I'll Remember April ジャズスタンダード深堀り : リズムラボ
今回の記事では "I'll Remember April" を掘り下げて行きましょう!
この曲は、1941年にアメリカ合衆国のピアニスト Gene de Paul (ジーン・デ・ポール)が作曲、作詞はPatricia Johnston (パトリシア・ジョンストン) と Don Raye (ドン・レイ) が担当しました。
I`ll remember Aplirは翌年の映画『Ride 'Em Cowboy』の挿入歌として採用されます。ボーカルはDick Foran (ディック・フォラン) 。
映画『Ride `em Cowboy』
歌詞で見る I` ll remember April
This lovely day will lengthen into evening
この素敵な日の時が経ち夕方になると
We'll sigh goodbye to all we ever had
私たちの今までの全てに別れを告げるのさ。
Alone where we have walked together
共に歩んだ後に、一人になる。
I'll remember April and be glad
これからは、4月を想って喜ぶよ。
I'll be content you loved me once in April
あなたが4月に一度、私を愛してくれた事を理解するでしょう。
Your lips were warm and love and spring were new
あなたの唇は温もりをもっていて、愛と春は新鮮でした。
I'm not afraid of autumn and her sorrow
私は秋と彼女の悲しみを恐れない。
For I'll remember April and you
私は決して、4月とあなたを忘れないから。
The fire will dwindle into glowing ashes
炎は燃え尽きて灰になってしまうけど
For flames live such a little while
炎の寿命はとても短いから
I won't forget but I won't be lonely
忘れることをしたくないけれども、孤独ではないよ。
I'll remember April and smile
私は四月と笑顔を想うから。
1941年のアメリカ合衆国
1941年で日米間の大きな出来事と言えば、真珠湾攻撃が挙げられると思います。両国の緊張状態が最高潮になり戦争へと向かって行く時代に作られた楽曲なんですね。
ドラマーで見る I` ll remember April
Max Roach のスタジオ録音
マックスウェルの真っすぐなフットハイハットでしっかりとリズムが刻まれその上で楽曲が展開しています。
Ed Thigpenのスタジオ録音
エドのスティックから始まるドラミングは、彼のスイング感に彩られて全体のアンサンブルが非常に澄んだものに仕上がっている印象を与えてくれます。エドのレガートの上で自在にフレージングするスティットのフレーズから、エドのレガートに対する思考が伺えます。
Elvin Jonesのスタジオ録音
エルヴィンのリズムに彩られた粘るリズムに、静かな品格がこの録音でも見られます。フルートとの相性の良いドラミングを堪能できます。
Buddy Rich のテレビ収録
ブラシを用いたバディ節がしっかりとしたリズムの芯を奏で続けています。良い録音状態ではありませんが、バディの演奏時の思考を感じるドラミングです。
おわりに
この楽曲でもアレンジや考え方は様々。ポップスとして生まれえいが音楽として1940年代に5本の映画音楽として採用され続けた I` ll remember April。ジャズ音楽家たちの挑戦と試行錯誤を感じる深堀りが出来たと思います。時代背景・社会情勢・エンターテイメント業界の流行りなど様々な界隈からの相互影響があるのは音楽家も音楽業界も例外ではない様です。