いついたら、応募してみようと思います。
実際のところ、読まれる/読まれないも重要ですが、ときなちゃんに読んでほしいセリフというテーマでテキストを考えるのが楽しかったので。

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