『まともじゃないのは君も一緒』を観た

もちろんネタバレします。


鑑賞に対しての動機としては、映画見るたびに予告に出てきたから、単純接触効果のせいもあると思うのだけど、如何せんド田舎なので、たった一つのシネコンで今週公開なの、これとミナリだけで。ミナリも観たんだけれど。また書きます。
そんなことより、多分一番の理由は、成田凌さんに対する信頼感が我ながらえぐいのです。
元々素敵な俳優さんだと思っていたのだけれど、『窮鼠はチーズの夢を見る』を観た時、やばい、以外の語彙を失いかけて。なんだろう、膝を抱えて座っている姿に涙が出てきて、背中の形がこんなに雄弁に語る(と私には思える)人、何時ぶりに出会っただろう。なんだこれ、ってなって。それから、この俳優さんが出ていれば観るな、と思う程には、信用しているのです。

彼は、やはり裏切りませんでした。そして、清原もちろんネタバレします。




鑑賞に対しての動機としては、映画見るたびに予告に出てきたから、単純接触効果のせいもあると思うのだけど、如何せんド田舎なので、たった一つのシネコンで今週公開なの、これとミナリだけで。ミナリも観たんだけれど。また書きます。

そんなことより、多分一番の理由は、成田凌さんに対する信頼感が我ながらえぐいのです。

元々素敵な俳優さんだと思っていたのだけれど、『窮鼠はチーズの夢を見る』を観た時、やばい、以外の語彙を失いかけて。なんだろう、膝を抱えて座っている姿に涙が出てきて、背中の形がこんなに雄弁に語る(と私には思える)人、何時ぶりに出会っただろう。なんだこれ、ってなって。それから、この俳優さんが出ていれば観るな、と思う程には、信用しているのです。

彼は、やはり裏切りませんでした。そして、清原果耶さんも良かったなぁ。本当に、二人が絶妙なパワーバランスで揺れてて、全編通して、二人が少しずつ変化していくさまが愛おしくてたまらなくなった。


※本格的にネタバレを。

数学一筋<コミュニケーション能力ゼロの男>と知識ばかりで<恋愛経験ゼロの女>
全く噛み合わない二人が繰り広げる普通のラブストーリー(普通には×がついてます)

あらすじ

外見は良いが、数学一筋で〈コミュニケーション能力ゼロ〉の予備校講師・大野。彼は普通の結婚を夢見るが、普通がなんだかわからない。​その前に現れたのが、自分は恋愛上級者と思い込む、実は〈恋愛経験ゼロ〉の香住。​全く気が合わない二人だったが、共通点はどちらも恋愛力ゼロで、どこか普通じゃない、というところ。​そして香住は普通の恋愛に憧れる大野に「もうちょっと普通に会話できたらモテるよ」と、​あれやこれやと恋愛指南をすることに。​​

香住の思いつきのアドバイスを、大野は信じて行動する。香住はその姿に、ある作戦を思いつく。​大野を利用して、憧れの存在である宮本の婚約者・美奈子にアプローチさせ、破局させようというのだ。​

絶対にうまくいくはずがないと思っていたが、​予想に反して、少しずつ成長し普通の会話ができるようになっていく大野の姿に、不思議な感情を抱く香住。ある時、マイペースにことを進める大野と衝突した香住は「もうやめよう」と言い出す。すると大野は「今変わらないと、一生変われない。僕には君が必要なんだ!」と香住に素直な気持ちを伝える。​

初めて誰かに必要とされた香住は、そんな大野の言葉に驚き、何か心に響くものがあり、​初めての感情に「これって何!?」と悩み始める。二人の心がかすかに揺らぎ始めた時、事態は思わぬ方向へと動き出す。二人が見つけた《普通》の答えとは?​
公式HP<https://matokimi.jp/>より


感想

現実味の薄いキャラクターを(世の中の人は、こういう自分を飼いならしながら、隠して生きていると思うから、まず表面的には見えない)ここまで現実味を帯びた人物として作り上げられているところがまずすごいと思う。タイトルやストーリーを含めて、ベタじゃないけどラブコメだよなって。
大野が変な人だなって見始めるのだけど、あれ、香住はもっとヤバいんじゃん?って途中で気づいてきたときに、君島さんに話しかけに行くシーンがでてきて、かなりヤバいなと思っていたらスナックのシーンが出てくるから、楽しくなってしまった。
大野は美奈子を好きになって、どんどん変化していくのだけど、大野が美奈子を好きなことで変化しているというよりは、美奈子の受け止める力の大きさで、大野の変化を促しているように見えた。結果、美奈子は大野ではなく元の婚約者である宮本を選んで、私は、この二人はこの二人で、この二人にしか作れない幸せを手に入れられる気がした。反対のことを思う人も多いとは思うけれど、希望も込めて。人は、変われるんだと、この映画は教えてくれる気がしたから。
香住は、ちゃんと大野に「好きだ」という。大野も香住に「好きだ」という。二人の「好き」は、かなり違う種類の「好き」な気もするし、この後交わる可能性のある「好き」にも思える。というより、「好き」はどんな「好き」でも、やっぱり「好き」なんだと、それでいいのかもしれないと思わせてくれる、二人の「好き」だったから、とても温かくて優しい気持ちで、幸せになった。

主演二人はもちろん素敵なのだけれど、君島さんと柳くんのカップルが実はとても好き。この子たちは、多分、普通なのだけれど、普通の子が当たり前に言う言葉は、本当にまっすぐで、君島さんと柳くんが香住に、自分の気持ちをまっすぐに言葉にして相手に伝えることを教えてくれたのだと思った。


難しいと知っているから、刺さる

良くも悪くも、年齢を重ね、経験が増えると、素直に、まっすぐに思いを言葉にすることは、難しい。自分の中での言い訳が上手になって、出来るはずのことをしなくなっていく。
大野と香住は、若くて、こじらせてて、出来なかったいろいろなことが少しずつできるようになっていく。それは、まぶしくて、少し切ない。
「おわり」の後の二人が、恋人同士にならなくても、友達ではいてほしいなと思ったのは、二人が大人になることを、大人になると難しくなる色々なことを、私が知っているからなのかもしれない。

とても可愛らしい、優しい、あったかい、愛おしい気持ちになる映画だった。
幸せな気持ちを、ありがとう。

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