Wave ジャズスタンダード深堀り : リズムラボ

 "Wave" という曲名で親しまれているジャズ・スタンダード曲。
今回はこの曲を深堀りしていこうと思います。

 この曲はAntônio Carlos Jobimが作曲したボサノバ曲で、1967年に発売された同名のアルバムに歌のないインストゥルメンタルとして収録されていて、英語の歌詞は同年末にジョビン自身が書いたもの。
 ポルトガル語での曲名は ”Vou te Cantar” 。英語に直訳すると I`ll sing you.となりますが、英語での題名は Wave となりました。


 英語の歌詞は、フランク・シナトラが1969年2月11日に録音した1970年のアルバム『Sinatra & Company』に収録されています。


歌詞で見る Vou te cantar

Vou te contar
あなたに唄う。
Os olhos já não podem ver
私の目はすでに光を失ってしまった
Coisas que só o coração pode entender
これらは心を判らせてくれた。
Fundamental é mesmo o amor
純粋な愛は、人の根源的なもの。
É impossível ser feliz sozinho
決して独りで幸せになる事は不可能ですよ。

O resto é mar
残ったのは海。
É tudo que não sei contar
そのすべてを理解することなど出来ない。
São coisas lindas que eu tenho pra te dar
美的なものらは、あなたに与えなくてはならない。
Vem de mansinho à brisa e me diz
風がそっとやってきて、私に教えてくれる。
É impossível ser feliz sozinho
決して独りで幸せになる事は不可能ですよ。

Da primeira vez era a cidade
初めての時は市街地に、
Da segunda, o cais e a eternidade
二度目は波止場と永遠に。

Agora eu já sei
今、私は既に知っている。
Da onda que se ergueu no mar
海のどこに流れがあるのか。
E das estrelas que esquecemos de contar
星々が瞬き唄を歌っている。
O amor se deixa surpreender
愛は驚きをもたらしてくれる。
Enquanto a noite vem nos envolver
夜が私たちを包み込むように、

英語詞で見る Wave

So close your eyes
だから目を閉じて
For thats a lovely way to be
それが素敵な方法だから
Aware of things your heart alone was meant to see
あなたの心だけが見ることができたものに気づくために
The fundamental loneliness goes
根本的な寂しさは
whenever two can dream a dream together
根本的な寂しさは
You can't deny
それを否定する事はできないさ。
Don't try to fight the rising sea
海から浮かび上がるものに戦いを挑まずに
Don't fight the moon, the stars above and don't fight me
月と戦わずとも、瞬く星たちは私たちを傷つけはしない。
The fundamental loneliness goes
根源的な悲しさは去っていく
whenever two can dream a dream together
二人共に夢を見ることができるなら
When I saw you first the time was half past three
初めて君を見たのは、3時半を回った頃でした。
When your eyes met mine it was eternity
見つめ合ったときは時が永遠の様に感じられた。
By now we know the wave is on its way to be
今、流れが来ている事が解る。
Just catch the wave don't be afraid of loving me
ただその波に乗ればよい。恐れずに愛してほしい。
The fundamental loneliness goes
渦巻いていた寂しさは消えゆく。
whenever two can dream a dream together
二人で同じ夢を見れれば。


おわりに

 ポルトガル語、英語の歌詞とその発祥を元に掘ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
 日本やアメリカ合衆国のジャズの世界にボサノバと呼ばれる音楽が入っていったのは、ジョビンとフランクシナトラ、スタン・ゲッツらの演奏活動が大きな役割を果たしていそうですね。
 今後の掘り下げからさらに調べていこうと思います。


支援したい!と感じていただけたら幸いです。 貴方へ良い影響が一日でも早く届くようにサポート頂いたお気持ちと一緒にしっかりと活動を通じて貢献していきますね!