天才ヴァイオリニストと消えた戦慄 : 俺の映画鑑賞記録
天才ヴァイオリニストと消えた戦慄
2019年 (2021年日本)
フランソワ・ジラール監督
2002年に発表された歴史フィクション書籍の『The song of names』を映画化した作品。
映画の内容をあまり読まず、タイトルに惹かれて鑑賞しました。
内容としては第二次世界大戦前後のイギリスで、映画『戦場のピアニスト』を彷彿させる内容ながら、こちらは歴史フィクション。
面白い創作だと感じました。
この映画から考えた事の一つに
「人は借りを返す事が出来るのか。」
という事。
借り、失態、失礼、善行など全て含めてその後の何かで「返す」事は不可能なのでは無いかと感じます。
反省であれば過去の事実を認め常にそれと共に生きる事。
恩を受けたのであればその感謝と共に生きる事。
そういう事なのかなと考えました。
以下ネタバレ含みます。
映画内でポーランド出身のユダヤ系の主人公が、教育・機会を与えてくれた人を裏切り失踪します。
その後に一つのコンサートを以って借りを返すという物語があり、失踪した理由としてアーティストという個では無く、価値観を紡ぐ者として別の世界で生きたくなったと弁明する場面がありました。
その思いは誰しもが否定出来ませんが、その為に新たに人を傷つけて良い理由にはならないと思うのです。
その思いを通して失踪した結果、パトロンとして彼に関わった方が失踪の2ヶ月後に死を迎えます。
仮に、借りを返す事が出来るのであれば、彼が使命を感じた事は全くの矛盾となります。
どこかで誰かが「ユダヤ人差別」に対して「謝罪」をしているでしょうし。
まぁ、人間ってどこまでも自分本位で自分勝手だよね。って事を描いたのでしょうか。
このシーンで「なんだかなぁ。」となったのが正直な感想でした。
次は映画の内容を確認する事と、この様な考察が行うきっかけとなった良い映画鑑賞でした。
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