バディ対談 岩花寛之×牧一心
⬜︎牧
おはようございます。
⬛︎岩花
朝からよろしくお願いします。
⬜︎牧
岩本さんバディ対談はもう何回かやってるんですよね?
⬛︎岩花
そうなんですよ。何回かしてるんですけどね。実はその報告をちゃんと書けたのは一回だけなんですよね。
⬜︎牧
今回、質問リストを作ってくださってありがとうございます。大きくは「議員活動」と「政治活動」と「その他」で、1番目からいきましょうか。まず岩花さんは議員活動としてどんなことに力を入れてますか?
〜議員活動で力を入れていることは?〜
⬛︎岩花
僕の方からですね。今年2月に選挙があったんですけど、それで三期目に入ったところです。当初からですけど、自治体の広報の拡充に力を入れてきました。町の広報っていうか、広報誌があるんですけど。町のこととかやってることって、住民さんが知ってる情報って本当に少ないなって感じています。議会としてもあんまり出していないというところもあって。そこを町民の方にちょいちょい怒られてますからね。
議員活動として5つあげたんですけど、1つが広報の促進。町のこと議会のことをもっと身近に感じていただきたい。まだまだ行政の情報公開ができてないです。僕はまあ与党議員なんですけど、反対をするために情報が欲しいんじゃなくて、きちんと納得できるだけの判断材料が欲しい。けど、なかなか出ないんですよね。結局、反対する議員さんもいらっしゃるわけじゃないですか。で、行政としてはそれを出してしまうと揚げ足を取られるとかね。だから、とにかく出さないんですよ。もう少し柔らかい状態で情報が欲しいんですけど、もう決まった段階でしか情報が来ない。プロポーザルやパブリックコメントとかも、もう口出しができないぐらい固まっている。そういった段階で情報公開して、委員会や住民の意見は聞いてますって言っても形だけじゃないですか。ぶっちゃけてしまうとね。
2番目が議会改革。うちの議会は平均年齢でおそらく65歳ぐらいかなと思うんですよ。僕らの議会って会派がないので基本一人ずつなんですよ。だからバラバラだなって思います。委員会の中で意見をまとめて行政執行部に出す仕組みづくりができてないんですよね。それを前期から取り組みはじめて、今期その副委員長してるんですけど、やっぱり委員会で揉んで提案していかないと、議会全体で意思統一できないです。
3番目は少子化対策。空き家が多くなってきているのでその活用。それから住宅地、借家っていうのがうちの町すごく少ないんですよ。もともとの物件がない。土地はあるけど物件がない。住みたいって思った時に、やっぱりそのもともとの建物がないっていうような感じですね。田んぼはたくさんありますけど、農業振興地域に入っていて、取引できないところも多いです。土地も相続がうまくできていなかったり。結局、物件情報が流通してないです。僕はもともと大学を卒業してハウスメーカーの代理店で住宅営業をしてたんですよね。その辺が自分の知識を生かしてなんとかしたいですね。やっぱり小学校に入る前の子どもがいる層をどれだけ受け入れられるのかなってところですね。現状だとそういう層が結婚して、家を手に入れたいと思っても無いわけですよ。なので、みんなやっぱり出ていっちゃう。そこの受け皿整備をしたいと思っています。
4番目は住民参加のまちづくり。住民さんは、基本満足してるんですよ。うちの町に住んでいる方。コロナの時も支援が手厚かったですね。 交付金に頼っているんですけれども、お金は巡ってきていましたね。だからなのか、基本満足しているんで、あんまり「自分で何かしよう」ということがないんですよ。危機感がないというんですかね。そこを自分が変えていきたい。
あとは5番目に中山間地の暮らし方ということで、僕の住んでいるところは山しかなくてけっこう田舎なんですよね。もう若い人が両手で数えられるほど。30代といったら本当に十人いないんじゃないかなっていう感じで。40代を入れて20人とかそれぐらいじゃないかな。本当に超高齢化社会に今から突入しますね。その中山間地でこれから、草刈りどうするのっていうのと、水路の維持管理。あと田んぼ。それをどうやっていくのかが問題になるだろうなと思っていて。住民が主体的に参加するまちづくりっていうことを書いてるんですけど、自分たちでアクションを起こしていこうよっていう風なことを3年ぐらい前から取り組み出しています。それがなかなか難しいなと感じますが、一応そんな感じです。
⬜︎牧
それぞれ頷けるところがたくさんあります。市議会議員の日々の生活について教えていただけますか?議員活動をしながら、どうやって仕事をこなしていますか?
