Perdido 深堀ジャズスタンダード : リズムラボ
今回の記事は1941年に録音されてジャズ・スタンダードとなった楽曲、Pardido (パーディド) を深堀してみようと思います。
"Perdido "はプエルト・リコ出身のトロンボーン奏者 Juan Tizol (フアン・ティゾル) によって作曲され、1941年12月3日に Duke Ellington (デューク・エリントン) によって録音されたジャズ・スタンダード曲です。
この曲のタイトルとなっている Pardido はそのアルファベットの並びから「英語っぽくないな、、、。」と感じていたのですが、スペイン語圏出身のフアンによって作曲されたと知って腑に落ちました。
Pardidoはスペイン語で "失われた" という意味を持つ単語です。
後にアメリカ合衆国の作詞作曲家の Ervin Drake (アーヴィン・ドレイク) と オーストリア・ヴィエナ出身の作詞作曲家 Hans Lengsfelder (ハンス・レングスフェルダー) が1994年にこの曲の作詞を担当しました。
このように整理してみると、プエルト・リコ - アメリカ合衆国 - オーストリア の三つの地域出身の音楽家らによって作られた楽曲という事が解りますね。
Perdidoの歌詞
Perdido
ペルディード。
I look for my heart
自分の心を覗いてみると、
It's perdido
それは "ペルディード" だった。
I lost it way down in Torito
トリートへの下り道でそれを失った私
The day the fiesta started
それは宴が始まった日だった。
Bolero
ボレロ
I sway that they play the Bolero
彼らの演奏するボレロが私に響いてくる。
I kissed me the listing sombrero
私は"帽子"のリストを祝福した。
And that's when my heart departed
あれが私が決心した時だった。
High, was the sun when I held him close
彼が近くにいた時、太陽は高く輝いていた。
Low, was the moon when we said, "Adios"
私たちが別れを告げた時、月は低く光っていた。
Perdido
ペルディード
My heart ever since is Perdido
私の心はあの時から"ペルディード"にある。
I know I must go to Torito
私はトリートへ行かなくてはならない事を解ってる。
To find what I lost Perdido
わたしが無くした"ペルディード"を探し求めて。
It's perdido
それが "ペルディード"
ドラマーで見るジャズ・スタンダード "Perdido"
Max Roachが参加したCharlie Parkerのライブ録音
マックスらしいフィルにスイング感を満喫できるライブ録音です。観客の歓声や手拍子も心地よい音楽になっています。
Buddy Richのスタジオ録音
ステージングで観客を盛り上げる事を良く行うバディ・リッチらしい録音。面白いビートが楽しめる録音です。
Elvin Jones のライブ録音
ドラマー、エルヴィンのスイング感で彩られたアンサンブルはとても彼らしさを感じます。ライブならではの良さがありますね。
Jo Jonesのライブ録音
白黒で録音もアナログ感が強いのですが、これでもかとその敏腕っぷりが伝わってくる映像。ジョーのカリスマ性がひしひしと伝わってきます。
おわりに
1942年・昭和17年の当時に生まれたジャズ・スタンダードの "Perdido" を深堀してきましたがいかがでしたでしょうか。
歌詞は、英語話者がスペイン語を「外来語」としてとらえて書いている様子や、作曲・作詞者が複数の国地域出身者らによって作られている事から、この当時のアメリカ合衆国の様子を想像していました。
皆さんはどの様な "画" が浮かびましたか?