All of me 深堀りジャズスタンダード : リズムラボ

 "All of Me "は、1931年にアメリカ合衆国の作曲家 Gerald Marks(ジェラルド・マークス)同じく合衆国出身の Seymour Simons(シーモア・シモンズ)が作曲した当時のポピュラー・ソング、ジャズ・スタンダードです。今回はこの曲を深堀りしていきますね!

 1931年、ベル・ベイカーの演奏がラジオで放送されたことで、「オール・オブ・ミー」は初めて世間に知られることになりました。
  ポール・ホワイトマンオーケストラは、その年の12月1日にヴォーカルのミルドレッド・ベイリーとともにこの曲を録音し、アメリカのポップ・チャートのトップになりました。

 

 その一年後の1932年に公開された映画『Careless Lady(ケアレス・レディ)』では挿入歌として使用されました。


 フランク・シナトラは「オール・オブ・ミー」をいくつかのバージョンで録音しています。 シナトラが「オール・オブ・ミー」を使用したことで、ジャズ以外の聴衆がこの曲に興味を持つようになりました。有名歌手の影響というものはいつの時代もあるんですねぇ。



歌詞で見る All of me

You took my kisses and all my love
あなたは私のキスとすべての愛を奪った。
You taught me how to care
あなたは私にケアの仕方を教えてくれた
Am I to be just remnant of a one side love affair
私は片思いの名残に過ぎないのだろうか

All you took
あなたが奪ったものは
I gladly gave
私は喜んで与えた
There is nothing left for me to save
私には何も残っていません

All of me
私のすべてを
Why not take all of me
なぜ私のすべてを受け取らないの
Can't you see
わからないのですか?
I'm no good without you
あなたがいないと私はダメなの
Take my lips
奪った私の唇
I want to loose them
無くしてしまいたい。
Take my arms
取った私の腕
I'll never use them
使わずにそっとおきましょう。
Your goodbye left me with eyes that cry
別れの時、涙を浮かべた瞳が脳裏に焼き付いています。
How can I go on dear without you
あなたなしに、どうやって生きていけばいいの?
You took the part that once was my heart
あなたは私の心の一部を奪いましたね。
So why not take all of me
なぜ私を受け入れてくれないのでしょう。


ドラマーで見る All of me

Jo Jonesのスタジオ録音

 ジョーらしい軽快なスイングで彩られたテーマやソロは聴きごたえにあふれています。やはりジョーのソロはめっちゃ心地よいですね。


Buddy Richのスタジオ録音

 バディらしいドラムのフィルをアクセントにした楽曲アレンジが冴えわたる録音です。バディの音はいつ聞いても直ぐにわかりますね。いいドラムだなぁ。

 

Ed Thigpenのスタジオ録音

 エドは今回も聴かせてくれました。ブラシの名手エドのプレイを堪能できる録音です。


Elvin Jonesのスタジオ録音

 エルビン節が炸裂していますね!
 最近気づいたのですが、エルビンの録音って極端なPAN(定位)設定多くないですか?今回も片側にドラムとベース、ソロ楽器は逆のスピーカーから聞こえます。


おわりに

 今回は、曲の発祥と当時の録音・歌詞・ドラマー目線でジャズ・スタンダードのAll of meを掘り下げてきましたが、いかがでしたか??

 ドラマー括りで探すと全員それぞれの色を出していて面白さを感じますし、曲が出来た1930年代のアメリカ合衆国の時代背景も伴って歌詞や、映画の世界観も興味深く感じます。
 今から90年以上前の出来事なんですよね。いつも感じる事ですが100年近く残って今でも演奏されている楽曲って興味深いですよね。
 色々な人に愛されてきたからこそ残っている楽曲。私も大切にしたいと思います。

支援したい!と感じていただけたら幸いです。 貴方へ良い影響が一日でも早く届くようにサポート頂いたお気持ちと一緒にしっかりと活動を通じて貢献していきますね!