〜議員活動と仕事の両立〜
⬛︎岩花
議員活動って本当にしようと思えばいくらでも、答えがないし終わりがないじゃないですか。手を抜こうと思えばいくらでも抜けます。何もしなければ本当に何もないですもんね。年4回の定例会で僕たちの町って基本二週間で終わるんですよ。その二週間のうちでも初日は開幕。開会するでしょ。それから一般質問。委員会をやって閉会なんですけど、実質7日。開会と閉会は半日でしょ。ほんともう5日ぐらいしか実動してないんですよ。それが年4回ですから、年間20日ぐらいですもんね。
それだけでは、やっぱり良くならないですよね。うちの子どもたちはもう働き出しているので、嫁さんと二人ならお金はそこまでいらないです。けれど、生活は全然いいんですけど、やっぱり自分にも投資したいし地域にも投資したいなって思って。それでリフォーム会社に就職したんです。それがまあ忙しくてですね。ほんと、死ぬほど忙しくて。議員活動にも支障が出るぐらい。地元の方から「岩花がいない」という声があがるほど。地元におれんぐらい忙しくなっちゃう。毎日2〜3百キロ車で走り回っていました。忙しすぎて投資する暇もねえ、みたいな感じで(笑)。それでは本末転倒。それでこの前、そこを退職したんです。これはいかんぞ、と。
⬜︎牧
僕も飲食店をやっているので、仕事に没頭しちゃうと「牧はぜんぜん顔を出さない」と言われることがあります。上毛町議会って兼業議員って何人ぐらいいるんですか?
⬛︎岩花
兼業議員としては、自営業が5人、会社員が3人の8人が兼業で、それ以外の方も農業を兼業で小規模にしている方が多いです。
⬜︎牧
町は農業で収益を上げているようなところはありますか?
⬛︎岩花
全然ないないですね。米、麦、大豆が主で、いわゆる補助金漬けですね。
⬜︎牧
カフェとか喫茶店みたいな場所はあるんですか?
⬛︎岩花
上毛町には一件もないんですよ。ですけど実は最近、若い人がカフェを始めようとされているんですよね。売り上げが立つぐらい仕事になってくれればと思っていますが。この流れがすごく嬉しくて「ぜひ開きましょう」っていうことを話しているんですよね。
⬜︎牧
上毛町には民間と連携している事業はありますか?
〜公民連携、民間委託の悩ましさ〜
⬛︎岩花
この十年ぐらいで地方創生みたいなのが始まって、行政が稼ぐという方向で色んな事業がはじまっているじゃないですか。けれど「なかなかできんなー」っていうのが正直思っているところですね。やっぱり行政の人が何か事業を通して稼ぐっていう感覚ってなかなか持てないですよね。だからやっぱり民間事業者がやんないといけないんですけど、じゃあどうかといえば、そこで難しくなってくるのが、どこと連携するかで。民間事業者にお願いするという風なところで公平性を担保できるかが難しいなと思っています。首長がトップダウンで引っ張ってきたりとかするようなところも多いと思いますが、うまくいけばいいんだけど、逆に振れることもあるので。上毛町では公民連携で行っている事業はほぼないんですけど、学童保育だけは民間委託でやっています。社会福祉法人ですけれど。もともと障害者施設を運営されているところです。学童保育の難しさは基本が夕方からの仕事じゃないですか。それと、あと夏休み冬休みなどの長期休みの時は一日仕事になるので、従業員の確保が一番困るところなんだと思うんですよね。そこで、その社会福祉法人さんは他の事業もあるので、ある意味人を回せたりとかいうふうなところができたりします。町に4つ放課後児童クラブがあるんですけど、全て今そこが運営してるんですよ。でも、正直なところ、1つの法人に全部任せるっていうのもちょっと怖いなっていうところはあります。少なくとも2社とか。何か問題があった時に、全部それが止まってしまいますからね。今のところそういう心配は出てきてないですけどね。1社のほうが効率的ではありますけれど。どっちを取るかですよね?その行政の判断をどこまで議会にオープンにしているかも重要だと思います。
⬜︎牧
町長はそういう公民連携に対する理解度っていうのはどうですか?
⬛︎岩花
民間の力をっていうふうな形では言いますが、実際にはまだそういう段階ではないですね。まあ地元の事業者になりがちっていうところもありますよね。
⬜︎牧
地元の業者を大事にするのと、“なあなあ”な関係って紙一重ですよね。
⬛︎岩花
結局、町が変わらない理由になったりします。そこの過程がね、もう少し丁寧になるといいですけどね。
⬜︎牧
時間もあとわずかになってしまいましたので最後に、岩花さんはLDLに入ってどう感じているのか聞かせてください。
〜LDLに入って何を思うか?〜
⬛︎岩花
僕は、たぶん自分とこの議会だけ見てたらきっと腐ってたと思うんですよ。最初に良かったのが、町村議会の研修で、4泊5日ぐらいで全国の新人議員が集まるというものに自分で行こうかなと思って行ったんですけど、すごく勉強になった、というか刺激になりました。そこでLDLに入って、色んな事例に触れることができるようになりました。今は議員も増えてきて良かったなと思っています。僕もまだまだ、勉強が足りないって思うし、活動としてまだできてないことが多いので。やっぱり議員として、この町を少しでもよくできるようにしたいなと思っているところですね。でも総じて議員はやっぱり面白いですよね。人生の中でこういう仕事に携われて、本当にありがたいし、お返ししたいなっていうふうに思っているところなんです。けど、まだまだ、自分の力量不足もすごく痛感しますよ。
⬜︎牧
もう10時になっちゃいましたね。
⬛︎岩花
ちょっとよもやま話が多かったですね。
⬜︎牧
いやいや、もうそこが一番。核の話なのかなと思いました。
⬛︎岩花
ありがとうございました。