Body and Soul 1947公開の映画とジャズスタンダード : リズムラボ

 ジャズのスタンダード曲として親しまれている Body and Soul (ボディ・アンド・ソウル)。
 この曲について掘り下げていこうと思います。

 イギリスの女優兼歌手のGertrude Lawrence (ガートルード・ローレンス)をロンドンでプロモーションする事を目的として、1930年に Johnny Green (ジョニー・グリーン) によって作曲され、Edward Heyman (エドワード・ヘイマン) ・ Robert Sour (ロバート・サウア) ・ Frank Eyton (フランク・エイトン) の三名によって歌詞が書かれました。
  1930年2月にイギリスのピニスト、Jack Hylton (ジャック・ハイルトン) と アンブローズのオーケストラが1930年2月の同じ週に最初にバラードを録音しました。



 その後、アメリカで曲の人気が急速に高まります。多くのアメリカのバンドが録音しました。

最初のジャズの録音とアメリカでの流行

 Louis Armstrong (ルイ・アームストロング) はジャズとして初となる録音を、1930年10月にロサンゼルスで行いました。



 アメリカ合衆国でこの曲が人気となるきっかけとなった録音は、アメリカの指揮者であるPaul Whiteman (ポール・ホワイトマン) と トロンボーン・バイオリン奏者の Jack Fulton (ジャック・フルトン) のものでした。



 最初のアメリカ合衆国でのパフォーマンスは、1930年にブロードウェイのレヴューと呼ばれる歌と踊りを含んだスタイルの演目 "Three's aCrowd" の中で行われました。
 歌手は女優でもある Libby Holman (リビー・ホルマン)



 後に映画音楽として1947年公開の映画 "Body and Soul" の挿入歌にもなりました。日本語字幕はありませんがYouTubeに公開されていました。



Body and Soul の録音をドラマー目線で見る

 ジャズ・スタンダードのBody and Soulは多くのジャズミュージシャンによって録音されてきました。
 この記事では、ドラマー目線でその録音を深堀してきます。


Elvin Jones (エルビン・ジョーンズ)

 1960年に録音されたサックス奏者 Jhon Coltrane (ジョン・コルトレーン) の音源です。
 参加ミュージシャンは
John Coltrane (ジョン・コルトレーン) 
McCoy Tyner (マッコイ・ターナー)
Steve Davis (スティーブ・デイビス)
Elvin Jones (エルビン・ジョンーズ)

 エルビンらしい、上品なリズムが聞こえてきます。



Max Roach (マックス・ローチ)

 ドラマーのマックスのリーダーアルバムにBody and Soulが入っていました。
 参加ミュージシャンは
Bass – George Morrow (ジョージ・モロー)
Drums – Max Roach (マックス・ローチ)
Piano – Ray Bryant (レイ・ブライアント)
Tenor Saxophone – Sonny Rollins (ソニー・ロリンズ)
Trumpet – Kenny Dorham (ケニー・ドーハン)

 ゆったりとした懐深いマックスの奏でる心地よいリズムを感じる録音です。



Buddy Rich (バディ・リッチ)

 バディ・リッチのビッグバンドでの録音。
 前半のバラード調のアレンジから、彼のバンドらしくテンポ感の早いスィングへと移行していきます。



Kenny Crark (ケニー・クラーク)

 Coleman Hawkins (コールマン・ホーキンズ) の1950年のライブ録音。ドラマーのKenny Crark (ケニー・クラーク)が参加しています。
 軽快なテンポのBody and Soulで、ケニーのブラシワークが冴えわたります。

 

Art Blakey (アート・ブレイキー)

 ドラマー アート・ブレイキーの録音。
 ゆたっりとしたバラードに彼のシンバルの音色が響き渡ります。


おわりに

 今回は1930年代に作曲された楽曲 Body and Soul について掘り下げてみました。
 もともとは、イギリスの女優さんの為に書かれた楽曲でアメリカでも大ヒット。レコード販売とラジオ・カーラジオの普及の潮流という時代の波にも乗って現代へと流れついた様に感じる掘り下げでした。
 次はStella by Starlight (ステラ・バイ・スターライト)を掘り下げてみようと思います。

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Isao Cato
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