These Foolish Things ジャズスタンダード深堀り : リズムラボ
戦前の1935年、和暦では昭和10年にイギリスで作曲されて録音された楽曲で、今日ではジャズ・スタンダード曲として親しまれ続けています。
These foolish Things (Remaind me of You) の現在に至るまでの道のりを見て行こうと思います。
作詞・作曲
"These Foolish Things (Remind Me of You) "は、イギリス人の Eric Maschwitz (エリック・マシュヴィッツ) が Holt Marvell (ホルト・マーヴェル) というペンネームで作詞を担当し、同じくイギリス出身の Jack Strachey (ジャック・ストラチェイ) と アメリカ合衆国出身の Harry Link (ハリー・リンク) が共同作曲者として名を連ねる、共同作曲された楽曲です。
この曲は作詞を担当したマッシュヴィッツが、BBCが深夜に放送する番組曲のために依頼された事がきっかけとなりました。
残念ながら1935年当時のイギリスの音源は見つけられませんでしたが、その後すぐにアメリカ合衆国・フランスの両国で録音・発表されました。
30年代当時のイギリスの音源がYouTube上に無い理由として考えられる点は、発表当時はこの楽曲の売れ行きが良くはなかったという事が挙げられます。今後音源を見つけられたら書き加えようと思います。
1936年、フランスでのJean Sablonの録音
1936年 アメリカ合衆国でのBenny Goodman による録音
ドラマーで見る These foolish Things
Max Roachのスタジオ録音
ベースがテーマメロディを弾く録音で、マックスのブラシワークがそのメロディを強く・優しく支えています。
Jo Jonesのスタジオ録音
アニメーションのディズニーのキャラクターの動きを想わせるような、ピアノのイントロから始まり、弦楽器の音色と見事に同調したジョーのブラシワークが堪能できます。
Kenny Clarkのスタジオ録音
ミドルテンポの軽快なスイングでの演奏を楽しめる録音で、ベースとドラムの掛け合いが非常に印象的です。
Buddy Richのスタジオ録音
ドラマーBuddyの録音。ずっしりとした重心の低いブラシワークが、スローな楽曲をしっかりと支えています。
Elvin Jonesのスタジオ録音
ピアノとサックスの音色の下支え。そんな音色・音量で奏でるドラマー・エルヴィンの演奏。音楽に対する並々ならぬセンスを感じる録音です。
Ed Thigpenのライブ録音
ブラシと言えばこの人。エドの品ある音色に各楽器を優しく包み込むフレーズとダイナミクスは彼ならではの物。素晴らしい演奏です。
おわりに
イギリスで作曲された後に、フランス・アメリカ合衆国と渡り歩いたThese Foolish Things を 原作に纏わるストーリとドラマー目線で深堀りしてきましたが、いかがでしたか?
多くの著名なドラマーが演奏してきた楽曲。それぞれに色があり音楽家の個性を感じる事ができる、音源集になったのではないでしょうか。
音楽家としての色。これは大切ですね。
自分の色は何色かな。
そして皆さんの色は何色ですか?