ジャズメンとクラシック Yardbird Suite : リズムラボ
Yardbird Suite (ヤードバード・スイート) は1946年にサックスプレーヤー・作曲家のCharlie Parker (チャーリー・パーカー) によって作曲されて、Jazzのスタンダード曲となった曲です。
この曲のタイトルはチャーリー・パーカーのあだ名であった「ヤードバード ※1」とクラシック音楽の曲によく使われる「Suite」が組み合わさって名付けられました。
同様趣旨で採用されたのJazz楽曲のタイトルは他に、Duke Ellington (デューク・エリントン)の "Ebony Rhapsody" (エボニー・ラプソディ) (ミッドナイト・シンフォニー) やDuke Ellington (デューク・エリントン)の "Ebony Rhapsody" (エボニー・ラプソディ) があります。
タイトルから当時のJazz音楽家たちがクラシック音楽を意識していたことや、Jazz音楽の聴衆らはクラシック音楽に親しみをもっていた事がうかがえますね。
Duke Ellington (デューク・エリントン)の "Ebony Rhapsody" (エボニー・ラプソディ) ↓
話をヤードバード・スイートに戻しますね。
この楽曲はJazzとして最も一般的な4/4拍子・32小節でAABAの形をとっています。
AABAとはAとBというメロディがあって、Aパート・Aパート・Bパート・Aパートと演奏をする楽曲の形の事を指しています。
全体の小節数が32で、AABAの4パートがあるので、1パートは8小節という形になっています。
このこの楽曲の録音は1946年の3月28日、カリフォルニア州・ハリウッドで行われました。
参加した音楽家は、
トランペット Miles Davis (マイルス・ディヴィス)
テナーサックス Lucky Thompson (ラッキー・トンプソン)
ピアノ Dodo Marmarosa (ドド・マルマローザ)
エレクトリックギター Arvin Garrison (アーヴィン・ギャリソン)
ベース Vic McMillan(ヴィック・マクミラン)
ドラム Roy Porterト(ロイ・ポーター)
1946年に録音された演奏は、68年の時を経て2014年にグラミー殿堂入りを果たしました。
46年といえば第二次世界大戦が「終わって」から次の年。わずか7か月程でこの録音が開始されています。当時のカリフォルア・ハリウッドの状況はどの様なものだったのか、アメリカ合衆国の近代史にされに興味を持ちつつあります。
他のJazz音楽家たちによる録音
チャーリー・パーカー以外のJazz音楽家の多くもまたヤードバード・スイートの録音を残しました。
Claude Thornhillはオリジナル音源の翌年1947年に録音。当時のこの楽曲の注目度がうかがえます。
録音はオリジナルに比べて比較的ゆっくりしたテンポで大所帯の楽団で録音されました。
Yardbird Suite - Claude Thornhill
次はボーカルジャズとして1956年に行われたBob Doroughの録音を紹介します。
Yardbird Suite - Bob Dorough
1958年のHampton Hawesの録音です。
軽快なピアノのイントロからギターのテーマのメロディと続き、リズミカルなドラマーのブラシワークが印象的な録音です。
Tardbird Suite - Hampton Hawes
1972年にJimmy McGriffによって録音された音源。
表現豊かなオルガンサウンドと、ステレオ右側から聞こえるドラム、左から聞こえるギター、とてもダンサブルなリズムがうねり続ける録音です。
Jimmy McGriff - Yardbird Suite
同じく1972年の録音でJay McShannの録音。
バイオリンの伸びやかな音から始まる、緩やかさのなかにグイっと引っ張られるリズムを感じさせてくれます。
1977年の録音。
イントロのドラム、ピアノの掛け合いから楽曲への愛情を感じる録音です。
Hank Morgan - Yardbird Suite
1977年のSadao Watanabeによる録音。
艶やかなサックスの音色がたまりません。ドラマーが攻めたフレーズを連発しているところもドラマーとして聴きごたえがあります。
Sadao Watanabe - Yardbird Suite
私自身が気に入っている録音を中心に紹介させていただきました。
このほかにもまだまだ多くの録音が残されていますし、今回あえて入れなかった録音もあります。
あなたにとってお気に入りの録音が見つかる事を願っています。
※1
短くはBird(バード)と呼ばれていました。