カーニバルパレードに参加する障がいを持ったサンビスタたち
サンパウロのサンバチーム ホーザス・ジ・オウロ (Rosas de Ouro )では、これまで打楽器奏者として練習に参加してきましたが、直前でとても素敵なご縁をいただき、打楽器隊としてではなく、ホーザス・ジ・オウロの "アーラ・ソシアゥ (Ala Social)" と言うグループのメンバーとしてパレードに参加する事になりました!
アーラ・ソシアゥは、障がいを持った人たちで構成されたグループです。障がい者と介助者がふたり人ひと組でパレードをします。ここに参加している障がい者は、車椅子の方、ろうあの方、目の不自由な方がいます。
私は、網膜色素変性症という難病を持つ、視覚・視野障がい者です。日本ではプロの打楽器奏者として演奏活動をし、カーニバルの時期にはブラジルへ渡り打楽器奏者としてサンバをしていますが、普段は白杖という目の不自由な方が使う杖を使って歩いています。
白杖を使って歩いているのに、そんなことができるの?と言う疑問を持たれる方もいるでしょう。サンバの演奏は幸いな事に、演奏のお作法と経験と対応力をもってすれば可能です。このいわゆる"コツ"については、別の記事でお伝えさせてください。
さて、この障がい者のグループ アーラ・ソシアゥとしてパレードに参加する事になり、初めての公開練習 (エンサイオ・テクニコ) に行くため、チームメンバーと会場近くの駅で待ち合わせをしました。打楽器隊として参加していた時は、直接、会場へ行って隊と合流していましたが、アーラ・ソシアゥとしては初めての参加なので、グループのメンバー達と行動を共にします。
※過去のアーラ・ソシアゥの取り組みについての記事はこちら
アーラ・ソシアゥの参加者は障がいを持っているため、サンバカーニバルの様なイベントに参加した経験があまりありません。でもブラジルのサンバチームにはアーラ・ソシアゥの様な障がい者のグループが存在し、そこではボランティアの介助者と一緒に、カーニバルパレードの華やかな舞台に立つことができます。サンバは、参加したい気持ちがあれば誰もが、豪華絢爛な衣装を身にまとい、大勢の観衆の前で歌って踊ることができるのです。大事なのは、出来るか出来ないのかではなく、やりたいかやりたくないか、なのです。
華やかなサンバの世界を遠いと感じている障がいを持った方々やその関係者の方々に、こういった文化・芸術活動への参加の可能性がある事を知って欲しいと思いました。
また、これまで自分がやってきた様に、障がい者であっても、打楽器演奏者(バテリーア)として参加できる可能性がある事をお伝えしたいと思っていました。
私自身、以前からこの様な障がい者アーラ(グループ)が多くのエスコーラに存在する事は知っていましたが、今回はじめて当事者として参加する機会をいただけて、本当に嬉しく思っています。
障がい者グループの内側からでしか見れない事を経験できるのは、私だから出来ることなのだと、障がい者の視点で見たこと感じたことを、今後のnoteではお伝えしたいと思います。
そして、今回のこの体験を活かして、私が活動している日本のサンバチーム "ジャパブロコ(JAPA Bloco)" でも、同じ趣旨のアーラ設立に向けて取り組んで行きたいと思っています。ぜひ今後の動向に注目してください。