雨とジャズ。 Here`s That Rainy Day : リズムラボ
Jazzスタンダードの一曲Here`s That Rainy Day
この曲をドラマー目線で、リズムを主体にした意見と共に紹介します。
原作は1953年にブロードウェイで上演されたミュージカル「Carnival in Flanders」の挿入歌であり、このミュージカルは1934年のフランス映画「La Kermesse Héroïque」を基に作られました。
この映画は英語タイトルは「Carnival in Flanders」邦題では「女だけの都」として日本で1937年から上映されました。今でもDVDが販売されています。
ミュージカル上演後にフランク・シナトラ(Frank Sinatra)がアルバム「No one cares」で歌った事からヒットしジャズ音楽家たちがレパートリーに加えていきました。
Frank Sinatra - Here's That Rainy Day
シナトラの音源はオーケストラで録音された豪華な録音です。
この時点ではJazzの要素はまだありませんね。
いさおセレクト Here`s That Rainy Day 代表曲
Paul Desmond - Here's That Rainy Day
心地よいMedium Swingテンポの録音で、アルトサックスのポール、ギターのジムがお互いにソロを取る。
メンバー構成はサックス・ギター・ベース・ドラムの四人。
(Paul Desmond 1924 - 1977
アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンフランシスコ出身)
Duke Jordan - Here`s That Rainy Day
ゆったりとしたジャズワルツ(3/4拍子)のテーマから、スローテンポなSwingへと移り変わるピアノトリオの録音。
ドラマーのブラシワークやピアノソロ冒頭のクリスマスソングのメロディなどがあって感情に訴えかけられる箇所が多くあり、全体的にきれいな響きが続いています。
(Duke Jordan, 1922 - 2006
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市出身)
Wes Montgomery - Here's that rainy day
ギターのウェス・モンゴメリー率いるカルテットでの録音で、メンバー編成はギター・ピアノ・ベース・ドラムです。
ボサノバの影響を受けたイーブンビート的なリズムアレンジがされていて、テーマ後にはこの録音独自の打楽器のメロディを主にしたアレンジも加えられていて、軽快で愉快な音を響かせてくれます。
Wes Montgomery, 1923 - 1968
アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス出身
Oscar Peterson - Here's that rainy day
オスカーの煌びやかなピアノフレーズから始まる録音。
ピアノ・ギター・ベース・ドラムのカルテットで、リズムは16beat。イーブン系のリズムで華麗に鍵盤を踊るオスカーのピアノの舞台を下支えしているアンサンブルから、セッション中の音楽家たちの思考を感じさせてくれます。
ピアノソロ後半のラグタイムに影響されたビートへの発展はさらにダンサブルに楽曲のリズムを彩っています。
(Oscar Peterson, 1925 - 2007
カナダ ケベック州モントリオール出身)
Rosemary Clooney - Here's That Rainy Day
ボーカル曲で、ゆったりとしたSwingアレンジされた録音。歌手でもあり女優でもある多彩なボーカル。ステージはさぞ魅力的だったのだろうと思わせてくれる歌いっぷりです。
(Rosemary Clooney, 1928 - 2002
アメリカ合衆国ケンタッキー州メイズヴィル出身)
Sadao Watanabe - Here's that Rainy Day
豪華なメンバー構成で優雅なサックスの音色が響く録音。
サックス・ストリングス・ピアノ・ベース・ドラムという構成。
(Sadao Watanabe (渡辺 貞夫), 1933年 -
日本 栃木県宇都宮市出身)